ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『ザルニーツァ支援任務』
1.始めに
このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のプラグイン環境に対応したシナリオである。超えた『成長の壁』の数が1~2個のPC3人での挑戦を想定している。想定される所要時間は2時間半~3時間半程度。
NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。
「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。
<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。
これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。
2.募集用テンプレート
3.背景
4.導入
:あなたたちはトコロザワ・ピラー内部の豪華な内装に彩られた一室へと集合していた。部屋にはあなたたちの他に有機的なニンジャスーツで全身を覆った人物がいる。ソウカイ・シックスゲイツ創始者、ゲイトキーパーから直接教えを受けたエリートであり、ラオモト・チバの異父姉でもある女ニンジャ、ザルニーツァだ。
:彼女は戦士としてはシックスゲイツ主導のカチコミやスカウト任務に幾度か同行した経験があるのみであり、実力もあなたたちと大きな差があるわけではないだろうが、それでも彼女の佇まいはある種の気品や威圧感を持ち合わせていた。
:今回のあなたたちの任務はチバの護衛を行う彼女を対等な立場で支援することだ。ゲイトキーパーは彼女がソウカイヤに連なるニンジャについて学び成長することを望んでいるためコミュニケーションなども気兼ねなく行うことが推奨される。
ザルニーツァ:「ドーモ、ザルニーツァです」
ザルニーツァ:「未熟者だが、よろしく頼む」
◆ザルニーツァ(種別:ニンジャ)初期装備:パルスダガー アイコン:ザ
カラテ 4 体力 6
ニューロン 8 精神力 10
ワザマエ 8 脚力 4/E
ジツ 0 万札 12
近接/射撃/機先/電脳 4/8/8/8
回避/精密/側転/発動 8/8/10/-
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
パルスダガー、ナガユミ+電磁パルス矢×2(両方とも一対のプラズマ・クナイとして描写する)
フルヘルムメンポ、タクティカルニンジャスーツ、家族の写真
『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』
『◉忠誠心:ソウカイヤ』『◉常人の三倍の脚力』『◉電光石火』
『◉グレーター・ツジギリ』『◉トライアングル・リープ』
:チバが来るまでにはまだ少し時間がある。今のうちに自己紹介などをしておいてもよいだろう。
ラオモト・チバ
:チバが近づいてくる音が聞こえてくる。
:フスマを開きチバが入室する。
◆ラオモト・チバ (種別:モータル)初期装備:オノミチ・カスタムハンドガン アイコン:チ
カラテ 1 体力 1
ニューロン 6 精神力 8
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ 0 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 1/4/7/7
回避/精密/側転/発動 6/4/-/-
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
オノミチ・カスタムハンドガン+ダムダム弾、伝統的礼装(アルマーニのスーツ)
コマンド・グンバイ(レリック枠装備、イニシアチブ値+1、ハッキング判定ダイス+1個)
『◉◉采配能力』『◉不屈の精神』『◉アドレナリン・ブースト』
『◉交渉:鼓舞』『◉交渉:駆け引き』『◉交渉:理路整然』
※モータルのため、ラオモト・チバの行う『回避判定』は難易度が+1される。
参照データ:【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-035「ラオモト・チバ&オニヤス」
:https://diehardtales.com/n/ne3a6a8e2bb5f
チバ:「ドーモ、ラオモト・チバです」
ザルニーツァ:「ドーモ、ザルニーツァです」
チバ:「そこそこのニンジャが揃ったようだな」
チバ:「そしてザルニーツァ=サン。お前に言っておくことがある」
チバ:「父上やゲイトキーパーはお前を気に入っているようだが、ぼくには血縁だからといってお前を特別扱いするつもりは毛頭ない。お前は他のニンジャ共と同じようにぼくを守っていればいい」
ザルニーツァ:「承知しています」
チバ:「僕に認められたければ、己が『使える』ニンジャであることを示すことだ。そうすれば血縁であろうとなかろうと重用してやる。もしそれができなければ、分かるな?」
ザルニーツァ:「ハイ」
チバ:「いい返事だ!その調子でぼくを満足させられるよう励むがいい!ムッハハハハ!」
5.調査
:この場でPC達はチバと共にモータルの運転手『カメジ』の運転するリムジンに乗り護衛任務へと出発することになる。
◆カメジ(種別:モータル)初期装備:オノミチ・カスタムハンドガン アイコン:カ
カラテ 2 体力 3
ニューロン 4 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 4
ジツ 0 万札 12
近接/射撃/機先/電脳 2/4/4/4
◇装備や特記事項
オノミチ・カスタムハンドガン+ダムダム弾、▶クロームハートLv1
『◉忠誠心:ソウカイヤ』『◉知識:ヤクザの流儀』『◉知識:ビークル』
『◉知識:ソウカイヤ』『◉知識:カチグミエリア』『◉知識:水路湾岸エリア』
:この際は代表者となるPC1人が『調査判定:HARD』でチバを狙うものがいないか調べ、チバが出発前の準備をしている間に他のPCやザルニーツァに共有しておいてもよい。この際は『ハッキングで短時間の間に調査を行った』ことにしても『事前に調べておいた情報をここで共有した』ことにしても問題ない。
有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『ヤクザの流儀』『カチグミエリア』『セキュリティ』『犯罪』
次に適した知識スキル(+1):『公僕の流儀』『サイバネティクス』『銃器』『IRCネットワーク』
6.襲撃
:午前中の任務は特に何事もなく終了し時刻は昼頃。あなた達は昼食を終えたチバと共に次の目的地であるドンブリ・ポンの本社へと向かっていた。
:その時!
:複数台のヤクザカーがあなたたちの乗るリムジンの背後に肉薄する!チバはそれを一瞥すると冷徹にこう告げた。
チバ:「スケジュールに乱れが出んよう早急に片付けろ。タイム・イズ・マネーだ」
:ここでPC達とザルニーツァは全員『近接攻撃判定』または『射撃判定』を行える。攻撃可能なジツを持つ場合はそのコストを消費し『発動判定』で代用してもよい。これらの判定は種別を問わず『難易度:HARD』で固定となる。手番「開始フェイズ」や「移動フェイズ」に使用可能な判定ダイスを増やしうる効果を持つ場合は判定の前に使用できる。これらの判定で8個の『累加成功』が達成された場合は襲撃者の撃退に成功したものとみなす。不足していた場合は味方ニンジャ全員が『銃器』による『回避:HARD』の『ダメージ1』を『時間差』で2回受けた後に『累加成功』数を引き継いで再度判定に挑戦できる。この再挑戦に失敗した場合は再度上記のダメージが発生するが再挑戦の回数に制限はない。
重サイバネヤクザA:「ザッケンナ……ザッケンナコラーッ!畜生が!ジュイン=サンたちがいれば……!」
重サイバネヤクザB:「あいつらは仕方ねえだろっコラーッ!」
チバ/襲撃者の撃退に成功しリムジンに帰還した場合:「ムッハハハハ!なかなか面白い見世物だったぞ!」
7.ディナー
:時刻は夜。あなたたちはオハヤシ・ストリートのカチグミエリアに存在する高級料亭を訪れていた。今日訪れる予定の施設はここが最後だ。
:この料亭では基本的に騒ぎにならぬようドレスコードに沿った衣装を身に纏うことになる。多くの場合はチバが1人にならぬよう順番に着替えていく形になるだろう。特に異論がなければあなたたちPCは既に着替えを終えザルニーツァの着替えを待っている状態となる。
:上等なヤクザドレスに身を包んだザルニーツァが姿を現わす。素顔の彼女はどこかチバに似た顔立ちの美女であり、滑らかな金髪と吸い込まれるような蒼眼、そして凛とした表情は超然とした美しさを放っていた。
:この後に設けられる食事の席であなた達は、タタミ敷きの部屋でチバ、ザルニーツァと共に高級料理を食することとなる。
:そしてこの席ではチバによってあなたたちが持つソウカイヤクザとしてのソンケイやボディガードとしての質が見定められる。この場で全PCは『交渉判定:NORMAL』を行うこと。素の【ワザマエ】から得られるダイスの上限値は6である。
有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『超然』『卑屈』『威圧』『誘惑』『共感』『鼓舞』
最も適した知識スキル(+2):『ヤクザの流儀』『ファッション』『高級嗜好品』『貴族の流儀』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『伝統的アート』『ソウカイヤ』
特殊処理:『◉忠誠心:ソウカイヤ』やそれを前提としたスキル1つごとにダイス+2。
ディナーの恩恵
ディナーの恩恵:下の恩恵から1つ選んで得る。
・『●気力体力の充実(体力+2/精神力+2)』を得る。同名効果とは重複しない。
・『◉忠誠心:ソウカイヤ』を得る。【精神力】の増加は直ちに現在値に反映される。
・『即応ダイス』を2個得る。
・『◉知識:高級嗜好品』を得る。
8.ボス戦
:特に異論がなければ、あなたたちは食事を終えて平時のニンジャ装束に戻った後、カメジの待つリムジンに帰還するためチバと共に料亭の中庭を歩くことになる。
:風流な庭園に冷たい風が吹き、頭上には髑髏めいた月が浮かぶ。
:ここで全PCは『アンブッシュ感知判定』を行うこと。この判定は『ニューロン:U-HARD』で行う。事前調査で『情報C』が開示されていた場合は難易度-1。1人でも成功した場合はアンブッシュを無傷で切り抜けられる。全員失敗した場合はザルニーツァがチバを庇い『ダメージ5』を受けてしまう(回避不能)。
:その時!
:風を切り飛来した一枚のスリケンがチバに迫る!
:スリケンの飛来した方向には開いた窓と一本の木……いや、木にあらず!
ミミックツリー:「ドーモ、ミミックツリーです」ナムアミダブツ!木だと思われていたのは木に擬態したビッグニンジャであった!ミシミシと樹木めいた巨体が軋み木の実めいた複眼がギョロリとあなたたちを見つめる……なんたる異形か!
:そしてその奥の窓から狙撃手のアイサツが響く。
ジュイン:「ドーモ、ジュインです」
:今回の戦闘は基本的に味方陣営のニンジャ1人がチバを『運搬』した状態で始まる。チバは『運搬』されている場合でも自身の手番に『◉◉采配能力』を使用できるものとする。ザルニーツァが気絶していた場合は彼女を『運搬』した状態で戦闘を開始することも可能。
:チバを運搬するキャラはジュインに優先的に狙われる。ミミックツリーは遠距離攻撃が不得意であるため位置関係なども考慮し臨機応変に攻撃対象を決める。またジュインが持つ『電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト』の『射撃方法2』は0ターン目にアンブッシュで使用されたものとみなされるため1ターン目には使用できない。
◆ジュイン(種別:ニンジャ/重サイバネ)初期装備:電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト アイコン:ジ
カラテ 3 体力 5
ニューロン 7 精神力 4
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 0 万札 12
近接/射撃/機先/電脳 6/7/9/11
回避/精密/側転/発動 10/7/7/-
緊急回避ダイス 2
即応ダイス 2
◇装備や特記事項
▶▶生体LAN端子Lv2、▶▶▶テッコLv3、▷▷▷電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト
『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:ミリタリーカラテ』『◉重サイバネ』『◉憎悪:ソウカイヤ』
◆ミミックツリー(種別:ニンジャ)初期装備:バイオ武器Lv1 アイコン:ミ
カラテ 3 体力 18
ニューロン 3 精神力 8
ワザマエ 5 脚力 5/UH
ジツ 5 万札 12
近接/射撃/機先/電脳 3/7/3/3
回避/精密/側転/発動 2/-/5/-
緊急回避ダイス 5
即応ダイス 2
◇装備や特記事項
▲▲戦闘用バイオサイバネLv1、△バイオ複眼
『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉突撃』『◉憎悪:ソウカイヤ』
『☆巨体化の秘儀』『★掴み取りの腕』『★筋肉の鎧』
戦闘中描写案
ジュイン/電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト<射撃方法1>:ジュインのガントレットから二枚のスリケンが風を裂いて射出される!
ジュイン/電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト<射撃方法2>:ジュインの放った致命のスリケンが迫る!アブナイ!
ミミックツリー/バイオ武器:「イヤーッ!」ミミックツリーの大樹の枝にも似た巨腕が迫る!
ザルニーツァ/トライアングル・リープからの精密攻撃:「イヤーッ!」ザルニーツァは跳躍!パルスの軌跡が宙を裂き、斬撃が<対象>に迫る!
ザルニーツァ/電磁パルス矢:「イヤッ、イヤーッ!」ザルニーツァが左右のプラズマ・クナイを連続投擲!
ザルニーツァ/電磁パルス矢投擲後:投擲されたプラズマ・クナイが電磁力によってザルニーツァの手元に引き戻される!
9.結末と報酬
上記の処理と〆のロールプレイを終えた時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。
A+:ニンジャを2人倒してチバを無事に帰還させた:【万札】プール+78
全員の【名声】が+3される。
A:ニンジャを1人倒してチバを無事に帰還させた:【万札】プール+66
全員の【名声】が+2される。
B:ニンジャを倒さずチバを無事に帰還させた:【万札】プール+54
全員の【名声】が+1される。
C:チバを守り切れなかった:報酬無し
全員の【名声】が-1される。
余暇日数:4日
追加のユウジョウ判定対象:ザルニーツァ
セッション用Googleスプレッドシート
おまけ.ニンジャ名鑑と簡易ロールプレイガイド
◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【ジュイン】◆卓◆
スナイパースリケンによる暗殺を得意とするヤクザニンジャ。名前は日本語の樹陰から。『モータルはどれほど強固な精神を持っていようとジツによるインタビューには無力』といった考えを持ち、たとえ仲間であってもモータルに心を許そうとはしない。
◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【ミミックツリー】◆卓◆
巨体を活かして樹木に変装することを得意とする隠密ニンジャでありソウカイヤが滅ぼしたデッドリーユーカリ・ヤクザクランの残党。今は亡きオヤブン、ジェネラルコアラを崇拝しており彼の命を奪ったソウカイヤに激しい憎悪を燃やす。イクサの際はスナイパーニンジャ『ジュイン』を守る前衛としての役割を得意とする。
利用規約
この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。加えて『ラオモト・チバ』などが持つ公式に存在するデータに準拠した個所は公式の引用ルールに従い扱うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。
参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ