おととひメルマガ190329『 人口強制削減の時代』

よく人口曲線 のグラフ、目にしますよね。 19世紀末までは比較的緩やかな増加だったけれど 20世紀の上がり方は凄まじかった。 初代ウルトラマン( 1966年 TBS 円谷プロ)、 著名な何人かの優れた 脚本家がおられて この問題を正面から取りあげています。 有名なバルタン星人が登場する 第2回でしたか? 石井伊吉こと 毒蝮三太夫氏が演じるところの アラシ隊員。 バルタン星人にブレインジャックされてしまいます。 そこでこう話しかけます。


『 君たちの地球語はわかりにくい。 だから我々バルタン星人がこの男の 脳髄を借り、 地球人語で話しかけている。 狂った独裁者が 我々 が宇宙植民地にいる間に 我々のバルタン星を破壊してしまった。 我々は戻るべき母なる星を失った。 長い間 我々は宇宙をさまよい 第二の故郷になる星を 探してきた。 そしてここ太陽系第三惑星地球こそそれに相応しいと結論づけ ここに定住することに決めた』

ハヤタ隊員に なりすますウルトラマン。 バルタン星人とネゴシエーションを始める。

『 君たちが 地球の法律と慣習を守るなら、 それも認められるはずだ 。君たちは一体何人いるのだ?』

『 20億人。 宇宙船内で マイクロ化され眠った状態 でその日を待っている』

『 20億人だって!? 我々地球人の人口とほぼ同じじゃないか! そんなに大勢が 地球に 移住 しようというのか!?』

地球人のエンジニア・イデ隊員が横槍を挟みます。 設定は1995年頃。 別の回で分かるんですけどね。 放映された年次は昭和41年・1966年です。 語られているデータは1966年の世界人口。 これを 前提に バルタン星人と 話をしている。

我々はすでに1995年を通り過ぎました。

我々のリアル世界の1995年 世界人口はどれくらいになっていたか?USCB、PRB、UNDESA 3通りデータがあるんですけれど、 56億9000万 から 57億5000万人の間。

ウルトラマンで述べられていた地球人口のデータ。 20億人と少し。 放送開始当時実はもう少し多くて 30億人を少し出たくらい。 バルタン星人20億人 プラスとなってだいたい 1995年のリアル地球人口と同じくらいになったわけです。

翻って 20世紀が始まった頃、地球人口はどのくらいだったか? 16億人前後だったと考えられます。 第一次第二次世界大戦という およそ人の手に よるものとしては最大級の大虐殺があったはずの20世紀でさえ、 例えば1618年から1618年にかけての 『ドイツ三十年戦争』のように、 人口が1/10になったりはしませんでした。 一時の足踏みもなく、 先進国も 当時発展途上国というものはほとんどなく そういうところは先進国の植民地でしたから、 ずっと人口は増えていた。 遅れてきた工業国 ドイツと日本の人口の伸びは凄まじく 、おそらく両国の歴史上最も人口が活発に増えた時代。 周知のとおりファシズム 国家統制下、 日独両国は 国際社会に自国の 領土拡張要求。 空前の人口増大圧力に促されたものだった。 現在は日本ドイツ 両国とも、深刻な人口減に悩んでいる。 歴史は繰り返すと言ってもこれだけは繰り返さないはずです。

20世紀は激動の時代だった 。人口動態を見てもそうならざるを得なかったこと、誰が見ても想像がつく話じゃないでしょうか? 20世紀初頭16億人→ 1940年頃 22億人に。 全体で7億人 増加するプロセスで2度世界 大戦。 それでも1950年には 25億人

ウルトラマン放映時には32億 から33億。

21世紀はじめ つまり、 ウルトラマンの設定の中では、バルタン星人襲来から5年目で何人だったか?

答えは60億から61億人。

世界経済の重大な曲がり角になった2008年のリーマンショック、


 あの当時の世界人口が66億人。

現在どれくらいか見当つきますか?

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