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喧騒地獄の巻 (マサラ地獄生存日誌)

毎日毎日、ペッペカ、ピーピー、ブブーっと異常なレベルでウルサイ、マサラ地獄(デリー首都圏)に住んでます。これが通勤ラッシュ時だけだと思うじゃないですか、違うんです深夜帯でも4時早朝でも同じようにウルサイんですよ。びっくりします。
こちらの記事には音声ファイルもあるので、喧騒地獄の再現性は高いと思います。

えーさて、まずはこちらが窓から外を眺めおろした光景です。

あまりにもウルサイので、採光を100%犠牲にして、すべての窓を防音仕様にして完全閉鎖しようと試みました。なんでここまでマッドにやるかっていうと、ノイズキャンセリングをしていても、耳栓をしていても、たまに(後述)爆音クラクションがやってきて、ノイキャン&耳栓防御陣を突破してくるからです。恐ろしいですねぇ。

こちらは動画です。

これをみていただければわかるように、交差点には信号機がありません。電気がしょっちゅう止まるので(一日に数分程度の停電が数回発生することがザラ)、常に信頼のおける信号機としての機能をなさないし、ローカル地域で警察力が行き届いていなければ信号機が盗まれる懸念があるともききます。いずれにしても、安定した電気インフラが整っていないため「一般公共道路上の信号機」という概念が無効化されているのがマサラ地獄なのです。

そんな信号機が極めて少ないマサラ地獄では、ドライバーたちが頼るのは自身の眼と耳。人間臭い感覚で車両を運転します。交通規則もあってないようなもので、止まったり動いたり、車線変更したりをするもんですから、それを補うのがまさに「クラクション」なわけです。

すなわち、多くの途上国にみられるように、1、舗装された道路、電気や信号機など社会ハードインフラが整備されていないことと、2、社会紀律ソフトインフラが整備されておらず(治安維持能力の欠乏)機会主義的行動をとることが最大の合理性である、と市民ら全員が共有した判断価値があること。そしてまた、3、インド特有の事情として人口の多さとカーストによる独特の浄化度・清掃概念も加えられて、結果として1から3が合成されて、「牛」が闊歩する道路上を、多くの車両が杜撰な運転を行いながら個人(ドライバー)がクラクションで交通混沌を解決する、それが最適だという、共有知が発生しているわけです。

こちらの音声ファイルは、僕の部屋からの下に広がる音声をひろったものですが、様々な音色のクラクションがデフォルトで止まることなく鳴らされていることがわかると思います。

そんなわけで、自分の部屋に対策をしました。

元の光景
まずは穴がないように目張りも兼ねて、全面に段ボールを三層に重ねました。
発泡ウレタン的なものでできた吸音素材キレイに並べて貼っつけます。
右左はちょうど網戸で抑えられて、真ん中は段ボールで抑えています。

このように何層にも重ねて防音ミルフィーユを作成しました。部屋の退去時に文句言われない程度に剥がせる水準ということで、この程度かな、と。これ以上の防音素材となるともうすこし厚手で重量のある板を設置することになるので、それなりの工事が必要です。

最後に、厚手の遮音カーテンをかけて完成。

まだまだ外からのクラクションは聞こえてきますが、通常の採光窓のときよりは、相当にウルサさが弱まりました。

さて、冒頭で「たまに」大きなクラクションがやってきて、耳栓防御を突破すると書きました。さきほどのノーマルなウルサさは実は雑魚キャラどもがクラクションをならしているのですが、30分や数時間に一回程度登場する中ボスと大ボスがいます。大ボスなんぞは防御陣をいとも簡単に突破してきまして、僕の安眠をサックリ奪っていきます。

まずは中ボス、背景で鳴らされている他の雑魚クラクションと別格の音量のデカさと、独特の音色を感じられると思います。

続いて、中ボス2。甲高い音がさきほどの中ボス1よりも苛立たせてくれます。

さて、ついにみなさんお待ちかねの大ボスです。苛つかせ度はマックスの音階。音量も爆音です。コイツが何度も連打されたときには、下まで降りて殴り込んでやりたいと思うほどです。

あまりにも爆音なので、しばらくエコー的に周囲にとどまる程です。他にも大ボスクラスはいくつかのバリエーションがありまして、どれもこれも苛立たせるのは最強レベルです。
大ボスのサンプルをいくつか集めたいと思っているものの、なにせ、最初に「大ボス来襲!!!」と気付いたときにレコーディングをしようと思っても、とっさにできるものではありません。これらの録音はたまたま僕が起きていて、たまたまスマフォのレコーディングボタンを押せたときのものなのですよね。

ちなみに、上記の音声のトラックではないですが、どんな車両が大ボスクラスなのかというと、だいたいこのような感じです。

たいていデコレーションがきつくて、日本で言えば田舎のヤンキー車がでっかくなったみたいなトラックといいますか、日本のデコトラをマッドマックス仕様にしました的な、といいますか、で、背面などに「BLOW HORN」と書いてあります。ネットで画像検索すると大量にでてきます。「俺様も鳴らす、お前も鳴らせ!ヒャッハー!!!」みたいな。

カラフルだから可愛いなんていってると痛い目にあいます。こういうマッドマックス怒りのデスロード的世界観は、映画で遠くから見ておくのがいちばんよくて、その世界に自分が入ると、大変にイライラしながら生きることになります。

最後に、ボス等は単独でくるだけではなく、同時に来襲しますのでそれを再現しましょう。「敵機来襲、敵機来襲!!!」ノイズが多いのですがイメージはつくかと思います。喧騒地獄でなんとか生存するためにどうして僕がマッドに窓を潰したかを理解できるかもしれません。

嗚呼合掌。

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