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DIMENSION:DIREMMA オデュッセウスの帰還

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予定よりひと月ほど遅くなったが、まもなくENHYPENが、フルアルバムを引っさげてカムバックする。

本日、スキュラ、カリュブディスに続いて、最後のオデュッセウスのConcept Filmまでが発表になった。
これですべてのコンセプトが出そろったことになる。

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DIMENSION:DIREMMAというタイトルの、ENHYPEN初のフルアルバムへの期待が果てしなく高まる毎日毎夜。

扇情的なスキュラに、

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懐かしい夢のようだが、裏表のありそうなカリュブディス。

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I-LANDの苛酷な試練に続き、未経験の芸能界での試練、そしてウィルスとの無慈悲な闘いまで想起させる。

ENHYPENの日々はそこまで辛く、苦しいものだったのかと、打ちのめされずにいられないような、深く、濃いコンセプトフィルムが続く。

苦しい。
あんなふうに笑っていても、裏には悲しみが、苦痛が、隠されているかもしれないなんて。
私たちのイプニたちが、そんな哀しみの中にいるなんて。
つらすぎる。

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ギリシャ神話考察も引っぱり出して、毎晩さまざまな見解に分かれるENHYPEN考察隊の出没。
考えはぐるぐると渦を巻き、まさにカリュブディスの海竜巻に呑みこまれてゆくかのような1週間。

この1週間、ほぼ午前4時前には寝ていない気がするRJ。
→ いいんだ、ヒスンも同じくらいまで起きていそうだから!
(寝て~~~。あなたは寝て~~~~~Y(>_<、)Y)

(余談ですが、RJは自由業です。twitter上の毎度のタイムスタンプに驚き、ご心配くださってる皆さん、すいません。午前中まで寝られるので、さほどのダメージは受けてません。でも夜更かしが過ぎると胃にくるので、やはり気をつけます。ヒスンも気をつけてね。みんな、お野菜食べてね(←小うるさい。笑))


そうして、9月23日にスキュラのConcept Moodboardが出てから、およそ1週間が過ぎた。(たった1週間?)

これは旅だ。
大いなる旅。

■ディメンション:ジレンマ
ただの人が英雄になるためにくぐり抜けなければならない試練や、英雄が必要とされる状況など、英雄をめぐる様々な様相のうち、ジレンマに焦点を当てたアルバムか?
■オデュッセイア(オデュッセウスの歌の意)
古代ギリシャの長編叙事詩。ホメロス作とされる。
トロイ戦争勝利後、10年にわたって各地を放浪した英雄オデュッセウスを主人公とした冒険譚。

今回の新アルバムは、ギリシャ神話"オデュッセイア"がモチーフだ。
英雄オデュッセウスの苦難に満ちた航海。
まさに荒れ狂う海を、オデュッセウスと共に航海してきたかのような錯覚を抱かずにいられない。

この1週間で、私たちENGENEもまた、何かがすっかり変わってしまったのでは?


「DIMENSION:DILEMMA」第1のコンセプト「SCYLLA」


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スキュラのコンセプトムービーを観直してみる。
与えられたコンセプトを美しく扇情的にこなし、大金を稼ぐアイドル。
悩みや苦しみや喜びや怒り、そんな素の感情をファンの前で見せてはいけない、君たちアイドルのコンセプトではないから。
それはそれでアイドルの一面ではあるかもしれないが、これは彼らの目指すアイドル像ではなかった。

●スキュラ:腰から下に、3列に並んだ歯を持つ6つの犬の頭と12本の犬の足が生えた怪物。近くを通る船を襲って、乗組員のうち6人を連れ去り、食い殺す。

~避けたいトラブルのうち、主として人的要素か。
人的なトラブルはどんなに嫌でも立ち向かわねばならないし、どんなに傷を負ったとしても対処せねばならない。
たとえば、I-LANDでは、友情には関係なく、みずから脱落者を選別し、グラウンドに落とさなければ先に進めなかった。
また、感情的なトラブルは絶えず起こり、そのために良い作品を創り上げることができないこともある。

自分自身の性格の問題もあるだろう。ある人はオープンで、ある人は内向的、それだけでもすれ違う。
乗り越えるべき問題は山積みだ。



「DIMENSION:DILEMMA」第2のコンセプト「CHARYBDIS」

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カリュブディスのコンセプトムービーを見直す。

ここには共通の目的、共通の基盤がないんだね。
仲は良くて楽しげではあるけれど、集まることに目的はなく、ただ友情があるだけ。
これはこれで素晴らしいかもしれないが、これも彼らの望みではなかった。

●カリュブディス:海の中に竜巻を起こす怪物。日に三回食事をするたび、恐るべき渦を起こし、周辺をゆく船も呑みこんでしまう。

~避けたいトラブルのうち、主として状況的要素か。
脱落者をみずから選ばねばならないシステムや、投票で選ばれること、定期的に訪れる試験やミッション。これはつらくとも泣き言を言わず受け入れるしかなく、これに最大限の注意を払う必要がある。

オンライン時代に適応して、自分たちの日常を作っていかなければならない。それがノーマル。
学校にも行けず、ネットの世界のアイドルが普通という異常事態。
活動をしていても、舞台で演じていても、常にスタジオはからっぽ。観客はカメラを通してしか存在しない。



「DIMENSION : DILEMMA」 最後のコンセプト「ODYSSEUS」

スキュラに心を奪われ、カリュブディスの渦に呑まれて別次元で過ごすけれど、それはぜんぶ鏡に映し出されたような逆さまの世界で、現実ではなく。

●オデュッセウス:知略の英雄
テセウス、ヘラクレスと違って、一人で旅をしているわけではない。
仲間を引き連れて、船団を組んで旅をしているのがオデュッセウス。
目の前で仲間が喰われて叫び声をあげるところを見たり聞いたりしても、助けることができない。

I-LANDでは:降格させられても、助けることはできない。
基本はグラウンダーに落とされるとなったら、どうしようもない。
万能のオデュッセウスではない。

多くの選択が目の前にあって、その選択が最強の選択というわけではない。まだマシかな、というほどの選択のくり返し。

シビアな選択。ぎりぎりの選択に次ぐ選択だった。
ジレンマがもたらす苦悩、それに対処する態度や気持ち、ジレンマを経て成長する姿の象徴としてのオデュッセウス。

多くの迷いと苦しみが次々と訪れる。
内からも外からも押し寄せる荒波、敵、病気、様々な想い。

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けれど、そこを脱出したら、輝かしいオデュッセウスの帰還が待っているはず! 突き抜ける青空のイメージのはず!

そう願ったとおり、私たちはたどり着いた。
「ODYSSEUS」オデュッセウスへと。

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たどり着いた、とはいえ、彼らはジレンマ────つまり、スキュラとカリュブディスを越えただけで、ENHYPENとしての旅はまだまだ途中であり、故郷イタケーは遥か遠くにある。

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オデュッセウスの帰還には様々な考え方がある。
日常への帰還。
新たな戦いの火蓋。
帰還すなわち旅立ちとするキリコの絵もユニークで面白い。

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もちろん、もっと違う旅もたくさんあるはず。
見る人ごとに違う旅を思い描かせる、それがENHYPENだもの。(RJ & KB)

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以下、
2021/10/1 Fri 18:00公開
DIMENSION:DIREMMA Odysseus Concept Film Teaserについて、
(公開された順に)メンバーそれぞれの印象を書いてみた。


▼ニキ

「未分化」という単語が思い浮かんだ。
すべての表情が重なり合っていて分けられない。
どの表情にもあまり差異がない。
大人びた超絶技巧でコーティングされているが、情緒的には幼さが垣間見える表裏のない少年。
それ自体が貴重ともいえる、等身大の彼の姿なのかもしれない。(KB)


等身大のニキは、どこかさびしい。
手を差し伸べたくなる何かが、彼には常に付きまとっている。
いつも旅立ちの前のように、誰か大切な人と別れる前のように、
なんだかさびしい。
このさびしさを隠すために、たくさんたくさんマントを纏わなくては。(RJ)



▼ソヌ

顔の動きがつながっている。
ひとつのコンセプトが飛躍的に発展し、元のコンセプトを吸収合併しながら今にいたるような。
単に寄せては返す波。
敢えて流れに身を任せることで、現実を生きざるを得ない人の気持ちに寄り添うアイドルになりたい。
それが、彼の決意だろうか。(KB)


微笑みの前の僕。
まぁるい円を描いて、僕は風からことばを聞くよ。
そんなふうに言っているかのように、柔らかな円を描くソヌ。
彼の心は知らない。けれど、彼からは無限大の愛のイメージを感じる。
ニキに対しても、他の多くの人々に対しても、
彼はずっと、愛そのものであり続ける。(RJ)



▼ジョンウォン

ニキとよく似て表情に乏しい。
しかしその理由は全く違う。
情緒という意味で安定していて、理性が根っこにある人。
いろいろな悩みや苦しみがあって、疲れ果てていても、彼は軽くため息をつくだけ。黙々と任務をこなしていく。(KB)


私とKBで、彼にはユリスモールと名付けた時期があった。
かたくなで、表情には何も描かず、強い人であり続けようとした時期だ。
目を閉じて、自分に問いかける。
自分はここにいていいのか。本当にここにいるべきなのか。

今もそれは変わらない。
けれど、冒険を経て、彼はここにたどり着いた。
目を閉じてはいても、彼にはもう、明日への扉が見えている。(RJ)



▼ソンフン

ときに自信を失っても、彼は自分の意志で上を向く。
何度挫折しても、僕は上を向く。
つらい気持ちのときは明るい曲を聴いて、自分にカツを入れる。
つらいとき、それはひとつの対処法。(KB)


これが僕だ。
迷いの末、彼は最後にはそう言いきった。
彼には多くの過去があり、多くの人の目にさらされることに慣れている。

一人で闘っていた長い日々。
今や、彼はもう一人ではない。
6人の船員たちと共に海に漕ぎ出し、幻の島へとたどり着いた。

これからは彼らと共に、人生という現実の島を冒険してゆくぞという決意。
そんなものがあふれているように思える。(RJ)



▼ジェイ

巨大な目標に立ち向かう覚悟のできた男。
常に状況を観察し、彼は何も見逃さない。
苦難に際しては、彼に後ろを任せれば安心だ。(KB)


ジョンウォンを抱っこしていると、ようやくうまく笑える。
彼はそう言った。
本当は一番アイドルに向いていない人なのかもしれない。

とても純粋で、心がきれい。
優雅で憂鬱。
不安も、すぐに誰より大きく受けとめてしまう。

でも、だからこそ、頼るメンバーは安心。
彼のそばは大きくて広いから。

さぁ、ここからまた旅に出よう。
大丈夫だ。俺がいる。(RJ)



▼ジェイク

表面に見える彼は、とても暖かで面倒見がよく愛らしい。
その一方で、苦しさや悩みはいつも心の底にある。
でも、それらを表に出さず閉じ込めて、常に明るく前を向いて生きていくことを決意した少年なのかもしれない。(KB)

ずっと両親に会えないでいる末弟のニキに、兄の愛情をたくさん降り注ぐ。
彼は目に見えないものに敏感だ。

つかもうとしても、すぐに淡く消えてしまうもの。
一方で、彼自身を温かく包んでくれるもの。
夢のようなあやふやなものではなく、彼が純粋に求めるもの。
その名を、愛情という。(RJ)



▼ヒスン

………(ヒスンペンなので長くなるのはご容赦頂きたい)

ここには3人のヒスンがいる。
最初に現れたヒスンは、眩しい太陽の光にくらんで目を細め遠くを見通せない。何かを見つけ、緊張しながら(舌を出すしぐさにほの見える緊張)透けてゆくが......。

次に現れたヒスンはずっと下を向いている。
ゆっくりと周りを見渡しながらも、眼をあげることができない。
あふれ出る思いや理想を、誰かと分かち合うことのできなかった愛らしい少年。
いや、これは、I-LANDで、人知れずもがいていたヒスンなのかもしれない。

三人目として決然と現れた勇ましい青年ヒスン。
彼は私たちの視線に気づき、体ごと振り返り私へ向かって歩み出す。何かを語りながら。
I-LANDでの彼の姿が重なる。
ときに孤立しながら、"必ずしも望まれない"言葉を発した。

彼が発する言葉は、いつも誰かに向かっている(ダンスでも視線でも)。
だから、その言葉を受け取れ切れないと、それは刃にもなるし、的を大きく外して飛んで行ってしまうこともある。

どこかカサンドラのようだったかもしれない。
ただ、彼はいつも苦しむ仲間ひとりひとりにしっかり向き合って、支え続けた。

.....一人目のヒスン、緊張に打ち勝って船出する準備のできたヒスンが正面を向いたとき、愛らしい少年と、決然と歩む青年という二人のヒスンは、ただ一人のヒスンに統合される。

最初に現れて、最終的に統合される、唯一舞台に残り続けるヒスンに、今現在の彼を見る。

ここには、ひとつのジレンマに打ち勝って歩みを先に進めようとする一人の青年の姿がある。
おそらく、この青年の未来には、新たな怪物が姿を現すだろう。
しかし、いま、次の寄港地へ出航する用意はできたのだ。(KB)

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「First Impression 第一印象という意味ですよね。第一印象のとき、僕が恋に落ちる人と向き合ったとき、好奇心も湧いてくるし、気にもなるし、嬉しいし、わくわくするような、すごく複雑な感情が一気に感じられると思うので、僕の好きな曲2番目に選んでみました」
ヒスン専用プレイリスト♫ヒプリーより

ジブリが好きだというヒスン。
彼が『海がきこえる』というジブリ映画のこの曲をおすすめしていたことを思い出す。動画にこの曲を合わせても素敵かも。

第一印象のヒスンが現れて、そのまま消えてしまうのかと思ったら、他の新しい印象が重なってゆく間も、ずっと、いる。
彼はいつも、ずっと、いてくれる。

ふしぎなくらい、たくさんの顔を持っていて、様々な音楽を演じ分けてくれるヒスン。
でも。

ほんとうのヒスンはいつも、そんなたくさんの顔のいちばん奥で、ちんまり両ひざをかかえて座っている。
ふんわり微笑んで、自分の幸せをだいじそうに眺めている。

わたしはそんなヒスンが好き。
ゲームに没頭して、自分だけの世界に入りこんで、自分の歌に、自分の踊りに、魂までも没頭するヒスンが大好き。

こんな短いフィルムの中でも、彼は物語を紡いで私たちに見せてくれる。
彼の紡ぐ音楽はとてもおしゃべり。
波音のように寄せては返し、私たちに語りかけてくる。
遠くを見つめる彼の目に映っているのは、未来のENHYPEN?

I-LANDでは、あの伝説の『FAKE LOVE』を創り上げたヒスンだ。
彼の中には、まだまだたくさんの宝物が、未開発のまま眠っている。

いつか見せて。
必ず見せて。
あなたが目指すもの、夢みているものをいつか必ず。(RJ)





DIMENSION : DILEMMA Concept Film (ODYSSEUS ver.)

胸がぎゅーっってなったよ!
みんな一緒にいるね。

このかんじ。
青春ロードムービーだ。
ほんとに今、彼らは青春の真っ只中にいるんだなあ。

ずっとずっと、ひとつのチームだよ。
ずっと一緒に走ってゆくんだね……!!!!!!!(RJ)

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【編集後記】

人は愛するものに幸せだけを願うものだし、苦しみや悩みのないことを祈るもの。
だけど、ここに大いなる矛盾がある。

艱難辛苦があっても、浮上さえできれば、発想を切り替えられれば、知恵を絞れば、仲間さえいれば、とにかく生き延びることさえできれば、道は開けるし、何倍も強く賢く優しく美しくなれる。

だから、ENGENEである私たちは、辛い最中にあって彼らを支える一本のマスト、一本のロープ、向こうに輝く雲の切れ目、一杯の真水、一片のパン、とろとろとした短い眠り、彼らが胸元に忍ばせている大切な人の手紙......、
そういうものになりたい。
いや、なろう、なる!!
そうやって彼らを、オデッセウスをなんとかかんとか、目指すイタケーへ連れて行くんだ‼️

オデッセウスは、いや、このDIMENSION: DILEMMAは、彼らの冒険と共に、ENGENEの覚悟を問うているようでもあり、ENGENEへの思いも詰まっているように感じられる。(KB)

すごくわかるよ。
オデュッセウスに至るまでには、スキュラもカリュブディスも必要だったのよ。
そして、このENGENEのなるべきもの、ってのがいい。
私も、そういう彼らにとっての一滴の雫になりたいわ……!(RJ)


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─── ENHYPENはここからまた、出発する ───



ここまで、たくさん書きました。
お読みくださってありがとう!!

本当に本当に次のフルアルバム『DIMENSION:DIREMMA』が楽しみでならなくなりました。
ENHYPEN、そして彼らをバックアップしてくれる大勢のスタッフの方々、HYBEの方々に、心からの感謝を。

あなたがたはチーム。
ENGENEが降り注ぐ心の血(エンジン)を、たくさんたくさん積んで、今、これから何年にもわたる大きな航海に船出したんですね…!

ENHYPENとENGENE。
どうか彼らに大きな幸運が訪れますように………!!


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