1月の#ご自愛WEEK③
今月は中医学(東洋医学)ではどんなポイントをチェックに使っているか?についてご紹介したいと思います。
今回は色んな情報をどう分析しているのか?について、大枠の考え方をご紹介。
ぎゅっと4文字に凝縮すると、中医学では"バランス"をみています。
その中でも特に
・『気』『血』『水』のバランス
・『陰陽』のバランス
を整えることを重視。
そして、バランスとは何か?
中医学では『虚/実(きょ/じつ)』という考え方をします。
気血水でも陰陽でも、バランスが優れる=虚実の偏りがでると捉え、その偏りを整えることでその人の体の“本来の力”を整え、体調を整えていくようにしています。
今日はその虚/実についてご紹介。
虚=本来あるべき状態に足りていないこと
実=本来あるべき状態よりも余分にあること
です。そして
虚証(きょしょう/足りていない状態)
実証(じっしょう/余分にある状態)
と表現します。
ざっくりした例ですと
栄養失調でやせ細る=虚証
栄養過多で肥満になる=実証
です。
適度に栄養をとり不摂生をしなければやせ細りも太りもしないところ、本来摂るべき食事量が取れなければ次第に足りていない状態となりやせ細った状態は虚証。
本来摂るべき食事量以上に摂っていれば余分に摂ったものは次第に脂肪として蓄積し肥満になった状態は実証。
というイメージです。
食事と体型でざっくり捉えると、量が多い少ないと感じられますが、これは相対的なバランスの問題なので、表裏一体でもあります。
例えば、「砂漠のような乾燥した土地」を思い浮かべてみてください。
砂漠の状態になるのは、
・暑くて水分が蒸発してしまうから
という温度で蒸発の側面もあれば、
・そもそも水分が足りなくて次第に乾燥
という温度ではなく水分量という側面も考えられます。
実はこれが大事なポイントで、水はあるのに必要以上に熱が加わって蒸発した乾燥は、実証。
本来あるべき水が足りてなくて乾燥は、虚証と捉えるのが虚実のバランスの考え方です。
これが人間の体の中でも同じで、同じ現象でも虚実2つの側面があり、どちらに偏った症状なのか?によって原因とそれに対する治療が異なってくるのです。
例えば頭痛。
実証の頭痛=本来あるべきよりも余分にあること=例えば気のめぐり過ぎ、血や水が頭部に滞った状態、腸管の熱が溜まって頭部に上がってきたことによるものなど。
虚証の頭痛=あるべきものが足りていないこと=脳(髄海)を滋養するのに必要な気血や精が足りていなくて脳の働きを維持できないことによるものなど。
例えば不眠。
実証の不眠=本来あるべきよりも余分にあること=例えば気のめぐり過ぎ、体に篭った内熱が頭部に上がって、熱に煽られ脳が休めないこと。
虚証の不眠=あるべきものが足りていないこと= 脳(髄海)を滋養するのに必要な気血や精が足りていなくて十分に休めずにいること。
また、特徴としては実証は急性のもの、慢性的に症状が続いているものは虚証として出やすいです。
ですが、症状によっては虚実が混ざったような出方、分かりにくさ、体のこの症状は虚証っぽいけどあの症状は実証だ、と複雑に出てくる場合もあり、そんな場合は少し厄介で、治療をしながら反応を見て調整を試みます。
どんな症状も、虚実がある。足りていないことが原因なのか、あり過ぎている(摂りすぎている、溜まっている)ことが原因なのか?
非常にざっくりした捉え方ではありますが、日々何でもかんでも数字で出せるけんさがある/できるわけではないですし、病院に行くほどの不調ではないが気分を損ねたり普段の生活に支障が出ること、というのはこの虚実の偏りによってでてくるものが多いです。
今月ちょっと気になっている症状がある方は、どちらに偏っているか、振り返ってみる視点の参考になれば幸いです。
#ご自愛WEEK #BODYDIALOGUE #中医学 #鍼灸
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