見出し画像

業績を上げたいなら社員の潜在意識に働きかけなさい~たった1枚の写真の力

もしたった1枚の写真を見せるだけで、社員のモチベーションが上がり、業績が向上するとしたら、あなたは信じられるでしょうか?

部下のパフォーマンスを上げるために、上司は部下を褒めたりときには叱ったり、あるいは多額の費用をかけて研修を受けさせるかもしれません。しかしそうではなく、たった1枚の写真で部下のパフォーマンスを劇的に高めることができたら、どんなにすごいでしょう。


写真を見せただけで業績が向上

トロント大学の経営大学院教授であるゲイリー・レイサムは、コールセンターの販売スタッフに、顧客に電話する前に1枚の写真を見せるという簡単な実験を行いました。彼は、実験参加者のスタッフを3つのグループに分け、それぞれに異なった写真を見せました。

グループ1:販売スタッフが笑顔で顧客と話をしている写真(関連のある達成)
グループ2:女性ランナーが胸を高々とあげて誇らしげにゴールを走り抜ける写真(関連のない達成)
グループ3:彼らが働いているオフィスビルの写真(関連のない写真)

すると、ビルの写真を見たグループ3には何も変化が起きませんでしたが、ゴールを走り抜ける達成感を描いた写真を見たグループ2のスタッフの成約率は、なんと58%も上昇したのです。それだけではなく、グループ1の顧客と笑顔で話している関連のある達成感を描いた写真を見たスタッフの売上は、さらに85%も上がったのです!

無意識に影響を与えるプライミング

興味深いことに、どうしてそんなに業績が上がったのかと尋ねても、誰ひとりとして、ブースに新しく張り出された写真に気持ちを鼓舞されたとは言わなかったのです。

これは心理学用語で「プライミング」という手法を用いた実験です。プライミングとは、あらかじめ受けた先行刺激により、その後の判断や行動が影響を受ける現象のことをいいます。本人が気付かないうちに無意識レベルで行動に影響を与えるのです。

普段の言動にはご注意を…

何十万円もかけて研修に参加させたり、手間暇をかけて流行のマネジメント手法を導入し社員の士気やモチベーション、成績アップを図るのと比べてどれだけ手軽でしょう。

逆にいえば、ちょっとした環境の変化に、社員は知らず知らずの無意識のうちに影響を受けてしまうということです。なにげない上司の言動や、ありきたりな風景が部下のパフォーマンスを左右させるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?