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読書ノート659「さえてるやつら」を読んだ

少し前に読んだ、同じ著者による「長い髪の少年たち」の続編ともいうべき作品。
登場人物や人間関係は前作とまったく異なるが、時代は1960年代末期、場面はある高校という設定は同じになっている。
ただし、前作が短編集であったのに対して、本作品は長編小説となっている。
前作同様、新左翼系の立場での高校生、民青系の高校生、共産党系の教師という枠組みの中で、彼らの論戦の内容などをとおして共産党系の立場、考え方の優位性を示そうという意図が明確に見える。
といっても、新左翼系の立場や考え方を、それほど狭小で偏屈なものとしては描いておらず、正しく表現、描写しているところは公平さが示されていて好感をもてる。
前作同様、飲酒場面やスナックだかバーのようなところまで出入りして飲酒するという話はどうもリアリティが感じられず違和感しかもてなかった。
最後も終わり方が、えっ、これから全校集会とかが始まるのでは?というところで唐突に終わっていて、これにもなんとなく違和感を抱かざるをえなかった。
なんと、この作品は映画化もされていると知って驚いたが、今ではどうにも見ることがかなわないようで残念。

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