六道慧の花暦 - 3月(1)桜

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六道慧の花暦です。

早くも三月になりました。今年はいつにも増して異様な暖かさとなり、2月時点ですでに桜の便りが聞かれました。梅と桜の花が一緒に咲くというのは、やはり、異常事態でしょう。夏の東京オリンピックは大丈夫だろうかと心配になります。

さて、今月の花はもちろん桜でしょうね。

遙か昔、平安時代ぐらいでしょうか。物合(ものあわせ)なる風雅な遊びがあった由(よし)。歌合や貝合をはじめとして、色々あったようですが、桜合(さくらあわせ)という遊びもありました。左右に分かれて花の美を競ったらしく、余興として歌が詠まれたとか。

菊合(きくあわせ)、女郎花合(おみなえしあわせ)、菖蒲合(しょうぶあわせ)などがポピュラーだったようです。

左右に分かれた人たちは、それぞれ五本の枝を折り取ってきて、一本ずつ競うわけですね。インターネットが忙しく使われる今では、考えられない『遊び』かもしれません。

折枝に文をつけて女性に送るのも一般的でした。ですが、やはり、桜は梅に比べると薫りが劣ります。そのため、梅の枝を利用することが多かったらしいですね。さらに殿方が送るのは当然、恋文ですから桜の散る風情をきらった向きもあるとか。

私は梅も桜も好き。特に桜は、隅田川沿いの桜の満開時が、最高に美しいです。散る風情もまた、水面が桜色に染まって、見応えがある。なかなかうまい具合に、満開時には行けないんですよね。ああ、まだか、いや、そろそろなどと思っているうちに桜散るとなる。タイミングをつかむのが、むずかしいです。

鬱金(うこん)桜という桜があるのを、私は友人に教えてもらいました。府中市の公園にあるらしいですね、鬱金桜。一度、満開時に見てみたいものです。

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