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読書ノート635「永遠の詩(2) 茨木のり子」を読んだ

読むつもりだったわけではない。
渡米してしまった娘が残していった荷物の中にあったのを、何気なく手に取ったら読んでしまった。
表紙にも記されている「自分の感受性くらい自分で守れ ばかものよ」のフレーズで有名な「自分の感受性くらい」以外は、いかにも詩らしい詩というか、難解な作品が多いのだが、死後に発見されたという箱詰めされていた、早くに亡くなった夫への深い思慕がうかがえる作品群がいい。
作品ごとに付されている解説は失礼ながらなくてもいい感じがしたが、巻末に、なんと私淑している天野祐吉さんの「茨木のり子さんの素顔」という一文が期せずしてあったのには驚かされた(内容は天野さんらしからぬおとなしいものだったので、少しがっかりしたが)。
たまには、こうした凛とした気もちにさせてくれるものを読むのもいい。

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