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旦那との出会いの話

みなさんこんにちは、えめ助です。
今日は旦那との出会いの話についてしゃべろうと思います。

旦那とは私の高校時代の同級生の紹介で出会いました。そのとき私は初めての社会人になる目前の20歳、旦那は仕事を始めて5年目の23歳でした。
最初のきっかけは同級生(ややこしいので以降友人のあだ名からとってフナムシとします)からの「突然だけど、彼氏いる?」というライン。
「おうそれは彼氏が存在するかという煽りか彼氏候補が必要かという煽りかどっちだ?」と斜に構えつつ(元々フナムシとはそんな感じの仲です)話を聞いていると、どうも自衛隊で同じ潜水艦に乗る同僚と話が盛り上がって私の事を紹介したいとの事。
今まで友人上がりの彼氏ばかりだったのと、自分自身この時男性恐怖症を若干拗らせていたのもあって本当は断ろうと思っていたのですが、潜水艦乗りという特殊な世界に少し興味が湧いてついうっかり承諾しました。
何を隠そう私は有川浩さんの大ファンで、特に自衛隊三部作は私の中で「自衛隊って格好いい」と印象付ける最高のスパイスで、その中の一冊「海の底」の番外編でもある「クジラの彼」がも〜〜〜大好きだったんですよ。何はともあれ潜水艦乗りと仲良くなる機会なんてそうそうないし、うまくいけばリアルクジラの彼じゃん?と自分が選ばれるかどうかは棚に上げて調子に乗っていたと思います。完全に選ぶ立場の目線。

私のバイト(就職先に学生時代から勤めていました)終わりに合わせてもらっていざご対面。
……正直、顔は全然好みではなかったです。今でもなんでこの顔が好きなのか分からないくらいには好みじゃないんです(まあもちろん今はその顔に頬擦りできるくらい好きですけど)
色白塩顔が好きなのに……。
でも旦那は(フナムシに紹介してもらった以上当たり前ですが)私のことは「小さくて可愛い子」という好みにドンピシャだったらしくこの段階でまさかの一目惚れ。

でもね、この男……とんでもない不器用だったんです。

誰かが話を持ちかけないと口を開かない、とにかく場を盛り上げられる話題がない、実はこの場が苦痛なのでは?と思いたくなるくらい「付き合いで連れてこられました」と顔にデカデカと書いたような態度だったんですよね。
現に自転車で現場に来ていた私を家まで送ってくれたんですが、歩くと30分以上ある距離だったのでその間に5回くらい「家まであとどのくらい?」と聞かれました。
話題がなくて何を言えば良いかわからないにしてもさすがにチョイスが最悪すぎる……その時の私はこの時の旦那の態度を見て「これは無かった話になるな」と確信してました。

なので翌日以降積極的にデートのお誘いがあることにびっくりしたんですよね。
(ちなみに後日なんであんなこと聞いた?と聞いてみると「どうにかして会話を持たせたかったけど話題がなかった。あと普通に遠いなとは思ったけど……ていうかそんなに聞いた?」と言われました。今でもやばいことしてた自覚なし!)
そして2回目にして初めて二人で食事(とは言っても私はその時新卒のパティシエとしてバリバリ働き始めていたので夜遅くでもやっている居酒屋に行きました)をした帰り道、家の前で引き止められ「今付き合ってる人っていないよね?」と聞かれました。

もうこうなったらそうなるしかないんですよ。
あ〜ついにきたか……という感じです。
旦那のことは別に嫌いじゃないけどこれといって好みでもない、しかも会話は常に私からだし再三言うが男性恐怖症をこじらせているときた。
その気がない相手と遊ぶほど世の中暇な人ばかりじゃないし、旦那と会うのはこれが最後になるかな……と思っていた矢先、旦那から変化球を投げられました。

「良かったら、俺で妥協してみませんか?」

いやもうデッドボールですよ。不意打ち。そんな告白……いやこれ告白?大丈夫?これ告白されたってことで良いの???
「いやいやそんな、むしろ私なんかで良ければ……」
と、ついうっかり謙遜するつもりがそのまま流れでOKを出してしまうポンコツな私。
いやだってしょうがないじゃないですか。「好きです、付き合ってください」って言われたら「ありがとうございます、でもごめんなさい」って言えるけど「俺で妥協してみませんか」って言われて「妥協したくないのでごめんなさい」って言えないじゃないですか。どんな鬼ですか。

とまあ、そんな調子でなし崩し的にお付き合いが始まりました。
そこから半年の間、旦那が何を思って付き合ってくれていたのかはあまり喋ってくれないので分かりませんが、とにかくよく尽くしてもらいました。
待ち合わせが家の前は当たり前(というか私の家が職場の隣で仕事帰りについでにどこか、というのが無理だったのもありますが)
自分の財布が痛むことは(社交辞令的に最初の一回だけ少し出して無理やり旦那の財布に捩じ込みましたが)全くなく、少し離れたところに遊びに行くとなると車を用意してくるレベルの尽くしぶり。
まるで昭和のアッシーメッシーミツグくんでした。

旦那の好意に甘えて良い気になって、手の一つも繋いでやらなかった最低なやつなのに、それでも旦那は優しかったです。
優しかったのに、ある日突然「自分から言っておいて申し訳ないけど、別れようと思います」と決定事項のようにふらりと別れを告げ、唐突にお付き合いが終了しました。

旦那的には最初から半年頑張ってダメだったら別れようと決めていたそうです。
男女で付き合うということはつまりそういう進展が必要不可欠だったと突きつけられた気分で、私はあろうことか逆ギレしました。
だって最初から私が男性恐怖症だって分かっていて声をかけたってことはそれでも良いって割り切ってくれたからだと思っていたのに、結局男って好きだのなんだの言いながら"そういうこと"をする相手が欲しいだけじゃん、とさらに拗らせ……

仕事も激務で、末期癌の祖母に顔を見せるためにただでさえ少ないシフト休みを毎月一度連休にしてもらい広島から山口に一泊二日で帰り、それ以外は7連勤以上は当たり前、朝6時から日が沈もうとその日のノルマが終わるまで帰れない仕事、パティシエらしい重労働、新人としての心労、バイトとは違う責任の重さ、仕事も遅いミスも多い自分を責める日々に、旦那にフラれたことで自分の価値がなくなったように感じて自棄になったのも重なり、半年で心が摩耗してしまいアパートの自室は二階でしたが飛び降りかけました。
まだ踏みとどまるだけの自制心は働いてくれましたが、心の方は脆く粉々に砕けてしまいました。

続きのお話は別の機会にお話ししようと思います。


それでは!


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