見出し画像

医療事務が脳梗塞で入院した話・その2

2019年4月8日月曜日、家に帰ったのは20時過ぎでした。ここまではいつも通りというかレセプト期間中なんでちょっと早めに帰れた感じです。

頭が痛いので買ってきたサンドイッチ食べて薬飲んでとっとと寝てしまおうと思っていました。翌日はレセプト総括なんで。

しかし、いざサンドイッチを食べ始めたら、口の中で咀嚼したものを飲み込むことが出来ません。

飲み込んだものが喉から押し返されて戻ってくるのです。

戻ってきたものを再度飲み込み、再度戻ったものを再度飲み込み、を繰り返して意地で完食しました。

一緒に買ったコーヒーで流し込もうとするけど、それで盛大にむせるのでなかなか飲み込めないのです。

コーヒーは全部飲むの諦めました。そしてとにかく頭が痛いのでどんな風邪かと思いつつ風邪薬を飲んだけど、これも水でむせながらやっと飲みました。ルル3錠。

なんでこんなに飲み込みづらいんだろうと思いながら、早々に布団に入ることにしました。

だがしかし。

寝ている間にも唾は出ているので普通は溜まった唾を自然と飲み込んでいるのだそうです。

が、この時は自然に任せて飲み込むことが出来ず、それで溜まった唾が気管へ流れ込もうとしてむせるのです。そんな感じで眠れません。

寝付けないでいるうちに、左腕がしびれてきました。

左腕を下にして寝ていたとかそういうことは一切ないのに、午前0時を過ぎたあたりから、突然しびれが来ました。

これは、やばいヤツかもしれん。

と思ったのに、とにかく寝たくて寝つきたくて布団から出られずそのまま横になっていたのです。

頭痛くて起きるのしんどいから寝てしまいたい。

けど、いつまで経っても全然寝付けないし、左腕がますますしびれて来るし、さすがにもうダメだと思って起きました。

取りあえず普段着で救急外来に行くことにしました。

それが2019年4月9日火曜日の午前4時ごろでした。

横で寝ているダンナちゃん宛に、リビングのテーブルの上に置き手紙しました。「病院に行ってきます」

それから、出勤出来た時のためにブラウスとストッキングを通勤用カバンに入れ、入院になった時のために1泊分の着替え他お泊り道具を入れたカバンを作りました。

もともと時間が出来たらスーパー銭湯の類の温泉とか行きたいなあと思っていたので、車にお風呂セットを積んでいたので、合わせて1泊くらい何とかなる荷物になりました。

で、自分で運転して勤め先の病院へ行ったのです。

ダンナちゃんは仕事の当番の日以外は必ず晩酌をしているので、ここで送ってもらうと飲酒運転になるので、夜中に救急外来に行くときは自分で運転していくことになります。

以前夜中に救急外来へ飛び込んで胃痙攣だった時もそうしました。

勤め先の病院(以降M病院とします)には脳外の常勤医がいなくて、普通ならM病院から割と近所にある民間の脳外専門病院(以降K病院とします)に行けばいいのです。

最初のトリアージの時点で救急外来のナースにも「この症状ならK病院に行った方がいいと思う」と言われました。

が「わたし病棟医事なんですが、診てもらってもし何ともなければそのまま仕事に入りたいので」というと、なるほど、と言われ、先生を呼んでくれました。4月に転勤してきたばかりの消化器内科の先生が当番でした。

頭部CTを撮りに行きつつ「これ脳出血の疑いとか病名付くやつだなあ」と思っていました。

CTで脳出血がなければMRI撮ったりして、同日だからコメント要るやつかしらーとか思ってました。

そんな患者はたいがい入院になりますが、ここの病院では脳外の入院ができないという先のことまで考えが及んでいませんでした。

で、頭部CTを撮った後、診察室に呼ばれてされた話が、

「脳幹に病変があるんだけど、専門医(脳外の先生)がいないから、K病院に行ってください」

と、その場でK病院に紹介状を書き始めたので、もう行くしかありませんでした。

飲み込みができないのと左腕がしびれてるけど左脚はなんともない、そして頭が痛いくらいで、歩けるし意識障害で倒れるとかそんな気は全然しないんだけどなあ、でも脳幹に病変とか、なんかヤバそげに聞こえるし。

そして先生が指さすあたりには、確かにわかりやすい影があるのよ。

時間外なので、撮ったCTの画像をCDに焼くことができないとかで、紹介状だけもらって、支払いをして、また自分で運転して近所のK病院へ走りました。

場所は知っているし、転院など仕事で山ほど世話になってて足向けて寝られないくらいの病院だけど、自分でかかったことはありませんでした。

全くの新患です。時間外窓口で紹介状を出すと「M病院から来た人?」と問われました。そうです。連絡行ってたのね。

まあ、もう朝の6時近くだし(到着時間5:48らしいから深夜加算やね)、他に患者がいるようにも見えないしですぐに呼ばれて、前日の頭痛発生から嚥下困難と左上肢のしびれなどなど説明すると、採血と血管確保がされました。

MRIを撮るようです。ま、この流れならそうなるよなとか思いながら、腕出してました。

「血管ほそーい!どう入れたら入るかしらー」

血管が細くて入らないそうで、ナースがえらい苦労してました。

わたし、肘の曲がるところの血管はすぐ浮くので採血は非常にラクな質なんですが、針を留置する血管が全然出てこないので、この後ナースのみなさんが日々血管確保に格闘することになります。

MRIがうるさいのは周知の事実ですが、まあホントにうるさい。

かなり昔に副腎腫瘍でMRI撮ったけどこんなうるさかったかなあ…まあ頭だから耳に近いしこんなもんかーとか思っていました。

閉所は平気です。目ぇつぶってるし。

で、MRIを撮った結果、なんにも写ってないので「なんともありません」とのことでした。

ごもっともである。症状はあるけど、なんも写っていないので仕方がない。脳外Dr、返書を書いてくれてMRIの画像もいただいてしまいました。

すみませんねえ、もうすぐ平和に当直が終わるところだったのにこんなしょうもない患者が来ちゃってねえ。

時間外待合で会計と紹介状を待っている間に、もう起きているであろうダンナちゃんに電話しました。置き手紙おいてきたのでね。

「どうしたの」「なんかおかしいから救急かかったんだけど、なんともないって言われたから、このまま出勤します」

で、支払いなんだけど、ここの病院、時間外では会計出来なくて預り金というのを納めて帰るシステムでした。

保険やら年齢によって金額違うけど、ぶっちゃけ自院もこれでいいんじゃないの?とか思っちゃったりなんかして。

夜勤の会計人員回すの大変そうだし。これにたまに駆り出されてたことあるけど、夜勤1回やると2日ほど体調戻らないのよ。

…それはともかく、預り金1万円をおいて、自院に戻ることにしたのが、朝の6時台というかもう朝の7時近かったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?