六道慧の花暦 - 1月(2)空き家問題
空き家問題が語られるようになって久しい。
以前、二軒先の家が、解体工事をすることになった。ご老人のひとり暮らしだったのだが、施設に入所されることになり、土地を売る流れになったのだろう。はじめは古屋有りで売ろうとしたようだが、買い手がつかずに断念して、解体になったのだと思う。
工事は約一週間とのことだったが、まあ、これが半月ぐらいかかってしまった。築40年は超えていたであろう古屋は、それこそ3、4日であらかた壊された。
問題は、庭や玄関先に植えられていた木々である。お年を召されてしまい、思うように剪定できなかったのだろう。枝が伸び放題で、すごかった。
で、パワーショベルを使い、必死に根を抜こうとするのだが、木の方も必死だ。簡単には抜けないんだな、これが。
ドーン、ドーンという地震のような地響きに、何度、肝を冷やしたことか。私は後で知ったのだが、剪定せずに枝を伸び放題にしておくと、地下でも根がどんどん伸びてしまうらしい。
その結果、前述のような大変な騒ぎになるわけだ。日頃の手入れが必須なのだが、そのお家は更地にしたとたん、買い手がつき、無事に新しい住人を迎えることになった。
さて、解体にかかった費用の総額は?
200万円であるとか!
内訳は、家の解体費用は約100万円。そして、庭木の処分費用が100万円。
これまた、私は後で知ったのだが、庭木は産業廃棄物になるらしいんですね。ゆえに、大金がかかってしまうわけです。ふう。思わず溜息です。
都内では、年々、空き家が増えている。伸び放題になった枝が、電線にかかれば危ないのは言うまでもない。さらに地下でも伸びすぎた根が、水道管や下水管を壊しかねないだろう。
空き家問題は深刻だ。私は見たことはないのだが、タヌキやハクビシンといった野生動物が空き家に住みついているとも聞いた。
せめて、できることは庭木の剪定ぐらいだろうか。悩ましいことである。
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