ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『アシカゲ・タクジ護衛任務』
始めに
このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」のプラグイン環境に対応したシナリオである。能力値合計15~20程度の『成長の壁(1)』を突破していないPC3人での挑戦を想定しておりソウカイヤ所属のPCでもフリーランスのPCでも参加できる。想定される所要時間は2~3時間程度。
NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。
「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。
<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。
※NMの情報:この部屋にはニンジャスレイヤーが潜んでいる。
のように※から文章が続く形になっている場合その情報はPLに開示することが想定されていない情報であることを意味する。
これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。
ダンゴウ
:あなたたちはある任務のため、観光客向けカチグミホテルの一室へと集合していた。上司から仕事を回されたものもいるかもしれないし、自ら依頼を受けてやってきたものもいるかもしれない。
:今回の依頼主はキョートのメガコーポ『ムロマチ・サイバネティクス』社の重役『アシカゲ・タクヨシ』であり、依頼内容はネオサイタマへ自身のテクノダンスを披露しにやってきたタクヨシの息子『アシカゲ・タクジ』の護衛である。
:あなたたちはこの任務においてアシカゲ・タクジと面会したのち、タクジに危険が及ばないようにボディーガードを務めることとなる。
:そしてこの際に注意すべき点がある。タクジは父親のタクヨシと異なり裏社会に精通した人間ではなく、ニンジャ真実を知らないのだ。護衛対象であるタクジがNRSによってニューロンに異常をきたしては当然評価も落ちるだろう。よってPC達はタクジがニンジャ真実に触れないよう注意を払う必要がある。
:またタクジは友人と行動を共にしているため、可能であれば彼らも守る必要があるだろう。
:タクジはしばらくすればこの部屋へとやってくる。ニンジャとしてのアイサツはその前に済ませておくのがよいだろう。
モータル離れした外見のニンジャがいる場合:また<異形ニンジャ>はこの場で布を羽織るなどして異形を隠しておくとよい。
面会
◆アシカゲ・タクジ(種別:モータル/重サイバネ)回避5
カラテ 2 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ 0 万札 10
スキル:なし
装 備:なし
ジ ツ:なし
サイバネギア:『生体LAN端子』『テッコ』
カルマ:善(加害時最低DKK+5)
:ブンズーブンズーブンズズブンズー!アッアアッアアッ、アシカゲ・タクジ!肩に乗せたサイバーコンポからテクノ音声を流しながら現れるサムライドレスの人影あり。今回の護衛対象、アシカゲ・タクジだ。
:タクジは最新のサイバネパーツを見せびらかしながら豪快にソファに座りあなたたちを値踏みするように眺めた。
:「アンタらが俺たちの護衛?フーン」
:「スタッフの人?この人たちにスシを。俺のおごりで」
:「そんで、護衛の話だけど......俺としてはね。俺のテクノダンスをネオサイタマの人にも楽しんでもらいたいし、そのためにはあまりものものしいとよくないから、なるべくさりげなく護衛してほしいんだよね。いい?」
:「俺のテクノカラテは実際すげえし、ちょっとヤクザに絡まれたくらいなら俺1人でもやっちまえるから、あんたらはそうピリピリしなくていい」
:「ただそうだな......狂ったバイオスモトリなんかが突っ込んできたら、俺も観客を守り切れねえからその時は頼んだぜ」そう言うとタクジは快活に笑った。
※NMの情報:極めて稀な事態だがここでWasshoi!判定が成功した場合『7×7』マスのマップでチャドーを習得したニンジャスレイヤーと戦闘を行うこと。ニンジャスレイヤーはマップの中心に配置されそれ以外のマスはPCたちの初期配置マスとなる。このマップからは5ターン目が開始するかニンジャスレイヤーを行動不能状態にするまで脱出できない。条件を満たした場合『その他の行動』として脱出を宣言できる。アトモスフィアはハードモードから始まり5ターン目にウルトラハードとなる。
ストリート
:脱出可能マスから脱出できるのはPCのみでありタクジたちモータルがマップから脱出することは無い。この場から離れ安全な地点まで逃走するには機動力が不足しすぎているのだ。またタクジたち護衛対象は基本的に自らの身を守ることを優先し、自発的な攻撃を行わない。
※NMの情報:再配置マスが存在する緑のエリアは賞金首を倒すかPCたちは足を踏み入れるまで基本的には開示されず内部のNPCも行動しない。
襲撃
このシナリオに出てくるクローンヤクザには基本ルールブックのデータを使用する。武器は『*アンタイニンジャ・ライフル*』であり【万札】は持たない。
◆賞金稼ぎ(種別:モータル/重サイバネ)回避4
カラテ 2 体力 3
ニューロン 2 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 10
スキル:なし
装 備:『*アンタイニンジャ・ライフル*』
ジ ツ:なし
サイバネギア:『テッコ』『クロームハート』
◆テクノサムライ(種別:モータル)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 5
スキル:なし
装 備:なし
ジ ツ:なし
サイバネギア:『生体LAN端子』『テッコ』
カルマ:善(加害時最低DKK+D3)
:ブンズーブンズーブンズズブンズー!アッアアッアアッ、アシカゲ・タクジ!テクノダンスを踊りながらストリートで行進を続けるタクジと取り巻きのテクノサムライ。
:「ワースゴーイ!」「初めて見ました」迷惑に感じ去るものもいるがタクジ達の周辺には一定の聴衆が集まってきていた。
:他に提案が無ければ、あなたたちは彼らに対し少し距離を置きつつ護衛を行っていることになる。
:その時!聴衆を押しのけて現れる黒衣の一団あり!
:奇妙な重サイバネの男がヘルメットで顔を隠した2人のクローンヤクザを引き連れているのだ。
:「オウオウ!テメエかタクジってのは!」重サイバネの男が焦点の定まらない目でタクジに喰ってかかる。
タクジ:「ア?」
タクジ:「誰よアンタ?どこの家柄よ?エド戦争、戦ったワケ?」
:「エド戦争だァ?聞いていた以上に時代錯誤な野郎だ、まあいい。テメエの首を取ってボーナス獲得重点!」
:「「ザッケンナコラー!」」
:「アイエエエ!?」「コワイ!」「パフォーマンスでは?」聴衆は混乱!
※NMの情報:この重サイバネの男はアマクダリ・セクトに雇われた賞金稼ぎでありポータル・ジツで転送されたことにより正気を失っている。また彼らは基本的に取り巻きのテクノサムライから攻撃する。
特殊ルール:ニンジャ存在感の隠蔽
:依頼主はタクジがニンジャ真実に触れないことを望んでいる。よってPC達がこの戦闘を『連続側転』や各種ジツ、スリケンを使用せずに終えた場合シナリオ終了時の評価が高まる。尚、常時発動型のジツはこの制限を受けず線引きが難しい場合はNM判断とする。
戦闘終了後:「アンタらすげえな!」タクジがあなたたちの元へと駆け寄ってくる。
戦闘終了後:あなたたちは無事襲撃を乗り切ったが、今ここに彼らのような武装した集団が現れたことは多少妙であった。クローンヤクザを引き連れた男が集団で行動していれば、いかにネオサイタマといえど多少は目につくはずであり、本来であればタクジの元へ現れるより前にあなたたちへ情報が届いていたはずである。
アンタイニンジャ・ライフルを調べる:戦闘を終えた後PCたちはアンタイニンジャ・ライフルを調べることができる。判定難易度は【ハッキング】U-HARDであり1人でも成功した場合アンタイニンジャ・ライフルの情報が手に入る。また、それに加え成功したPCの人数だけセキュリティ認証が突破された『*アンタイニンジャ・ライフル*』をPC側の武器として使用可能になる。誰の『遠隔武器スロット』に装備するかは任意。
1人でも成功した場合:このライフルはオナタカミの最新技術で作られている。これほどの装備をただの賞金稼ぎが自力で調達したとは考えにくい。この情報を提出すれば全員【名声:ソウカイヤ】が+1される。
:そして......あなたたちは気付くだろう。ストリートの奥からニンジャの気配が近づいていることに。
※NMの情報:この時点で再配置マスがあるエリアの情報を開示する。
:マップ奥にある再配置マスへの配置をお願いします。
:ここからは『護衛対象エリア』外であればジツや『連続側転』を使用しても評価へのペナルティはなくなる。ただし敵ニンジャがタクジのいる護衛対象エリアに到達するまでに倒せなかった場合、同様のペナルティが発生するので注意。
トライポッド
◆トライポッド(種別:ニンジャ)遠隔7 回避5
カラテ 2 体力 6
ニューロン 5 精神力 6
ワザマエ 5 脚力 4
ジツ 5 万札 20
スキル:『ウィークポイント射撃』
装 備:『*レーザーロッド*』『サイバーサングラス』『*ヘヴィニンジャスーツ*』
ジ ツ:『☆短距離ポータル・ジツ』『★チクバ・ジツ』『★★ポータル・バキューム』
サイバネギア:『生体LAN端子』『クロームハート』
:*レーザーロッド*:『遠隔武器』『小銃』『ダメージ1』『回避難易度:U-HARD』『同時攻撃』
◇同時攻撃:この銃器は視界内の敵を3体まで同時に攻撃できる。
☆短距離ポータル・ジツ:手番終了時に【精神力】を1消費して発動を試みられる。
判定難易度はHARDである。発動に成功した場合、隣接するマスに
『クローンヤクザ』を味方として1体配置する。術者が撃破された時点でこれらの
『クローンヤクザ』がマップ上に残っていた場合、戦闘を省略し全滅したものとみなす。
★チクバ・ジツ:このジツを持つニンジャは以下の効果を得る。尚『メリット』効果は
サツバツ!『出目4:脚部破壊』の効果を受けた場合、戦闘終了後まで無効化される。
メリット:敵のいるマスを通行可能となる。また術者に『近接攻撃』する敵は『連続側転』
『飛行移動』の後に攻撃を行うか『近接攻撃リーチ+X』を持つ攻撃手段を使うかしない限り
近接攻撃難易度が+1される。加えて【脚力】+2。
デメリット:『連続側転不可』
★★ポータル・バキューム:『その他の行動』として【精神力】を1消費して発動を試みられる。
判定難易度はHARDである。発動に成功した場合、自身を中心とした『7×7』マスの『モータル』を
任意の人数選択しマップから取り除く。『ボス級の敵』は難易度HARDで回避が可能。
つまり『重サイバネ』の場合回避難易度はU-HARDとなる。
:「......これはこれは、アシカゲ家の与太息子を守るために雁首揃えて大層なこと」
:そこにはサイバー・タケウマの上からあなたたちを見下ろすニンジャの姿があった。
:そのニンジャは地面に底が付くほど長い機械仕掛けの杖を操作しながら慇懃にアイサツを行う。
:「ドーモ、トライポッドです」
:「担当直入に言おう、アシカゲ・タクジを渡せ」
※NMの情報:アマクダリ陣営はアシカゲ・タクジを捕らえることが目的であるため、アシカゲ・タクジへの直接攻撃は避け『ポータル・バキューム』で攫うことを最優先に行動する。
戦闘描写
短距離ポータル・ジツ:「イヤーッ!」トライポッドが右手を下にかざすとそれに呼応するかのようにコンクリート上に地面に対して水平なポータルが出現!クローンヤクザが直立姿勢のまま垂直上昇エントリーした!
レーザーロッド:トライポッドは左手の杖を構える。
:「見るがいい!最先端テックの力を!」
:次の瞬間、機械仕掛けの杖が唸り、周囲を薙ぎ払うように青色のレーザー光線が発射された!
脚部破壊:「グワーッ!?」サイバータケウマが音を立ててへし折れトライポッドが地面へと倒れ伏す!今この時を持って彼の軌道力の源であったサイバータケウマはニンジャ機動力を阻害する重石と化した!インガオホー!
爆発四散:「アバババーッ!?何故だ!テックの力と我らがポータル・ジツ、負ける道理無し!」
:「サ、サヨナラ!」
:トライポッドの爆発四散痕には彼が装備していたサイバネの残骸が転がっていた。解析すれば何かわかるかもしれない。全員で【ハッキング】判定U-HARDを行うこと。
1人でも判定に成功した場合:あなたたちは直前までトライポッドが通信を行っていた端末の座標を突き止めた。少々距離があり今から向かっても逃走される可能性が高いが上へと報告し他ニンジャの協力を仰げば通信相手を捕らえることができるかもしれない。
:一通り処理を終えた後あなたたちはアシカゲ・タクジの元へ戻り報告を行うことになる。
アシカゲ・タクジ:「ドーモ。大変だったな。いや、本当に助かった」
尋問
:トライポッドが遺したサイバネの解析に成功しその内容を上へ報告した場合、しばらくしてポータル・ジツ使いの片割れであるマーズマンがヘルカイトによって捕獲され、PC達の元へ回される。
:尋問に向かう場合タクジをホテルまで見送って護衛任務を終了してからとなる。
※NMの情報:ソウカイヤに所属していない場合はヘルカイトではなくブラックヘイズなどにしてもよい。
◆マーズマン(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 0
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ 3 万札 0
スキル:なし
装 備:なし
ジ ツ:『☆短距離ポータル・ジツ(使用不可)』
サイバネギア:『生体LAN端子』
:「俺を、俺をここから出せ......!」あなたたちが指定された倉庫へと向かうとそこには柱に括りつけられたニンジャとヘルカイトが待っていた。
:「ドーモ、ヘルカイトです」「ドーモ、マーズマンです......」
ヘルカイト:「では、俺はこれでシツレイする。仕事が立て込んでいてな。サンシタの拷問に時間を割くわけにはいかんのだ。貴様らは俺の分までしっかりとこいつから情報を搾り取りシンジケートへ貢献するように」
ヘルカイト:「......当然、有用な情報を引き出すことが出来ればシンジケートは貴様らを適切に評価するだろう。オタッシャデー!」
:ここでPC全員は【精神力】の最大値で難易度NORMALの交渉判定を行うこと。その成功数だけ【万札】が追加される。また出目6は2個分として数えられる。成功数が5以上だった場合全員の【名声:ソウカイヤ】+1。成功数が10以上だった場合得られる【名声:ソウカイヤ】がさらに+1。
※NMの情報:今回彼らはアマクダリ・セクトのニンジャとしてムロマチ・サイバネティクス社をオナタカミ社の傘下に置くために用いる恐喝材料の1つとしてアシカゲ・タクジの身柄を確保すべく動いていた。マーズマンに情報を吐かせる際は上のような背景と相方が爆発四散した無念の感情を念頭に置くとよいだろう。
報酬
A:アシカゲ・タクジがニンジャの存在を認識する前に襲撃者を撃退:【万札:75】を山分け。
B:アシカゲ・タクジが攫われる前に襲撃者を撃退:【万札:45】を山分け。
C:アシカゲ・タクジが攫われた:全員【名声:ソウカイヤ】が-1される。
ボーナス:テクノサムライが1人も脱落していない:【万札:15】が報酬に上乗せされる。
※余暇は一律4日である。
参考原作エピソード
おまけ.ニンジャ名鑑
◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【トライポッド】◆卓◆
アマクダリ・セクトのニンジャにしてタナバタ・ニンジャクランのグレーターソウル憑依者。相方のマーズマンと共に精神を集中させることでポータル・ジツを使用することができる。基本的にはポータル・ジツを利用した裏方的な立ち回りを好むがオナタカミ製のサイバータケウマを軸とした戦闘技術も実際油断ならない。
◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【マーズマン】◆卓◆
アマクダリ・セクトのニンジャにしてタナバタ・ニンジャクランのグレーターソウル憑依者。相方のトライポッドと共に精神を集中させることでポータル・ジツを使用することができる。尚、彼らの用いるポータル・ジツは距離が離れすぎているとうまく機能せず、離れた都市を結ぶような使い方をすることはほぼ不可能である。
セッション用Googleスプレッドシート
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参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ
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