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『生還(オートエスノグラフィックな何か27)』

ドラァグとポールダンサーは、あんまり仲が良くないらしい。おんなじクイアでも。何だか、田舎の進学校の学生と、商業高校の学生みたいな、そんな差がある感じ。つまり、世間一般的には、後者の方が、ワルの割合が高い。まぁ、前者には、そもそも、居ないかな。

使ってる4文字ワーズの使い方の悪さも格段に違う。踊るための選曲も、その選択だと、もれなくTikTokでバンになるんだけど、という歌詞。一人が抜けると、その人がどんな問題があるか、という話になる。全方位的に、誰に対しても、そういう感じなんだろう。問題だとされる内容は、これまたありがちな話。どこにでも、ありがちではないと思うけど。

だから、私が側でぼやーっとしてても、してる私も、安心できる。本当に気にされないから。全く気をもまなくて済む。今日も、心置きなく、追い出されるまでダラダラした。

弁当を持ってないような時に、私の入ってみる店も変わった。値段はカナダ価格だけど。おしゃれ刺青ではない刺青が顔に入ってるような、そういう人たちが、グーで握手しあってるような、ダークスキンばかりの、店とか。食べ物は、獣味。私は相変わらずスノッブなので、食べられないと、自分の鞄から、ゆで卵やらオーガニックのドライプルーンを小分けにしたのやらを取り出して、つまんだりしてるけど、躊躇もない。

片耳のピアスは、左に戻した。その方が無理してないから。爪は短く切って、でも青系のマニュキュアを塗っている。

今まで、いかに、お上品なところに居たか、よく分かった。何と言うか、帰るべき場所に帰ってきたと思う。ほっとした。就職してからか、大学院時代からか、かなり無理していたと思う。

居場所の階層を落とさない方が、ドネーションもしてもらえたと思う。ケツまで出した写真を晒したり、服を着て踊っていても、素直にイイネするにはエロすぎる踊りを踊ったりしてると、階層の高い人たちから、寄付してもらえる可能性は確実に減るだろう。

でも、何だか、そういうこと自体を断ち切りたかった。なので、敢えてやる必要を感じていた。もうここからは、本当のサバイバル。ごまをすって、その後、後ろで舌を出すような、そういう気持ちも、取り戻せそう。

何しろ、貯金なしの無職。にやっとする。

ここから、また這い上がりたい。でも、しばらく、ここで休息したい。そんな風にほっとしている。

しばしば、子どもの頃に面倒を見てもらった、芸者さんたちを思い出している。i have belonged to them from the bigining.





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