六道慧の花暦 - 2月(1)梅

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2月になりました。早いですねえ。

東風凍を解く(とうふうこおりをとく)。

今月の花として、私は梅を選びました。なんと言いましても薫りが素晴らしい!

絹製品の代表格である着物は、ご存じのように簡単に洗濯などできませんから、香を上手に使ってしのいだわけですね。令和元年。天皇陛下がご即位なされた式典のとき、美しく雅びな十二単をテレビではあるものの、拝見できました。遡って平安時代、女性たちはあの着物を引きずりながら、着ていたことになります。当然、汗をかく。

そのときに使われたのが伏籠(ふせご)。

読んで字のごとく、伏せた籠の下で香をたきしめ、籠に広げた着物(打掛)をふわりと掛ける。風通しのいい場所で行えば、薫りを移すだけでなく、乾燥させることもできたでしょう。風雅というか、優雅というか。衣替えのときなどは大変だったかもしれませんけどね。

個人的に伏籠は、平安時代の女性の長い髪の毛を乾かすときにも、使われたのではないかと考えています。本では廊下に広げて乾かした云々と記されていましたが、伏籠を使わない手はないでしょう。籠に髪の毛が引っかかるのと、濡れた髪の水分を取る両方の役目をかねて、伏籠の上に布を敷き、髪の毛を広げて乾かしたのかもしれません。

私は小学生のときは、父親の「女の子は髪の毛が長くなければ」という考えに基づいて、腰のあたりまで髪を伸ばしていました。大変でしたよ。自分では洗えないので、母と一緒にお風呂に入り、朝は母に髪の毛を三つ編みにしてもらう。思うように洗えない辛さは、ほんの少しですがわかるかも。

そして、梅と言えば梅干しや梅酒などに利用されます。梅酒の場合、焼酎だけでなく、ブランデーやウィスキー(もちろん安いもの)でも美味しく仕上がることを、私は去年、ある担当編集者の話で知りました。

へえぇ、ブランデーかぁ。美味しそうだなと思いましたし、実際、美味しいそうです。ただ、梅を綺麗にして干して、漬ける瓶を消毒してなどと考えるだけで、あー、面倒くさい。となってしまう。美味しいものを食べるには、まめじゃないとねえ。だめだわ。

さて、この後はまた、『恋猫を、一緒に探しませんか』の(5)をお届けします。

この話は大人の絵本というコンセプトで書きました。第1話は中学生の後藤比呂志君が主人公ですが、第2話以降は、さまざまな年代層が登場します。また、後藤比呂志君は第1話だけでなく、この後の何話かにも登場予定です。

出逢うと恋が成就するという都市伝説を持つ恋猫。

みなさまに愛されるといいなと思います。

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