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読書ノート646「塩の柱 あるユダヤ人の青春」を読んだ

イスラエルがガザに侵攻した時期、知人とのやり取りの中で、いわゆるパレスチナ問題やユダヤ人問題の難しさをつぶやいところ「読んでみたら」とすすめられたのがこの本だった。
著者は世界的によく知られた作家らしいが、その処女作。
既に絶版になって久しい本をメルカリで探し当てて読んでみた。
かつて本書を刊行した出版社の紹介サイトには「アラブ世界に生を享けた一ユダヤ青年のアイデンティティを求める精神の彷徨を「甘えなき悲哀」と「苛烈なユーモア」を主調音に鮮烈に描く青春小説の傑作。」とあったが、「甘えなき悲哀」はまだわかるとして「苛烈なユーモア」なんてものはひとつも感じられなかった。
北アフリカのチュニジアという設定やフランスが宗主国ということが重なってカミュの作品を想起させられるのだが、序文そのものもカミュによって寄せられている。
当時のアラブ世界について通暁していないととても理解できない内容ではないかと思われるし、日本人が読んで感動できる作品とはとても思えないのだが、読み手の予備知識の無さゆえの理解不足かもしれない。
それに、本書を読んでユダヤ人問題の理解につながるとは思えないのだか・・・。


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