見出し画像

カーリングを見に行った話~軽井沢国際カーリング選手権大会はよいぞ。

コーヒーと頭痛 その1

山々の稜線が、6時54分大宮発、はくたか551号の車窓から、ぼんやりとみえた。売店で買ったコーヒーを一口飲むと、頭の中の凝り固まった部分が、ほどけていくような気がした。ほろ苦い液体がのどをすべりこむのを感じながら、せっかく軽井沢に行くというのに、頭痛が残ってるのを自覚する。長年の事務仕事と、趣味の雑文書きで、目肩腰は、ごりごりに固まって、ストレッチを少しでもさぼれば、ひどい頭痛に襲われる。ストレッチをさぼりたくなる特別な事情、つまり軽井沢国際カーリング選手権大会が3日前に始まったため、2日間ストレッチをさぼったうえに、タブレットにかじりついて、目を酷使した。当然の結果、昨日はひどい頭痛におそわれた。私は、ロキソニン、ストレッチ、サロンパス、アイマスクというフルコースで、おさえこみにかかったが、頭の芯にしつこい頭痛がわずかに残り、この特別な日にも、私の体調は、楽しむことを許可してはくれなかった。

今日は、軽井沢国際カーリング選手権大会2019を見に来たのだ。

なぜ、軽井沢にカーリングを見に来たのか その1

なぜ、軽井沢まで、カーリングを見にきたのかといえば、カーリングが好きになったからだ。単純な理由だ。もともとスポーツ観戦が好き、サッカーのワールドカップが大好き、冬季オリンピックも好きで、バイアスロンとかルールもわからず、スポーツを眺めているのが好き。カーリングもその1つにすぎなかった。そして、平昌オリンピックがきたのである。そこではまった。
これがこうなってこうなるという、石の配置を予想するのが楽しい。その予想はびっくりするほどあたらなくて、え? そうくる? というのがほとんどだ。私なら、ここに置く。この石を取り除いておく。と思う作戦は、玄人さんにしてみれば、お話にならないレベルの代物で、たいていの場合、解説を聞いて、そういうわけかと納得して、また次の配置にとりくむ。それが何試合か続けば、予想が追いつきそうなものだ。少しは予想が当たるようになってきたものの、いつも選手には「それをやるの!」とびっくりさせられる。そこがたのしい。実際、その予想をキメて見せる選手は格好いい。カーリングはそこが好きなのだ。

なぜ、軽井沢にカーリングを見に来たのか その2

ただし、カーリングが好きなだけなら、家でみればよいのである。石の配置もわかりやすいし、解説も聞ける。選手の会話も聞こえてくる。動画配信で、1日中楽しめる。それなのに、軽井沢まで来るのにはそれなりの理由がある。私の年齢だ。
私は、アラフィフというやつである。身体の動くうちに、行きたいものは行っておきたい。人生は短い。体の動く期間は、さらに短い。しかも主婦だし、事務仕事もしているし、猫も飼っていると、24時間のうちすべての時間を自分のために使うわけにはいかないのだ。
子育てがひと段落した今、今のうちにやりたいことをやっておきたい。見たいもの、やりたいものを残しておきたくない。年をとったときに、これもした。あれもしたと、老後の楽しみにするのだ。とにかく、後悔をしたくないのだ。一度生で、カーリングを見てみたい。
それに、Team Edinが見られる。間違いなく今最高のチームである。しかも、軽井沢にだ。北海道や青森なら1泊コースだけど、軽井沢なら、日帰りコースだ。これは行くしかない。
というわけで、私は軽井沢にカーリングを見にきたのだ。

コーヒーと頭痛 その2

行ったのは、大会最終日、2019年12月22日
8:30 男女準決勝
13:00 男子決勝と3位決定戦
初心者だし、バタバタしたくないので、チケットぴあで、きちんとチケットをとった。
簡単に、男女準決勝と書いたが、
Team Roth vs Team Sidorova
Team Shuster vs Team Edin
Team Fujisawa vs Team Koana
Team Y.Matsumura vs Team Battcher

の4試合が同時にスタートする。最初は、4試合もいっぺんに見れてラッキーと思ったが、落ち着いて考えれば、4試合も同時に試合展開を追えるわけがない。いわゆる目が足りないというやつである。
Team Shuster vs Team Edinがよく見える席をゲットする。Team Edinの試合は絶対に見たかったのだ。
選手が近い。エディンさんとエリクソンさんが、並んでいる後ろ姿を見て、来てよかった。と実感する。
Team ShusterとTeam Edinとの一戦は素晴らしかった。なにしろオリンピック決勝戦の再現、ストーン配置の優劣がコロコロ入れ替わる目の離せない展開、うっわー。。。と何度も声に出してしまう。Team Edinのスイープは、ちょこっとはいただけで、ストンと定位置におさまる正確さで、置きたい場所に確実においてくるところが、凄かった。YouTube やテレビでスーパーショットは何度も見ているけれど、目の前で展開されるとやっぱり違う。

試合も終盤に近付いて、これが終わったら、コーヒーを飲もうと思った。そして気づく、あんなにしつこかった頭痛が消え失せていた。たぶん、昨日のフルコース頭痛対策が効いたのだと思うけれど、カーリングハッピー効果も20%くらいは作用しているはず。

好きなものを見るのは、大事。それが楽しければ、頭痛も飛ぶ。たぶん。

館内ラジオは、いい!

ブレイク中に、Team ShusterのMatt Hamilton選手が、Team Edinにまざって、話しこんでいた。「あれは、ミーティングじゃない、雑談だ」と館内ラジオが断言。館内ラジオは、実に楽しかった。試合の実況と、解説を放送してくれたのだ。カーリング初級としては、やっぱり解説があった方がありがたい。それを無料で開放してくれるとは、なんと太っ腹なことか。歌舞伎や美術館の解説なら、お金をとっている。そして、この館内ラジオのコメントは、カーリング愛に満ちていて、聞いていて幸せになった。楽しそうにしゃべっているのを、聞くのは、とてもうれしい。

カレンダーを買うぞ

準決勝が終わった後、私はコーヒーとピロシキで簡単に昼食をすませた。さて、私には1つの目的があった。ここで、チャリティーカレンダーをゲットするのだ。カナダで発行しているカレンダーに今年は、SC軽井沢の山口選手がのったと聞いたので、欲しかったのだ。ここでゲットできなかったら、ネットで買おうと思いつつ、ふらふらと売店をにいったら、迷うこともなく、みつけた。

美人で元気な感じの女性の店員さんに、声をかける。「この、カレンダーが欲しいんですけど」思えば、そのカレンダーは、男性のヌードカレンダーである。ムキムキの男性が、上半身裸で、ポーズとっているやつである。といえど、アラフィフのおばちゃんには、怖いものはないのである。店員さんは、それを聞くと、にっこり笑って言った。「サイン入っているやつがいいですよね」???サイン入りのモノがいただけるので? それであれば、その方がありがたかったりしますけど、そうなると値段が倍になったりしません? と思いつつも、えーい。思い切ったれ、とサイン入りを所望すると、その女性の店員さんは、「山口くーん!」と、元気な声をはりあげた。はああ? と思ったら、私が気づかなかっただけで、そこらへんで山口選手本人が、手売りしていたのである。ちなみに、サイン入りでも値段はかわらなかった。サイン付き、本人手渡し、握手付きで私は無事にカレンダーを手に入れたのである。

おそるべし、軽井沢国際カーリング選手権大会。

そして、しばらくしてから、私は気が付いた。相手をしていただいた、あの女性の店員さんは、昔、富士急にいた西室選手では!? (あとで、SNSを確認したところ、本人であった)

おそるべし、軽井沢国際カーリング選手権大会。

選手がそこらへんにいる~

男子決勝戦と3位決定戦前に、席取りのため、列に並んでいた。その場所は、美味しいコーヒー屋さんの前だった。そこにふらっと現れた人影、黒いジャンパー、特徴的な口ひげ……。
コンサドーレのリード、阿部選手だ!
選手がそこらへんにいるとは、聞いていたけれど、さっきまで準決勝に出ていて、しかも、あと1時間くらいで、決勝に出る人がそこにいるのである。いいんだろうか、試合前の集中タイムとかチームミーティングとか、あるんじゃないんだろうか、こんなところにいていいんだろうか。と勝手に一人でドキドキしていたら、コンサドーレのサード、清水選手(決勝戦にでる)もやって来た。やはりコーヒーを買っている。
もうすぐ決勝戦だというのに、チームの半分がコーヒー買ってふらふらしている。そうこうしているうちに、Team Shusterの Hamilton選手(3位決定戦にでる)もコーヒーを買いにやってきた。
ようやく、私も気づいた。周囲も騒いでいる様子がない。
こういうものらしい。
ここのコーヒーは確かに美味しい。美味しすぎる。
いや問題はそこではなくて、本当に選手がそこらへんにいる。試合前でも、気楽にしていている。

そこらへんに選手がいる。

清水選手は、ファミリーでコーヒー片手に談笑していたし、お父さんはこのあと館内ラジオで息子さんの試合の解説しているし、妹さんもいたし。

松村選手の弟さんも真っ赤な頬をして走っていたし、宿谷選手と岩井選手は階段をおりていたし、決勝戦のあと、エリクソン選手とマット ハミルトン選手はビールをのみかわしていたし。。。
きっと、マット ハミルトン選手が試合中にTeam Edin に話しかけていたのって、このあとでビール飲もうぜって、誘っていたんだよ。絶対。

ただし、女子選手はお見かけしませんでした。きっと大騒ぎになってしまうので、それは正しい。

本当に選手がそこらへんにいるんで、ビックリした。でもファンの皆さん、大騒ぎせず、見守っている感じが素晴らしいと思う。

軽井沢国際カーリング選手権大会はよいぞ!

老後の記念とか、一生に一度くらいカーリングを生で見てみたいと、勢い込んで軽井沢国際大会に来たけれど、良い意味で肩透かしくらった。のんびりと選手の方々がいらっしゃって、自然体で皆様が作り上げてきた大会なのだなあと思いました。それを体感できたことが本当によかった。早起きしてよかったなとつくづく思いました。
2020年の大会も行きたい~。。

男子決勝について書いてないけど、もちろんよかった。勢い込んで最前列に座ったら、手すりで見えずらかったというミスはあったけれど、エディンさんが間近でプレーしているのを見られた~。。。ファンとして、めっちゃ楽しみました。

そして、皆さんに大声で言いたい。
軽井沢国際カーリング選手権大会はよいぞ!

写真をolliというソフトで加工したものを、なぞって色を塗っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?