読書

友人が書いた作品が載っているという小説誌を購入した。分厚い冊子にみっしりと印刷された活字をパラパラと見るだけで心が躍る。ここ最近はこの友人の出した本以外、気付けばもう何年も、読書という趣味から離れていた。

読書のスタイルは人それぞれであろうが、私個人としては、できれば1冊まるっと没頭して何にも邪魔されず読み耽りたい派だ。
なので、24時間営業になるであろう育児中の読書は最初から諦めた。細切れで合間に読むスタイルだとかえってストレスになるかもしれない。いつか自分の時間が纏めてゆっくり取れる日が来たら、その時はまた帰ってこよう。

そう誓った頃から既に7年、なんだかんだと毎日に流されて、いつの間にか読書への帰り道を忘れてしまっていたらしい。図書館に行こうと思い立った日からもかなりの月日が経っている。息子が小学生になり、少し慣れてきた現在、自分の時間が纏めて取れる時って今じゃない?とようやく思えるようになった。

さて、帰り道はどこだ。
図書館にあるかな、本屋にあるかな、Twitterにも素敵な本の紹介は日々されている。なんなら家族の本棚にも溢れんばかりに並んでいる。部屋に積ん読ならぬ読みたいけど心に積ん読がぼんやりと蓄積されている。きっかけは其処彼処にたくさん転がっているのに、なんとなく帰れずにいた。

そこに今回の小説誌がやってきた。勿論友人の作品目当てなので最初に読む。人間のモヤっとした部分の味わいを残す作品が多い彼が温かくなる後味を書いているのを幸せに読みながら、ああやっぱり紙の本いいなあ、本を持ち活字を目で追うの楽しいなあ、と内容と自分の気持ちが相乗効果を生みいつの間にか笑顔になっていた。

買った本は隅から隅まで読み尽くしたい。
そんな考えも持っている。

なのでイチから読みたい気もあるが、とりあえず沢山の作品があるので一応最初からは開くものの出だし数行読んで今の私にストンと入ってくるものから読むことにした。きっと今入って来ない物でも、自分の波に乗ってきてくれる日が来るかもしれないと信じて。

ジャンルも色々、文体も色々、いくつか読んだところで普段より少し遅れた眠気がやってきた。今読んでいるこれを読み終えてから、これを読んだら、とやはり自分のスタイルは出るものの、そっとここまでの栞を挟む事が出来た。

とりあえず、ライトな感じで読書にお帰り私。読み切るまでリハビリ感を楽しみながら、また自然に生活の中に読書を入れていけるよう、他のことも頑張っていこう。

#読書

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