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少子化だからこその学校給食とは?

松本市梓川小学校の給食センターに試食会に行ってきました。

ここは、話題の【松本市給食センター再整備】で波田センターとともに「廃止対象」となっている施設です。

築33年、老朽化でいつ止まるか分からないと言われながら、しっかり毎日稼働中!

梓川小中の1300人分の給食を作ってくれています。栄養士さん、調理員さん、ありがとう!
試食させていただいた献立は、炊きたてごはん(梓川産)、豚肉たっぷりプルコギ、具だくさんキムチスープ、サラダ、牛乳でした。

試食の後、センター長&栄養士さんと意見交換♪
栄養教諭の先生は、前任は給食がおいしくて有名な茅野市の自校給食にいらっしゃったそう。
こだわりたっぷりの調理、献立のお話や、栄養教諭が毎日教室に顔を出して子どもたちの声を拾ってくれているそう!

う〜ん、素敵です。

このやり方を他のセンターにも取り入れられないものか。。。。

お金の問題なのか。
土地の問題なのか。

そして、また別の日に、松本市:山形村・朝日村中学校組合鉢盛中学校の議会において、鉢盛の給食センター(自校給食)について、自校給食の良さに思い切り焦点を絞り、松本市の大型給食センターと比較しながらの質問をして参りました。

鉢盛の食数は約500。波田・梓川の1/3、西部給食センターの1/16の規模。

小規模だからこそできる給食がある。学校や地区の宝である自校給食を大切に守り、消さないよう努力してほしい。。。。

なぜ松本市は市内に3つの中規模センターを作ることにこだわっているのか。。。

あす、いよいよ市の再整備方針案が議会に示され、神津の所属する経済文教委員会で協議されます。このまま通ってしまうのか、それとも?


11月15日(火)13時半
松本市議会議員協議会室(松本市役所東庁舎3階) 傍聴可

以下、鉢盛中組合で質問した内容をご紹介♪(組合の答弁は鉢盛中の校長。以下に記載した答弁内容は概要(メモ)です)


まずは、子どもたちのために、美味しい給食を作ってくださっている鉢盛中の給食調理員の皆さん、栄養やバランスを考えて献立を作ってくださっている栄養士の先生、そして新鮮な食材を提供してくださっている生産者さんに、感謝申し上げます。

朝日村はレタスなど、高原野菜の名産地で、日本一野菜を食べる村だそうです。山形村は長いも、アスパラガス、すいか、ブルーベリーなどが生産され、もちろん松本市今井も市内有数の農産物の名産地です。三市村の子どもたちには地元産の農産物をたくさん食べて、ココロも身体も大きく育っていってほしいと考えています。

鉢盛中学校の給食は美味しくて評判がいいと聞いています。いつか給食の試食に伺わせていただきたいと思っておりますので、その際はよろしくお願いいたします。

さて、3市村の小学生のうち、自校給食、これは学校内に給食調理場がある方式のことで、単独調理場とも言いますが、朝日および山形の児童は自校給食を食べています。

いっぽう松本市今井小学校では、松本市野溝にある西部給食センターから運ばれている給食を食べています。

どういうことかと言うと、3校のうち、今井小学校卒業の生徒だけが、小学校ではセンター方式の給食、中学校では自校方式の給食を食べることができるということです。一度、今井小出身の生徒に給食の感想を聞いてみたいと思っています。

自校給食とセンター給食を比べた時、1日に作る給食の食数は、鉢盛中では約500食ですが、西部センターでは市内17校分、8200食です。500と8200ですから、その差は7700食です。
調理数の違いは、献立や調理方法、調理時間、使える食材、食育の内容など、大きく異なってきます。

食数が少なければ少ないほど、調理場が子どもたちに近ければ近いほど、給食の質が高まると言われています。

そこで、今回は鉢盛中の学校給食について伺って参ります。

〇鉢盛中学校では、子どもたちにどんな給食をそして食育を提供しているのか、まずは学校給食の理念・目標について伺います。また、現時点で課題等があれば教えてください。

<答弁>
・ 理念は、「バランスのとれた給食によって、自分の体がつくられていることを実感し、自分の体を大切にする。また、食べることを通して、人とのつながりを感じ、感謝すること」

・ 目標は、健全な食生活を営むための望ましい食生活や、社交性、共同の精神、生命及び自然を尊重する精神、環境の保全に寄与する態度や勤労を重んずる態度を養い、伝統的な食文化や食料の生産、流通、消費について、正しい理解に導くこと

・ 課題は、アレルギー対応食専用部屋等がないことで、調理場内に専用スペースを設け、アレルゲンとなる食材が混入しないよう導線を分けたり、調理員内でアレルギー担当者を決めて交代で対応したりしている。

・ 現在の対象生徒は11名(499食中)

★自分の体を大切にすること、人とのつながりを感じ、感謝すること。
望ましい食生活、社交性、共同の精神、生命及び自然を尊重する精神や環境の保全に寄与する態度および勤労を重んずる態度を養うこと、伝統的な食文化、食料の生産、流通、消費について、正しい理解に導くこと。。。。

学校給食はまさに教育。生きた食育、食べる授業であり、給食を通じて多様な学びを得ることができる教育的効果が高いものであることがわかりす。

アレルギー対応食専用部屋が無いとのことですが、4月入学当初から対応しいただけるのも、小規模自校給食だからこそ。当事者にとっては大変ありがたいことです。

次に、〇学校給食の特徴について伺います。鉢盛中学校の給食だからできる特徴はどういったところでしょうか。

<答弁>

・ 生徒が調理員に直接あいさつや感想、感謝を伝えることができる。
・ そのことが、調理員や栄養士が安全でおいしい給食をつくるための熱意につながる。
・ 郷土料理や、お雑煮などの行事食を提供することで、家庭で受け継がれなくなりつつある食文化を学ぶ機会につながっている。
・ 三市村で栽培しているレタス等の食材を新鮮なうちに使用できる。

産地に学校があることで、畑と調理場、調理場と子どもたちの距離が近い。それぞれに顔の見える関係ができていることがわかります。

次に、〇学校給食における地産地消の取組みについて、地産地消率も合わせて、具体的に伺います。たとえば、どんな食材をどのような調達方法で仕入れているか、調達・提供に係るボランティアの取組みなどがありますか。 また、生徒に対しては、どのような食育活動を行なっているか、伺います。

<答弁>

・ 使用食材の地産地消率は、令和3年度で県内産が60.3%、その内、主に三市村で栽培している地域産が23.9%

・ アスパラガスやスイカなど約25 種類の野菜や果物を、山形村の生産者団体から仕入れているほか、生徒と地域のボランティアの方がつくった大豆なども使用。

・ 主要10 品目(ニンジン・玉ネギ・キャベツ・レタス・ジャガイモ・ネギ・小松菜・白菜・大根・しめじ)は、年間使用量に対して平均64.6%が三市村で栽培している地域産

・ 一方、米は長野県学校給食会から納品
・ 山形村生産者団体からは、納品時に調理員や栄養士に食材情報の提供をいただいている。

・ 食育活動として、栄養士が給食で使用している食材の情報や成長期の食事などについて、お昼の放送を利用して伝えているほか、家庭科の授業にTT として全クラスへ年1回参加し、直接生徒に栄養指導等を行っている。

★地産地消率については、県内産だけでなく、3市村産の農産物をしっかり把握され、なるべく調達しようと努力されていることがわかりました。

週5日、年200日の給食に地元産の農産物を使うことは、地元農業の活性化にもつながりますので、さらに地産地消率をあげるための努力を続けていただきたいと思います。

給食生徒とボランティアさんとの農業交流の姿も見えました。家庭科の授業と連携して食育も実施していて、すばらしいと思いました。

給食について、ひとたび全国に目を向けてみますと、そのやり方は、全国画一ではなく、地域の特性を活かし、特徴ある給食が存在してます。

給食費を完全または一部無償化しているところや、地元の農家さんや農協、直売所から食材を提供してもらう仕組みを作っているところ、有機米や有機野菜を使うオーガニック給食を取り入れているところなどなど、給食を実施している基礎自治体おのおの、地域特性を活かしながら、様々な取り組みがなされていることがわかります。

高度経済成長とベビーブーム人口増のなか、行政改革の流れで自校方式からセンター方式に集約されていった給食方式を、教育的効果が高いといった理由で、自校給食に戻しているところもあります。

自校給食は地域の、鉢盛中の宝です。鉢盛中の給食は美味しかった。あの味が忘れられない。。。卒業しても誇りを持ち続けられるような給食をこれからも守って、自校給食といった宝を無くさないでいっていただけるよう、お願い申し上げ、質問を終わります。