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ニンジャスレイヤーTRPG:IF設定案『シルバークィリン』

始めに

 この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版で使用可能なIF設定やデータをまとめたアイデア集である。NM(ニンジャマスター)はこの記事に含まれるデータや設定を自由にセッションへ導入することが出来る。

シルバークィリン/Silverqilin(ダークカラテエンパイア) 

頭上に黄金立方体が輝くオヒガンの荒野。そこに立ち並ぶ石板の1つに、『鉢』のカンジが刻まれた白いフルフェイスメンポと氷の玉を数珠繋ぎにして作られた首飾りを身に着けた銀色装束のニンジャの姿が浮かんでいた。

◆シルバークィリン/ハドマ・ニンジャ(種別:ニンジャ/リアルニンジャ)初期装備:素手&スリケン アイコン:シ
カラテ    10  体力   25
ニューロン  13  精神力  25
ワザマエ   10  脚力    5/N
ジツ      8  万札   36

近接/射撃/機先/電脳  10/10/13/13
回避/精密/側転/発動  15/10/10/22
   緊急回避ダイス  8
     即応ダイス  8

◇装備や特記事項
 アーチ級生成装束(標準的な)×4、魔術的ニンジャ頭巾
 『●連続攻撃2』『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』『●ニンジャ第六感』
 『◉◉タツジン:ジツ』『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉◉アーチ級ソウルの力』『◉痛覚遮断』
 『◉暗殺者の眼』『★★★◉アーチ級装束生成』『★★★◉欠損部位再生』
 『☆コリ・ジツ』『★氷面滑走』『★コリ・エンハンスメント』『★コリ・エンハンス強化』
 『★精神力ダメージ軽減1』『★★★ハドマ・ウェポン』『★★★マカハドマ・ジゴク』

 『★★★ハドマ・ウェポン』:2ターン目以降の手番「開始フェイズ」に「瞬時行動」として
 【精神力】を4消費し発動を試みられる(発動:U-HARD)。発動に成功した場合、
 戦闘終了まで以下の効果を得られる。

  『ハドマ・アーム』:『内蔵型』の『ノダチ』を使用可能となる。この『ノダチ』には、
  『氷結』種別の『無属性ダメージボーナス+1』と『回避ダイスダメージ1』が付与される。

  『ハドマ・ウィング』:【ジツ】値×2マスの『飛行移動』と『●空中制動』を使用可能となる。
   この『飛行移動』の際は『氷結』種別の『無属性ダメージボーナス+1』
  『回避ダイスダメージ1』を持った『轢殺攻撃4』が使用できる(回避:HARD)。

  『ハドマ・テイル』:手番『移動フェイズ』に1行動を消費して発動できる。
  この特殊な単発の『近接攻撃』は『ワザマエ:HARD』で判定を行い、
  成功すると隣接する敵全員に『ダメージ3』を与える(回避:HARD)。命中した場合、
   この攻撃は『氷結』種別の付属効果として対象に『回避ダイスダメージ1』を与え、
   対象を次の使用者の手番開始時まで『不覚状態』とする。この攻撃はカウンター不可。

 『★★★マカハドマ・ジゴク』:手番「攻撃フェイズ」に【精神力】3、『回避ダイス』3個と
 1行動を消費して発動を試みられる(判定:U-HARD)。発動に成功した場合は20マス以内の敵を
 【ジツ】値の半分までの人数選択しその全員に『氷結』種別の『ダメージ2D3』+
 『回避ダイスダメージ1』を2回与える(回避:HARD)。回避されなかった場合、
 それらの敵は『氷像化』の効果を受ける。

不覚状態:『ニンジャスレイヤーTRPG:プラグイン環境ルールプレビュー(20225月号)』
:https://diehardtales.com/n/nc42d68eb9efd

◆簡易ロールプレイガイド◆
一人称:
「私」敵対:「君」「貴様」味方:「君」「貴殿」

 シルバークィリンはパープルタコの肉体を乗っ取りスペルバウンドとなったシルバーキーが自身の鍼灸院に残した『カタオキ・シンイチの肉体』に憑依し活動を始めたダークカラテエンパイアのリアルニンジャであり、ハドマ・ニンジャのカイデン・ネームを持つコリ系列のアーチニンジャである。

 彼は元はカイジュウめいた巨体を持つ巨人のごときニンジャであったが、オヒガンから流入するエテルが減少し巨体の維持が難しくなってからはソード山脈に存在する凍結地底湖内部での休眠を余儀なくされていた。しかし彼はコトダマ空間を介して現世の様子を把握しつつ、再起の時を辛抱強く待ち続けてもいた。

 そんな中、コリ・ニンジャクランの首魁であるトゥララ・ニンジャがエテルの減衰による肉体の崩壊に抗う策として他者の肉体に乗り移ることを選んだことを知った彼は、これに倣い自身の器となる肉体を探すことにした。その果てに見出したのがシルバーキー鍼灸院に残されたカタオキ・シンイチの肉体である。それというのも、残されたカタオキの肉体はハドマ・ニンジャにとって非常に都合のいい条件を備えていたからだ。

 シルバーキーパープルタコの肉体を乗っ取った際、シルバーキーのニューロンはオモイ・ニンジャの支援を受けユメミル・ジツを過剰な出力で放ったことによりショートしていた。そして、そういったイレギュラーかつ不安定な状況で肉体の乗っ取りを行った結果、残された側の肉体にもシルバーキーのソウル、ユメミル・ジツの力の断片が不完全な形で残っていたのである。これは詳細こそ異なるものの、原作小説においてエルドリッチに生じた、ソウルを抜かれたにも関わらず肉体にゼツメツ・ニンジャの力が一部残存していた現象にも似ているかもしれない。

 とはいえ残留していたユメミル・ジツの力は僅かなものであり、この欠落がスペルバウンド自身に与える影響も無視できるレベルであった。しかしキョジツテンカンホーの脅威を知るハドマ・ニンジャにとっては、その影響を抑えうるニューロンは喉から手が出るほど欲しいものであったのだ。

 かくしてハドマ・ニンジャはスペルバウンドが残したカタオキ・シンイチの肉体を自身の力で維持し、新たな肉体として利用することにした。現在のハドマ・ニンジャ、シルバークィリンはキョートを拠点に、始祖カツ・ワンソーが再臨する日に備えて暗躍を行っている。

 その外見は基本はシルバーキーと同様のものだが、その顔は水色をした『鉢』のカンジが刻まれた白いフルフェイスメンポで隠されており、その首元には氷の玉を数珠繋ぎにして作られた首飾りが巻かれている。イクサの際は地面から巨大な氷の腕を無数に出現させ敵を拘束する、カイジュウめいた翼、腕、尻尾を生成し豪快なカラテを振るうなどの戦法を好む。

他のキャラクターとの関係

オモイ・ニンジャ

 オモイ・ニンジャはカタオキがパープルタコの肉体を乗っ取りスペルバウンドとして逃走することを支援する中でシルバークィリンがカタオキの身体に入り込んだことを把握しており、スペルバウンドをネオサイタマまで逃がした後に自らコトダマ空間を介してシルバークィリンに接触を行っている。

 現状のところはキョジツテンカンホ―への対策という視点から両者の利害は一致しており、オモイ・ニンジャ側はザイバツの手に渡ればキョジツテンカンホーの増幅に悪用されうるスペルバウンドの身柄の確保とその現状についての情報共有を、シルバークィリンの側からは自ら集めたザイバツの現状についての情報共有を行うことでWIN&WINの関係を築いている。

 尚、シルバークィリンは本来のカイジュウめいた肉体を捨て新たな肉体で再起するべく動き始めたばかりであり、領土と呼べるようなものも持たないため、オモイ・ニンジャとは立場に大きな差がある。ただし目標達成のために何百年、何千年と時間をかけることのできる不老の存在であるシルバークィリンはこの状況に焦りを感じておらず、まずはソガ・ニンジャが支配する世の再来を防ぐことが第一であると考えている。

スペルバウンド

 スパルバウンドはシルバークィリンにとって『自身の身体の元の持ち主』であるが、シルバークィリンがそのことを必要以上に特別視することはない。ただしスペルバウンドの身柄がロード・オブ・ザイバツの手に渡ればキョジツテンカンホ―が手の付けられなくなるほどに増幅されてしまうこと、スペルバウンド自身が貴重なキョジツテンカンホ―に対策しうるジツの持ち主であることなどから重要な存在としては認識しているためスペルバウンドに危険が迫っていることを知れば自ら対処のため動くこともあるだろう。

 基本的にスペルバウンドに不利益を齎すことはオモイ・ニンジャの機嫌を損ねることに繋がりかねないため、現在のシルバークィリンは基本的にカタオキ・シンイチの外見を悪用したりスペルバウンドに過剰な干渉を行う行為は避ける。ただしシルバークィリンは先述の通り『スペルバウンドの身柄をロード・オブ・ザイバツに渡さない』ことを重要視しているため、ダークカラテエンパイアの他のニンジャがオモイ・ニンジャの元にスペルバウンドがいる状況に異を唱え『自身の元でスペルバウンドの身柄を管理するべきである』といった主張を行った場合などは状況を見定め、可能な限りスペルバウンドの力がザイバツの手に渡りづらくなるよう行動しようとするだろう。

 その結果としてシルバークィリンがスペルバウンドやオモイ・ニンジャと対立することは十分ありうる。ただしそのような対立が生じた場合でもダークカラテエンパイアのニンジャ達は可能な限り『リアルニンジャ同士の直接対決』ではなく『ルールにのっとった儀式』での決着を求めるはずだ。加えてシルバークィリンとしてもオモイ・ニンジャとの対立は避けたいためよほど必要に迫られない限りはあくまで中立的に『儀式の仲介役』のような立場で干渉しようとするだろう。

 シルバークィリンとオモイ・ニンジャがカタオキの身体の現状についてスペルバウンド本人に伝えるかはケースバイケースだ。カタオキが自身の身体を取り戻したいと考えているのであれば面倒を避けるため隠そうとするだろうし、オモイ・ニンジャによる自我の浸食が進んでいるなどの理由であまり元の身体に執着していない場合は無理に隠そうとはしないだろう。

ホワイトドラゴン

 先述の通り、ハドマ・ニンジャはコリ・ニンジャクランに連なるリアルニンジャであり、シルバークィリンが肉体を変える選択を取った背景にはホワイトドラゴンが他者の肉体を奪う選択を取ったことが大きく関わっているが、シルバークィリン自身はあくまで独立したリアルニンジャであり、ホワイトドラゴンの指示を受けるような立場にはない。アマクダリの目指す管理社会やその先にある再定義は彼にとっても不都合なものであるため必要があれば彼はホワイトドラゴンと対立することも躊躇しないだろう。

 ただしダークカラテエンパイアが本格的な活動を始めている状況下でホワイトドラゴンがオヒガンとの繋がりを絶つ『再定義』を目指すアマクダリにどこまで入れ込むかは一考の余地がある。このあたりについて考慮する際はサツガイの力によってコリ・ニンジャが復活する可能性が彼女にとって好ましいものなのか、それとも忌むべきものなのかが「ディスカバリー・オブ・ミスティック・ニンジャ・アーツ(21):コリニンジャ・クランの興亡」「コリ・ニンジャの滅び」に書かれた2つの説のうちどちらを採用するかで変わる可能性が高い点もポイントになるかもしれない。

関連する自作記事

進めドラゴン特派員!ソード山脈のタッツェルブルム伝説!:シルバークィリン本人は登場しないがハドマ・ニンジャクランについて詳しい情報が書かれている。

サンズ・オブ・ケオス(AoS):AoSにおけるオモイ・ニンジャの現状に纏わる案が収録されている。

参考資料

データの改訂について

 この記事のデータは試験的なものであり、予告なく改訂される場合がある。変更、追加が行われた箇所がルールに影響を及ぼす場合は改訂履歴としてこの項に明記される。NMは最新のデータに拘らず、好きな版のデータを用いて構わない。

2022/06/12:NPCデータ『シルバークィリン』に含まれる『ハドマ・テイル』のデータを改定。使用時に『ワザマエ:HARD』での『近接攻撃判定』が必要な形に。

利用規約

 このアイデア集のデータが含まれるリプレイなどを公開する場合、公式ルールとの混同を避けるため可能な限りこの記事を引用元として明記すること。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可。

参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ
     「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ

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