六道慧の花暦 - 2月(2)騙された!

六道慧の花暦です。

4月に刊行予定の新刊は、詐欺師を追いかける女性警察官たちのシリーズです。詳細は後日に譲りますが、詐欺関係の資料を、あたりまえですが読みます。

今回、読んだ中では「悪質商法のすごい手口 国民生活センター監修 徳間書店」が、秀逸でした。私がお仕事をしている会社でもあり、絶対に新装版で新たに出してほしいと思ったのですが、その予定はないとのこと。

読んだ中で特に私が「ん?」と思ったのが、「その昔は、コオロギなどの虫を自宅で養殖する内職」と称して虫を買わせる詐欺とでも言いますか。それがあったらしいんですね。

はたと思いました。そういえば、はるか昔、実家でスズムシを大量に飼っていた時期があったなと!

私の実家は中小企業の代表格、小さな町工場を今も長兄が細々と営んでいます。一階の工場のトイレ近くに手や顔を洗う水場がありまして、そこにある日突然、ドーンと大きな水瓶が置かれました。

学校から帰って来たときにはすでにあったため、いつ、だれが、どのような経緯で買い求めたのかはわかりません。でも、おそらく両親は「スズムシを増やしてくれれば、それが売り物になる」みたいな感じで売りつけられたのではないでしょうか。

結局、騙されたわけですね。哀れスズムシは引き取り手がいないまま、大繁殖。私は母から「友達にスズムシがほしければ、虫カゴを持っておいでと言いなさい」みたいなことを言われた覚えがあります。

そうか。あれは、やっぱり、一種の詐欺だったのかと、本を読んで得心した次第です。その後、残ったスズムシは放してやったに違いありません。その年の秋は、よく聞こえましたもの、スズムシのどこか哀愁を帯びた鳴き声が(笑)。

時は一度目の東京オリンピック前後、まさに高度成長期のまっただ中でした。父と母は少しでも家計の足しになればと思ったのかもしれません。虫詐欺(?)だったんですかねえ。

いやはや、それにしても、色々な詐欺があるものです。最近は特にシニアを狙った詐欺が横行しています。他人事ではありません。現に私のところにも、裁判所を装ったようなハガキが届いたことがありますから。自分事ととらえて、気をつけるようにしましょう!

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