SF的小噺「二話 サイロン」
今回の仕事の依頼は、地球の公転軌道上にある工業国家「サイロン」からのものだ。サイロンは、人類がレーザー通信に使う素材・デバイスを一手に引き受ける重要な宇宙都市国家だ。毎年定期的に行われるデバイス供給量についての交渉のようだ。
ちなみにサイロンには人間はいない。戦前に作られた資源・デバイス管理システムAIが世界大戦中に独立を宣言して建国された変わった国だ。数千機に及ぶ高加速航宙艦艇を有し、人類が争いを始めると仲裁に入ってくる。今では国際警察のような役割を果たしている。