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プラットホームの"市場選定"

市場選定がすべて!?

とよく言われるが、なぜだろうか? 内田和成さんが提唱した「異業種競争」がひとつの答えになる

異業種競争の時代
これまでの「勝手知ったる世界で、気心の知れたもの同士が戦う同一業界の同質競争」から、「何を考えているのか分からないあるいは自分たちとは異なるビジネスモデルを持つ企業との、競争のルールが異なる異質の戦い」へ突入せざるを得なくなっている。

もちろん、守る側に厳しい戦いではあるが、攻める側も必ずしも成功が約束されているわけではないので、新興企業で退場を余儀なくされる企業も多いし、業界が荒らされるだけで終わるケースも多い。

異業種格闘技とは
・ 異なる事業構造を持つ企業が
・異なるルールで
・同じ顧客ないし市場を
奪い合う競争である
出典:  異業種競争戦略

異業種競争は 市場選定 と ビジネスモデル選定 が勝負の分かれ目といっても過言ではない。一方で、大御所の市場分析(3C, 5 Forces)は「勝手知ったる世界で、気心の知れたもの同士の戦い」が前提で使えない。

今回は、異質の戦いを制する 市場選定 に向き合う

異業種競争戦略
=「市場選定」x「ビジネスモデル選定」

理想の市場とは?

”選ぶ”には、理想があるはず? 

理想の市場(仮)
・市場規模は大きいが、参入はカンタン
・構造的な非効率があり、自分で解決できる
・流動性が低く、腰を据えて事業を創れる

では、視点別に詳しくみていこう

a. 市場: 規模が大きくと、入り口がある

まずは3つの市場を定義して、論点を検証する

市場定義

よくある落とし穴
【TAM夢想家】 "何兆円の市場が!"
→ "で、SAMの解像度あるの?" 
【SOM近視眼】"PMFを発見した!"
→ "で、SAMでも通用するの?"

SOM→SAM→TAMへと事業が広がるストーリーを描き、論点をクリアにしたい。あとは、ステークホルダーの関心事で3つの市場を使い分ける

TAM:  投資家に、事業の広がりや起業家の器を伝える
SAM:  経営に、本質的に事業計画で狙う市場を伝える
SOM:  チームに、事業開発のフォーカスを伝える

b. 産業構造:構造的な非効率があるか?

市場はみつかった。で、構造的な非効率がある?

着眼点: 産業の非効率
着眼点: VCの非効率
出典:  異業種競争戦略、BCG戦略コンセプト

産業の非効率は意外とみつかる。むしろ、非効率が「なぜ解決されないのか?」に隠れた真実がある場合が多い

なぜ解決されないのか?
・規制の壁:  法律の改定
 → どのプレイヤーも自らは解決が難しい
・寡占の壁:  高い参入コストの克服
 → 参入コスト払えば、自ら解決できる
・イノベーションのジレンマ: 
 → 新規プレイヤーは、ジレンマがない!

参考:市場競争の定義出典:ジェイ B. バーニー『企業戦略論 上』

c. 流動性: 市場が持つ時間軸は?

いざ、参入!? 最後は、あなたへの問い。

あなたが持つ事業への時間軸は何年ですか?

「最短で一発当ててIPOしたいヒト」と「10年で産業の仕組みを変えたいヒト」では持っている時間軸が違う。市場の流動性はプロダクトライフサイクル(PLC)による影響が大きい

市場の流動性

参考 プロダクトライフサイクル (PLC)
出典:wikipedia

イーロン・マスクといえども、テスラ創業(2003年)から16年。ようやく自動車産業で存在感がでた。一方で、流動性の高い市場では、設立数年で一発当てて、マザーズ上場もよくある話

短距離走とマラソンは別の競技。「あなた」と「市場」の時間軸のミスマッチは失くしたい

まとめ

良禽択木

良禽は木を択ぶ。賢明な事業家を目指して、事業を磨くだけでなく、「敵に襲われにくく、食べ物を手に入れやすい」市場を選ぶ力も磨いていきたい

市場選定は終わらない

「ライバルは車をつくる企業ではなく、
 テクノロジーを生み出す企業だ」

トヨタの豊田章男社長の自動車という市場の再定義する発言。初めに市場を選んで終わり、ではない。市場への解像度を高め続け、同質の競争を避け、異質の競争に挑むため、再定義し続けることが求められる

異業種格闘技への覚悟

日本の柔道家が、ルール無用の総合格闘技のラスベガスのリングに上がるときの覚悟感をもって、自由度の増す 市場の切り口 を武器に、世界で戦える事業家を目指していきたい


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