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読書ノート638「独裁者の学校」を読んだ

もう60年近く前、中学生になった夏休み、夏休みに読むべき推薦図書として、各誌・紙などにしばしばあげられていたのがケストナーの「飛ぶ教室」だった。
そういうものは読むべしと思っていた健全な読書少年は、それ以来、岩波書店のケストナー全集を読み、その他のいくつかの作品をも読み続けてきた。
ケストナーがナチスなどから焚書の対象とされるような気骨あふれる作家であることを知ったのは、後年になってからのことだった。
そのケストナーのこんな作品が今時、刊行されるというのは、現在の世界情勢への警鐘という意味でもあったのだろうか?
期待していたほどの面白さはなかったのだが、刊行された当時は、かなり批判性に富んだ作品だったのだろうか?
世界には、影武者がいるとされる独裁国家のリーダーたちもいるが、本書がそういうものに対して何か強いメッセージ性をもちえるかどうかについては首をひねるところだが、岩波書店さんとしての深いお考えがあってのことなのでしょうねえ。

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