『気候と土壌の条件』だけでは『 農業』はできない

歴史学者っての 基本的に無知で、 12000年少し前のヤンガードリアス期が始まったあたりから、 気候の温暖化が始まった。 現在 アイスランドあたりから始まっている世界中の深層海流の流れが止まりつつあるわけだけど。 このことにより 世界中の気候は とりわけ大陸周辺 温暖な海流により 急激な高温や急激な低温にさらされることもなく、 現世人類が20万年前に出現して以来初めて、 年間通じて極端な寒暖の差にさらされることなく暮らせるようになった。 だから『農業が始まった~』『 人類の暮らしは安定して 農耕文明が次第に始まった~』みたいなこと言うんだけど

『ナニ言ってるの?』だよな

気候が温暖になって安定したからといって農業はいきなり始められたりはしない。 土壌改良それは必要だろう。 山には植物は生えている。 草原もそうだ。 彼らは 赤土や岩場には なかなか入れない。 ある程度表面に土。 つまりバクテリアと栄養群があって しかも酸素を含んでいる多くは黒土の表土。 薄くあるのが普通しかしあくまで薄い。 農業はこれがある程度増えなければできない。

さらにヨーロッパの土はもともと リン分・Pが つくなかった。 炭素 水素 酸素 窒素 リン 硫黄= chonps の一つが大きく欠けているから、何をやってもうまくいかなかった。東ヨーロッパはひどいものだった。 スペインポルトガルの新大陸征服があり 大陸 沿岸部の崖に堆積した海鳥の糞 石・ グアノを大量に持ち込んで肥料として 表土 に 敷き込まなければ、 冬を越すだけの食料を取ることも難しかった。

しかしそれ以前の問題。 人類が文明を築き上げられるだけの余剰食糧もたらしたものは、何と言っても穀物・ Crops だから、 これを大量収穫できるようにならなければ、 文明の基礎にはならない。

これは気候が良くなったぐらいではどうにもならない。 もちろん天然に イネ もムギも存在していた。 ムギについては謎があって、 現在1万年以上前から存在した文明と話題になっている ギョベクリテペ。 トルコのアナトリア周辺の 高度な石造遺跡だけど。 どうもあの辺りから作られたものが世界に伝播していて 謎が謎を呼んでいるんだけど

さもありなんなんだよな

おそらく何者かが 数百年間をかけて、根気よく作ったんだ。『 農業ができるムギ』、 どういうことかと言うと『 種まきと収穫が一斉にできるムギ』 これを作ること。

つまり遺伝子操作を伴わない

選別収穫栽培による 遺伝子の 均一化により

『 発芽率を一定化したムギ』 これを作ることが

農業ができる最初の条件なんだよ
イネにしてもそうで、 田植え種まきと刈り取りが一斉にできなければ

農業なんてややこしくて
時間がかかって手間がかかってやってられないよ。 保存も難しくなるしね。

しかしそれは 天然のままの ムギや イネでは不可能なんだ。 麦や稲だけじゃない。 栽培農業用植物全てにわたってそうだ。

今種苗業者が作っている
つまり販売されているタネ

『発芽率』というものが書いてあるはずだ
限りなく98%とか9%のはずだよ。 とりわけ 食べるものに関しては間違いなくそうなっている。

しかしこれは自然界には絶対にありえないこと。 植物は我々が考えるほど馬鹿な生き物ではない。 植物の種や球根が一斉に発芽してしまったらどうなる?
何かあれば一斉に全滅だよ。 彼らはそれを防ぐためにバラバラに発芽するように最初からできているんだ。 好きな言葉じゃないがサバイバルの戦略だ。 だから天変地異や 気候変動にも耐えて生き残ってこれたんじゃないか? ところが それでは人間の農業には適さない。当たり前だ。 だから何年も 何十年何百年 も 最低そのくらいの時間がかかるからね 。時間をかけて、

一斉に発芽し 一斉に実をつける

そういう種だけを選別していく作業。
農業を 始める前段階の助走期間に絶対に必要になるんだ。これは 自然環境には 最初から求められないからだよ。 人間が意識して長い努力をしてしかも一人の力ではなくて、 知識と目的意欲を 共有した仲間の社会が何十代も続く必要があるんだ。 少なくともどこかにそれが存在して、 彼らが農業用作物を作ったんだ。 文明の発明者。石を削って建築をつくること 、などよりもそっちの方がはるかに 有資格者。 それが誰だったかってこと

どうやら4大文明の連中以前の、 アナトリア周辺に1万年以上前いた連中がそうである可能性が高い。そんな感じだな。 それでは農業収穫ができるようになるまで彼らは何を食べて暮らしていたのか?

意外な答えが日本の 周辺に転がっている。 青森県三内丸山遺跡だ 。縄文遺跡として知られる。 大規模な集落見張り小屋、倉庫の跡がある。

彼らは部分的に農業を始めていた形跡がある。

しかしそこには まだ米は麦を作る力がなく。つまり種子がなかったんだろう。 彼らはその代わり 確実に安定的に良質なデンプンを取ることができる作物を植えていた。 それはクリの林。 なるほどこれは確実なわけだよ。

おそらく人類は

米や麦を安定して食べられるようになる前

栗を食べていた可能性は極めて高いと思われる
我々がクリを美味しいと思う感覚。 それは栗でんぷん質が優れていること以上に、 我々が最も古くから馴染んでいる栄養ぶんだったからではないかな?

いずれにしても 文明は

気候が良くなったくらいで、いきなり出来るようにはならない。 世界各地にバラバラで 農業用穀物の開発が進んでいた可能性はなくはないが、 1万年くらい前にトルコアナトリア周辺で 発明されたものが世界に伝播した可能性は

それなりに高いのじゃないかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?