六道慧の花暦 - 1月(3)唐辛子

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六道慧の花暦です。

唐辛子の話である。

言うまでもなく唐辛子は、辛い。しかし、近年、唐辛子は大人気で、新しい品種を見つければ、億万長者も夢ではないとか。

どこの国だったのかは忘れたが、ハバネロの何十倍もの辛さという唐辛子が発見された。元々あったのかもしれないが、あまりにも辛すぎるため、食べ物としては価値がなく、商品化できないかなにかで、置き去りにされていたのかもしれない。

唐辛子は商品化する際、ご存じのように粉の状態にする。この粉にする作業が危険すぎて、現地の人たちは宝が目の前にあるのに手も足も出ず、挑戦しては脱落する人が続出していたらしい。

そこに我こそはという御仁が現れた。これが、なんと!

日本人だったのである。

彼はおそらく言葉では言い表せないほどの苦労をして、その凄まじい辛さの唐辛子を粉状にすることに成功。現在、その男性は日本の某所で、そのなんとかという名前の唐辛子を生産する作業に従事している。

ちょうどテレビで紹介していたのだが、あまりにも危険すぎる作業のため、仕事は一日三時間、週に三回しか作業しない、いや、正しくは危険すぎて週に三回がギリギリなのではないだろうか。

さて、問題です。彼は一日三時間の作業で、いくら稼ぐでしょうか?

正解は18万円。これが高いか、安いかはそれぞれの判断にまかせるが、私が思わず笑ってしまったのは、その男性がしていた格好である。

頭と鼻や口はタオルで覆っているものの、ジャージの上下のような、いたって普通の格好をしていた。両目は無防備で涙ボロボロ状態。撮影していたカメラマンも似たりよったりの姿だったのだが、あまりにも凄まじい唐辛子の威力に、涙と咳が止まらなくなってすぐさま撤退。いかに危険であるかが、それだけでもわかるというもの。

私はあの方に提言したい。防護服を買ってください!

危険すぎますよ、本当に。

苦労の挙げ句、生み出された唐辛子の粉。はたして、利用価値はあるのか。

あるんですね、これが。

医療です。唐辛子にはみなさんご存じのとおり、カプサイシンという成分が含まれている。これはうまく使うと痛み止めになるんですね。手術をした後などは、リハビリをしますが、従来の鎮痛剤を用いると筋肉に力が入らず、リハビリにならないことから鎮痛剤は使えない。で、くだんの激辛唐辛子の出番となるわけですよ。割と早い時期に製品化できる見込みが立っているとか。関節リウマチの持病がある私にも、朗報になることを願うばかりです。

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