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何故スプラ3を楽しめなかったのだろう?面白さと人気【3070文字】

 発売後3日間で国内の歴代Switchソフト最大の売り上げ本数となったスプラトゥーン3。
今作がほぼシリーズ初プレイとなる私はバンカラバトルを中心に発売後プレイをしていましたが、少なくともランクS到達まではほとんど楽しさや面白さを感じられませんでした。
勝っても負けてもランクが上がっても下がっても特に何も思わない。
フレンドと遊ぶのは楽しいけど、それって別にこのゲームじゃなくても楽しめるしなあという感じ。
何故純粋にゲームを楽しめなかった、あるいは楽しみがわかる所までやろうとしなかったのだろうと考えていましたが、恐らくその理由はとてもカジュアルに遊べるゲームだからなのだと思います。
スプラトゥーンは任天堂のゲームらしく子供でも大人でもゲームが苦手な人でも得意な人でも遊ぶ事が出来る設計になっています。
それは言語化するなら、例えば以下のような要因からでしょう。

  1. どのブキにおいてもキル速度がとても早い
    ↳撃ち始めて1秒弱、弾数にして体感3発前後で概ね決着するのでラッキーパンチがあり得る

  2. ほとんどの場合弾(インク)が一直線ではなく不規則に飛び散る
    ↳正確なAIMが求められず大まかでも撃ってれば当たる。極一部例外はある。

  3. ヘッドショット(頭部に当てるとダメージが跳ね上がる)が無い
    ↳練度によって出せる1発毎のダメージがほぼ平等

  4. 味方との意思疎通手段が極端に少ない
    ↳ゲーム内にVCやピンと言ったシステムが無く、3種類のシグナルしか使えない

  5. ロールやポジションを選べない且つ試合中ブキ変更不可
    ↳相手や味方に応じて自分の役割を大きく変えるのが難しい。というかステージが特定プールからランダムなのでステージを見てから変える事すら出来ない

自分がプレイしていて特に感じたのはこの辺りでしょうか。
他のシューティングや対人ゲームと比べて善くも悪くも練度の差が極端に結果に反映されづらいシステムになっており、しかもその状況を4人vs4人の8人で行うのですからかなり遊びが出るでしょう。

 私はスプラトゥーンにちょっと近い、チームで試合をするシューティングであるOverWatchというゲームがめちゃくちゃ好きnanoですが、そちらは通常のシンプルなFPSよりもゲームの理解度や練度が重要になるものでした。
それ故に勝った時の「内容・立ち回り・練度で上回って明確にゲームを動かしている感」は非常に強く、逆に負けた時は相手の練度に感服したり明らかに自分が居るべきレベル帯じゃないな……みたいのを感じることも多く、習練の余地がありありなので自分にしてはモチベーションを高め続けられるゲームになっていました。
視点をスプラトゥーンに戻すと、その遊びの多さ(と感じてしまう要素の多さ)故に勝っても負けてもしっくり来なかったのだと思います。

 これに近い現象を他にも体験した事があります。ポケモンのシングルバトルです。
私は気づけばかれこれ人生の半分以上の歳をポケモン対人と共に過ごしていたのですが、ポケモンを面白いと思った切っ掛けはダブルバトルでした。
なので勿論対人もダブルから入りダブルがメインなのですが、意外とそういう人は多くないようで、確かに過去作品のルール毎の人口分布を思い返してみてもシングルが圧倒的に多くダブルは1/4くらいという事が多かったです(SVのデータを見てみたら同じくらいでびっくりしました。まだ発売からそんなに経ってないから?)。
もっと言うと、昔あったトリプル・ローテーションはダブルより更に人口が少なかったし私が愛して止まなかったシューターバトルは結構絶望的な人口でした。
じゃあこれらのマイナールールが面白くなかったのかと言うと、個人的にはそんな事は全然なくむしろ一番面白くない(結果にムラが生まれやすい。これまでの言い方をするなら"遊びが多い")ルールってシングルだろうと思います。
シングルに練度が必要無いなんて言うつもりは勿論ありません。ただ、遊びの差が大きいのは間違いないと思います。

何が言いたいのかというと、そのジャンルで流行ってるもの主流になってるものってその筋で本質的に一番優れているものじゃなくて触る労力がかからなくて手軽なものだよねって事です。手軽だから触れる人が多くて人口が多くなるというまぁ当たり前の話ではあるんですが。
ゲームで言うなら一番面白いものじゃなくて面白さと手軽さ(遊び)3:7くらいのもの、牛丼で言うなら地域一の味を誇る高級なものじゃなくて味は程ほどでも徒歩数分のコンビニとかチェーン店で買える手軽で安価なもの。
手軽さが一番重宝されがちだよねというお話です。

話を纏めると

  1. その筋ではトップシェアと言えるスプラトゥーン3やシングルバトルを筆者は十全に楽しめなかった

  2. その理由は遊びが多いから(だと考えている)

というのがここまでの話です。
さて、ここで1つ引っかかる事があります。
それは
「お前はトップシェアのゲームを楽しめなかった満足できなかったと書き連ねるが、上で言う牛丼ならコンビニやチェーン店のもので満足するんじゃないか?水だって水道水やその辺で売ってるものでいい。お菓子だって、居住だって衣類だってそうなんじゃないか?一方は手軽なもので満足しているのに、じゃあなんでゲームばっかり手軽なものじゃなくより本質的に優れているとかいうものを求めようとしているんだ?」
というものです。

その解答は…………………

………………………

………………

…………

……



アッ!!?!それこそが自分のこだわりってヤツなんじゃないか?!?!?!

✨✨✨💮💮💮💮💮✨✨✨


おわり

 スプラトゥーン3を楽しめなかった事によってこだわりというものを発見したよちょっと言語化出来たよみたいな話でした。
なんならこの一文だけでよくない?

 もう少し踏み込んだ事を書くなら、スプラトゥーン3を何ゲーとして見ているかで本質も変わってくるからうんぬんみたいな話も出来そうですね。
微妙に関係ないですが、手軽さが人口の多さに繋がるなら、手軽を本質として捉えたゲームの頂点ってなんだろうと考えたらジャンケンでした。めちゃくちゃ人口多いかもですね。

 話をこだわりの部分に戻して、逆説的に言うと「なんで世間はそれで満足してるの?もっと良いものがあるのに……」と感じるものは自分の中の強いこだわりの部分だと思うので、どんなに世間とズレを感じていてもこだわるべきなのかな~~~みたいな事も思います。
これは他の要素も大いに入ってくるのでまた別の記事で個別に扱うつもりですが、最近だとAIイラスト関連とかね。AIイラストの精度がめちゃ低いとは言わないけど、こんなものでも世間的には迎合されていくんだ~みたいな驚きがあります。

 本記事ではスプラトゥーン3(とかシングルバトルとか)をやや否定的に扱った側面がありますが、内心別にそんな事はありません。
当然私も別の筋ではその手軽さや遊びにどこかしら寄りかかっているし、全てにおいて本質的な事を求めている人ってそもそも生きていけないだろという感じです。手軽さは手軽さで絶対に誰かに必要なメリットだと思います。
自分がこれに求めてるのは手軽さなのか本質的なものなのかを逐一考えてみたりすると、色々舵取りがしやすくなったりするかもしれないですね。
手軽さについて特に語る事は無いと思うので、その内「こだわりについて」の記事は書いてみようと思います。こだわりの源流って何?こだわりとどう良いんだ?そんな感じのものになる予定。

簡易更新でしたがここまで読んでくださってありがとうございました。


▼前回の批評


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