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UNIVERSAL AUDIOの新サービス、UAD Sparkについて

UADプラグインがサブスクで使える!
しかもネイティブ対応!!

これは!!!DTM界の革命ですよ!!!!!

ということで今回はUAD Sparkについて話したいと思います。


UADとは

そもそもUADとは何なのかを簡単に説明します。

UADというのはUNIVERSAL AUDIO社 (以下UA社) が開発しているプラグインエフェクトの製品名で、プラグインの特徴としては、アナログ機材の回路を精巧にモデリングしたものです。

しかしその再現度の高さから、プラグインを使用した際のCPU負荷の高さも相当なものになってしまうため、通常のプラグインのようには使えずUA社が開発したDSP上でしか起動しないというものでした。

DSPというのはプラグインの処理に特化した演算装置のことで、UA社が開発しているオーディオインターフェイス Apolloシリーズや、DSP専用装置 UAD-2 Satelliteというハードウェアに搭載されています。

DSPを使うことのメリットとしては、PCのCPUを使用しないのでラグが少なくPCのスペックに依存せずに使用できるという点があります。

しかし、このDSP搭載装置は安いものでも10万円を超えるような高価な機材で、また、DSP搭載装置を買えば全てのプラグインを無制限に使えるというわけではなくプラグインをさらに追加購入していく必要があります。

そしてこのプラグイン自体も2〜3万円するような高価なものとなっています。

これらのことから、UADプラグインの導入はとてもハードルが高いものとなっていました。

ですがUA社が先日発表した新サービス UAD Spark では、UADプラグインが月額$19.99で使え、さらにネイティブプラグイン化 (DSPなしにCPUで動作)するというものです。

これってDTM界の革命ですよ!!!!


UADx

DSPで動作するプラグインと区別するためにUAD Sparkで使えるようになったプラグインをUADxと呼んでいるようです。

現在対応しているプラグインはこちら

Compressors

・Teletronix LA-2A Collection
・UA 1176 Collection
・API 2500 Compressor

スクリーンショット 2022-04-10 2.22.02


Reverb & Delay

・Lexicon 224 Digital Reverb
・Pure Plate Reverb
・Galaxy Tape Echo

スクリーンショット 2022-04-10 2.22.09


Preamps, EQ & Tape

・API Vision Channel Strip Plus
・Studer A800 Tape Machine
・Neve 1073 Preamp and EQ

スクリーンショット 2022-04-10 2.22.17


UAD Instruments

・Opal Morphing Synthesizer
・Ravel Grand Piano
・Moog Minimoog
・Waterfall B3

スクリーンショット 2022-04-10 2.22.27


エフェクト系が9個と音源が4つ。

Neve 1073やLA-2A, 1176が入っているのはありがたいです。

現状はまだ数が少ないですが、これからに期待ですね。


CPU負荷

気になるところはそのCPU負荷。

私の環境 (intel Core i9 9900K) で試してみた結果はこのような感じ。

スクリーンショット 2022-04-10 3.03.15

「軽っ!!!!!」

というのが真っ先の印象でした。

Neve 1073 (EQ ON)が10%強と一番高い結果になったのですが、他のプラグインはどれも3%前後といった感じです。

そしてレイテンシーもほとんどないです。

22トラックのステムにNeve 1073 (EQ ON)とLA-2Aを挿した結果がこんな感じ。

スクリーンショット 2022-04-10 0.19.03

CPU負荷は50%とかなり高いですが、それでもまだいけそう。

聞いた話によると4coreのUAD-2 SatelliteではNeve 1073をモノラルで8本挿すのが限界らしいので、UADxは負荷がかなり低いことがわかります。

試しに書き出しをしてみたところオフラインバウンスでも問題なく書き出しができ、その時間も比較的早いように感じました。

これはもう手放せなくなりそうですね。


感想

軽く触っただけでじっくりは使い込んでいないのですが、さすがはUADと行った感じの手触り。
Neveや1176の質感は、ついニヤけてしまうほど良かったです。
画面がリサイズできないのは少し不便に思いました。

もう少し使い込んでから個別に細かいレビューができたらなと思います。

CPU負荷がとても小さいのでDSP版とは作りが違うのではないか?と疑問に思ったのですが、私はApolloもSatelliteも所持していないので比較することはできませんでした。

ですが比較してくれている方がいたのでそちらを紹介します。


Do UAD Spark Plugins Sound The Same As The DSP Versions?

DSP版とUADxのプラグインを同じ設定で比較する動画ですが、逆位相にすることで完全な無音になっています。

つまりDSP版とUADxでの違いはないということでしょうか。
この動画では全てのプラグインが比較されているわけではないので、もしかしたら異なるものもあるのかもしれません。


注意点

UAD Sparkですが、現在はMacのみの対応となっています。
Windows版は2022年秋ごろにリリースの予定なので、今のところはMacユーザーだけの特権といった感じです。

またDSP版のプラグインを所持しているからといってそのプラグインをネイティブで使えるというわけではないようです。
ネイティブで使えるのはUADx対応プラグインのみですね。

ですので既にUADプラグインを使っているユーザー向けというよりは、UADプラグインを使ったことがない方、DSPハードウェアを持っていない方向けのサービスのような気がします。

既に私の中ではいくつかのプラグインが1軍入りしているので、これから対応プラグインが増えてくれることを期待しています。


それでは今回はこの辺で。
よいDTMライフを〜

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