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ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『ミューズ・イン......』

1.始めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のプラグイン環境に対応した原作エピソード『ミューズ・イン・アウト』を題材としたシナリオである。超えた『成長の壁』の数が1個~成長上限級のPC3人での挑戦を想定している。想定される所要時間は3~4時間程度。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

※NMの情報:この部屋にはニンジャスレイヤーが潜んでいる。
のように『※NMの情報』から始まる文が枠に覆われている場合その枠内の情報はPLに開示することが想定されていない情報であることを意味する。

 これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。

2.募集用テンプレート

第2版セッション:ミューズ・イン……
シナリオの方向性:『善良』
日時:
想定時間:3~4時間程度
募集人数:3人
募集条件:超えた『成長の壁』の数が1個~成長上限級の、ナンシーの仲介の元でガンドー探偵事務所に協力することが可能な立場のPC。
危険度:★★(キャラロスト可能性あり)
開催場所:
その他:マップとキャラシートにGoogleスプレッドシートの使用を想定。
備考:当シナリオは調査と交渉に重きが置かれたシナリオでありPC側から攻撃を行わずにシナリオを最高評価でクリアすることも可能となっている。『交渉判定』『調査判定』『知識判定』で能力値から得られるダイスの上限値は6となる。また当シナリオでは補助電脳空間に貼られた記事『ガンドー探偵事務所日本支部』に記載されたIF設定を採用している。
参加表明:

概要:ネオサイタマに物理オフィスを構える『ガンドー探偵事務所日本支部』にオーエルの『マツモト』から彼女の同棲相手である『ホンガンジ』の周辺調査を行う依頼が入った。マツモトが依頼を行ったのは、ある日を境に様子のおかしくなったホンガンジを見て『ヤクザか何かに脅されているのではないか』と心配を抱いたが故であったが、ガンドーとシキベは調査を進める中で彼が怪我をしたという現場に血濡れのスリケンが残されているのを発見する。これを受けた2人はこの依頼をニンジャ案件と判断。ナンシーの仲介の元でPC達に協力を求めることに決めた。

背景.ガンドー探偵事務所(AoS)

※NMの情報:このシナリオでは以下記事のIF設定を採用している。

3.導入

:あなた達はナンシー・リーの仲介の元、ネオサイタマ、オハヤシ・ストリートのビルに存在する『ガンドー探偵事務所日本支部』を訪れていた。今回の目的について、ナンシーからはニンジャ案件の可能性が高い依頼に関わることとなった彼らへの支援であると聞かされている。

:特に異論がなければ、現在あなたたちはガンドー、シキベに対するアイサツを終えた上でイスに座り、全員分の飲み物が置かれたテーブルを挟んで2人と対面している形となる。依頼についての詳しい話はこの場で2人から聞くことができるだろう。

◆タカギ・ガンドー(種別:モータル)初期装備:49マグナム×2 アイコン:ガ
カラテ     6  体力    7
ニューロン   4  精神力   5
ワザマエ    5  脚力    3
ジツ      0  万札   12

近接/射撃/機先/電脳  6/7/5/6
回避/精密/側転/発動  6/6/-/-
   緊急回避ダイス  4
     即応ダイス  4

◇装備や特記事項
 49マグナム×2、ダムダム弾、ZBRアドレナリン注射器
 ▶生体LAN端子Lv1、▶サイバネアイLv1、▷強化頭蓋
 『◉戦闘スタイル:ピストルカラテ』『◉アドレナリン・ブースト』
 『◉シャープシューター』

 ※非ニンジャであるため、ガンドーの行う『回避判定』は難易度が+1される。

 :▷強化頭蓋:電脳用カスタムパーツ:【体力】+1、
  シナリオ中1回限り、サツバツ出目2の付属効果を全て無視する。

 『◉戦闘スタイル:ピストルカラテ』:『二挺拳銃』装備時に『素手』扱いで
 使用可能。【ワザマエ】で判定。『攻撃難易度+1』『連続攻撃+1』を得る。
 加えて出目【6】成功時に『痛打+1』となる。

『49マグナム×2』データ参照元/ニンジャスレイヤーTRPG:プラグイン環境ルールプレビュー(202110月号)
:https://diehardtales.com/n/nf185656d86ec#hZBuT

◆シキベ・タカコ(種別:モータル/重サイバネ)初期装備:LAN直結型ハンドガン アイコン:シ
カラテ     5  体力    8
ニューロン   5  精神力   6
ワザマエ    6  脚力    3
ジツ      0  万札   12

近接/射撃/機先/電脳  5/10/6/7
回避/精密/側転/発動  6/-/-/-
   緊急回避ダイス  4
     即応ダイス  4

 ※非ニンジャであるため、シキベの行う『回避判定』は難易度が+1される。

◇装備や特記事項
 LAN直結型ハンドガン、キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ
 ▶生体LAN端子Lv1、▶▶サイバネアイLv2、▶クロームハートLv1
 『〇ニューロチップ再生者(ウキヨ)』『◉重サイバネ化』『◉ドロイド耐久力』
 『◉シャープシューター』『◉ウィークポイント射撃』『◉不屈の精神』
 『◉交渉:共感』『◉交渉:鼓舞』

 『◉ドロイド耐久力』:シナリオ中1回限り。【体力】が-1以下になった時に自動で発動。
 【体力】マイナス値への減少を最大で3まで軽減する。

『〇ウキヨ』データ参照元/【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-040「特殊生い立ち:ウキヨ」
:https://diehardtales.com/n/n4edef495e1dc

ガンドー:「さて、依頼の話を始めるとするか。よろしく頼むぜ」

シキベ:「アー、私からもよろしくお願いするっス」トレンチコートを着たシキベがあなた達に会釈する。ナンシーから事前に聞いていた通り脳チップ再生者である彼女の身体はオイランドロイドのものであったが、その外見は生身の人間とそう変わらない。事前に聞いていなければ外見だけで機械の身体であることを見抜くのは困難だっただろう。

ガンドー:「まずはあんたらの協力が必要になった経緯からだな」

ガンドー:「最初に断っておくと、事前に依頼主へ協力者に話していいかの確認は取ってあるから安心してくれ」

ガンドー:「今回の依頼主はオーエルでな。名前はマツモト。ホンガンジっつうシトネ出版社で小説家をやってる兄ちゃんと同棲をしてる。依頼内容はそのホンガンジの周辺調査だ」

:シトネ出版社は人気アニメ『サムライ探偵サイゴ』の原作小説等を刊行しているネオサイタマの出版社である。各PCがシトネ出版社についての知識を持っているかはPLに委ねられる。曖昧な場合は『知識判定:U-HARD』で決めてもよい。能力値から得られるダイスの最大値は6である。この判定の結果によるデータへの影響はないがロールプレイを行う上では1つの指針になるだろう。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『現代的アート』『伝統的アート』『IRCネットワーク』
次に適した知識スキル(+1):『高級嗜好品』『ストリートの流儀』『カチグミエリア』

※NMの情報:PCがサムライ探偵サイゴの話題を出した場合の対応はケースバイケースだ。シキベがサイゴの原作者であるという噂が広がりすぎるのは問題だが『死亡したはずのサイゴの原作者はドロイド義体で蘇り探偵助手として活動をしていた』という話はネオサイタマ基準でも与太話の類であるため噂が拡散するリスクは大したものではないだろう。2人も平時にこの件について話すことに抵抗はない。しかし依頼の話をしている最中に話が逸れることはあまり望ましくないため基本この場では意味深に笑う程度に済ませる可能性が高いだろう。その上でPCが強く詮索するようであればPC側のキャラも考慮しつつNM判断で対応すればよい。

ガンドー:「周辺調査っつっても、これは何もホンガンジが浮気してるかもしれねえとか、そういう話じゃねえ。2人の仲は良好だ。じゃあなんで調査をっつう話なんだが」

ガンドー:「ある日、ホンガンジが怪我をしてマンションに帰ってきたらしいんだよ。それで事情を聞いたら『ストリートギャングが抗争をしていてその流れ弾に当たった』らしいんだな」

ガンドー:「だがホンガンジに詳細を聞いてもどうも要領を得ねえし、本人の様子もどこか違和感があった。マツモト=サンに部屋に入らないように頼んだ上で部屋にカンヅメになることも増えた」

ガンドー:「それでマツモト=サンはホンガンジがヤクザか何かに脅されているんじゃねえかと思って俺達に調査を頼んできたわけだな」

ガンドー:「付け加えておくと、その日に近場でストリートギャングが大勢死んでたのは事実だ。それで俺達も現場を調べにいったんだが……そこにあったのが、これだ」

:そう言うとガンドーは小さな箱を取り出し机の上に置く。その中に入っていたのは……血濡れのスリケン。

ガンドー:「見ての通り、スリケンだ。こっちでも調べたが、モノ自体はストリートで売ってるような大量生産品だな」

※NMの情報:忍殺世界における『大量生産品のスリケン』の流通状態については以下記事を参照。

ガンドー:「さて、あんたらはここまで聞いてこの件についてどう思う?」

ガンドー:「ホンガンジはその日何をしていた?ニンジャとギャングの諍いに巻き込まれNRSで記憶が曖昧になったか?自分をニンジャと思い込んだ狂人の突発的犯行に巻き込まれたか?それとも……本人がニンジャでギャングと争ったか?」

ガンドー:「もしニンジャであれば何故怪我をしていた?謎だらけだよな。正直、俺はホンガンジ本人やその部屋を調べてみるべきだと感じた。それでナンシー=サンに協力を頼んだってわけだ」

※NMの情報:ここでPC達はガンドー、シキベと調査を行う上でのプランについて相談することができる。その際、基本的にガンドーはPC達に以下のような選択肢を提示した上で、何か案があれば言ってほしいとも伝える。相談がまとまった場合、基本的にはそのままマツモトとホンガンジが住むマンションへ向かうことになる。

選択肢1:ガンドーとシキベがマツモトとこれまでの調査結果などについて話している間に忍び込む。判定不要。

選択肢2:直接マツモトと交渉する。代表者1人が『交渉判定:U-HARD』を行う。能力値から得られるダイスの最大値は6である。このルートは調査中、マツモトにモータルPCと同様の『NRS判定』が生じるリスクが大きい。シチュエーション上、この『NRS判定』は仲間ニンジャの同行によって無効化されない。

失敗:交渉失敗。改めて忍び込む選択肢に切り替えることも可能だがマツモトに警戒されホンガンジの部屋で行う『調査判定』のダイスが2個減少。

成功:同行を条件にPC達がホンガンジの部屋に入ることを許可してくれる。ホンガンジの部屋で行う『調査判定』のダイスが2個増加する。

※同行しないでほしい場合は事前に判定の難易度を+1しておくこと。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『鼓舞』『超然』『駆け引き』
次に適した交渉スキル(+1):『威圧』『誘惑』『欺き』『理路整然』
最も適した知識スキル(+2):『ストリートの流儀』『公僕の流儀』『ファッション』
次に適した知識スキル(+1):『サラリマンの流儀』『高級嗜好品』『セキュリティ』

※NMの情報:マツモトに対するNRSルールの適用方針。
・PCがニンジャだと知った→中度ショック(NORMAL)
・ホンガンジがニンジャだと知った→重度ショック(HARD)
※『7:心臓発作や狂死』を引いた場合はガンドーの持つZBRで蘇生可能。

※NMの情報:マツモトがNRSを起こす条件が整った際、それがNMから見て『誤魔化すことが十分可能な状況』であった場合は以下のルールで誤魔化しを試みさせてもよい。

:この場ではPCのうち代表者1人が『交渉判定:U-HARD』での誤魔化しを試みることができる。能力値から得られるダイスの最大値は6である。この判定に成功した場合マツモトのNRS判定はキャンセルされる。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『欺き』『理路整然』『鼓舞』
次に適した交渉スキル(+1):『共感』『超然』
最も適した知識スキル(+2):『ストリートの流儀』『ファッション』『伝統的アート』
次に適した知識スキル(+1):『公僕の流儀』『犯罪』『オカルト』『IRCネットワーク』

4.マンションの調査

:マツモトとホンガンジの家はとあるマンションの32階に存在する。

:特に異論がなければPC達はこのマンションの駐車場にでガンドー、シキベと共に車から降りたところからロールプレイを再開することになる。

:現在の時刻は夜である。ホンガンジはこの時間、部屋に籠って新作の執筆を行っているらしいが、このマンションに現在あなた達以外のニンジャの気配はない。ただしニンジャソウルの痕跡は確かに感じられる。

※NMの情報:ニンジャソウルの気配などについての話をする場合は階段を上りながら行うことを提案してもよいだろう。

マツモト

◆マツモト(種別:モータル)初期装備:素手 アイコン:マ
カラテ     1  体力    1
ニューロン   2  精神力   2
ワザマエ    2  脚力    1
ジツ      0  万札   12

近接/射撃/機先/電脳  1/-/2/2

◇装備や特記事項
 『◉交渉:共感』『◉トラップ処理技術』
 『カルマ:善』『NRSルール適用』

 『NRSルール適用』:マツモトにはモータルPCと同様の『NRS判定』が発生する
  可能性がある。

 ※マツモトが死亡した場合はシナリオ評価が1段階低下する。

:若いオーエルが扉を開け姿を現わす。

マツモト:「ドーモ、マツモトです」

※NMの情報:PC達が来ることが分かっている場合、PC側から提案がなければマツモトはホンガンジにPC達の存在を不信がられぬよう、PC達の目的などは伏せた上でホンガンジに『来客が来る』こととその時間帯を伝える。ホンガンジは元よりPC達の来る時間帯は外部でニンジャとしてモータルハントを行うつもりであったためこのことを特に異論なく受け入れる。

ホンガンジの部屋

:部屋の中からはニンジャソウルの痕跡が濃く感じられる。

:作業部屋のフスマには鍵がかかっているが、この程度のセキュリティであればあなたたちには文字通りただのショウジ戸でしかないだろう。

:フスマの隙間からはゴシック調の音楽と共に冷たい風が吹き込んでいた。

※NMの情報:マツモトが同行している場合は窓の下を見下ろしホンガンジが身投げしたのではないかと心配する。マツモトが精神的に追い詰められている場合、ガンドーやシキベは基本的に彼女を励ましたり、これ以上のショックをなるべく受けないよう配慮した行動を取ろうとする。

:PC達はこの場で手分けして『調査判定』を行うことができる。調査できる箇所は1人1ヵ所である。基本的に処理は以下の表の上から順に行う。

:調査可能な個所
本棚:彼の書いた本が何冊か収められている。
タンス:電子制御式の錠がかかっている。
UNIX:パスワードの入力が求められる。

本棚

:本棚にはホンガンジ本人が書いた本の他、ゴシック小説や詩集、創作に使われたと思しき資料集などがぎっしりと詰められている。ここを調べるPCは【ニューロン】か【ワザマエ】で『調査判定:HARD』を行う。能力値から得られるダイスの最大値は6である。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『ストリートの流儀』『現代的アート』『伝統的アート』
次に適した知識スキル(+1):『高級嗜好品』『オカルト』『貴族の流儀』『犯罪』

成功:彼の価値観について見識を深めることができる。全PCのホンガンジに対する『交渉判定』ダイスが1個増加する。

【6】:『交渉判定』ダイスが1個ではなく2個増加する。

【6,6】:『交渉判定』ダイスが1個ではなく3個増加する。

成功時の描写:本棚に収められた本からはホンガンジが犯罪者の心理や被害者の心境などについて、可能な限りリアルな資料を集めようとしていた痕跡が見受けられる。ただしホンガンジの書いた本を読む限り、彼が自身の求めるリアルさを作品に与えることができていたかは怪しい。

クローゼット

:【ニューロン】または【ワザマエ】で『調査判定:HARD』を行う。能力値から得られるダイスの最大値は6である。【ニューロン】で判定する場合は『ハッキング判定』としても扱われる。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『公僕の流儀』『ハッカーの流儀』『電子ウイルス』『犯罪』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『テックガジェット』『古代ニンジャ文明』

成功:クローゼットの中にスリケン、伝統的ニンジャ装束、鎖鎌(ムチ読み替え)が収められているのを発見する。これらの扱いはPC達に一任される。

【6】:装備の詳細を把握したことによりPC全員が『緊急回避ダイス』を1個獲得。

【6,6】:『緊急回避ダイス』を1個ではなく2個獲得。

UNIX

:【ニューロン】で『調査判定:HARD』を行う。能力値から得られるダイスの最大値は6である。これは『ハッキング判定』としても扱われる。

失敗:セキュリティの突破に時間がかかってしまう。これは後の展開に取り返しのつかない影響を及ぼす。

成功:スムーズにセキュリティを突破できる。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『ハッカーの流儀』『電子ウイルス』『ストリートの流儀』『犯罪』
次に適した知識スキル(+1):『公僕の流儀』『テックガジェット』

セキュリティ突破:パスワードは『ネズミトリ』である。

※NMの情報:以下の日記について書かれた文章はまとめて開示せず一節ずつロールプレイの時間を設けると盛り上げやすいだろう。

:日記で彼は『ミューズが降りてきて自身をニンジャにした』日のことについて語っていた。最初のうち彼は純粋にニンジャへの変化という大きな経験から得たインスピレーションを元に小説を書こうとしていたようだが、日記の内容は彼がそれだけでは満足せず、次第にニンジャの力で暴力を振るう衝動を抑えられなくなっていったことを示していた。

:『○月△日。絡んできたヤクザを殺した。ごく自然に、息を吐くように殺せた。殺した瞬間、今までとは比較にならないほどのインスピレーションが涌くのを感じた。帰宅後にまとめたアイデアのいくつかは自分で書いたことが信じられないほど良いものだった。これなら行けるかもしれない』

:『○月×日。さらなるインスピレーションを得るためストリートギャングを狩りに行った。それ自体から得るものも大きかったが、より重要なのは騒ぎを受けて駆け付け俺を撃ったマッポ達だ。あのマッポ達はニンジャを恐れていないようだった。もし反撃していたらやられていたかもしれない。彼らは何者なのだろうか?想像が膨らむ。傷を負ってしまったが得るものも大きい1日だった。(追記:忙しい中で手当てをしてくれたマツモトには感謝してもしきれない。原稿料が入ったら欲しいものでも聞いてみよう)』

:『△月×日。プロットはほぼ完成したが何かが足りない。決定的な部分が欠けている気がする。この違和感をそのままにするわけにはいかない』

:『△月△日(昨日の日付)。欠けているものが分かった。それは罪なきものを手にかける殺人鬼を描写する上でのリアルさだ。これはヤクザやギャングを殺しただけでは掴むことができない。明日やるべきことは決まった』

:彼のニンジャソウル痕跡は開いた窓の外へと続いていた。

※NMの情報:この場面でのPC達は基本的にニンジャソウル痕跡を辿りホンガンジを追うことになる。一刻を争う状況になるため非ニンジャであるガンドーとシキベが同行するのは難しいだろう。その際にガンドーとシキベが取る行動の選択肢としてはマツモトへの助力を行う、戦闘に間に合わないことを承知でPC達に後から追い付こうとする、などが挙げられる。

5.ブラッククレイン

:では、ソウル痕跡を辿っていくと、あなたたちは薄暗い路地裏にたどり着きます。

サラリマン:「ア、アイエエエ!」

ブラッククレイン:「さあ、答えてくれ。どんな気分だ?目の前には自分を殺そうとしているニンジャがいて、誰も助けてくれない。お前に大事な人はいるか?いるならそいつを残して死ぬことになるな」

ブラッククレイン:「さあ!答えてくれ!さあ!さあ!」

◆ブラッククレイン(種別:ニンジャ)初期装備:二本の鎖鎌 アイコン:鶴
カラテ     6  体力    9
ニューロン   8  精神力   9
ワザマエ    7  脚力    4/N
ジツ      0  万札   12

近接/射撃/機先/電脳  9/10/8/8
回避/精密/側転/発動  9/10/6/-
   緊急回避ダイス  4
     即応ダイス  4

◇装備や特記事項
  二本の鎖鎌(ムチとみなす)、パーソナルメンポ、伝統的ニンジャ装束
 『◉◉タツジン:ムチ・ドー』『◉ニンジャソウルの闇×3』
 『◉暗殺者の眼』『◉ツジギリ』

行動指針:1手番目では逃げようとしない。2手番目以降は逃げることを優先して行動する。

◆民間人(種別:モータル)初期装備:素手 アイコン:民
カラテ     1  体力    1
ニューロン   2  精神力   2
ワザマエ    2  脚力    1
ジツ      0  万札    6

近接/射撃/機先/電脳  1/-/2/2

◇装備や特記事項
 『カルマ:善』

※NMの情報:PCがUNIXへのハッキングに失敗した場合この民間人の救出は間に合わず死亡した『民間人』の前に立っているブラッククレインと遭遇することになる。

:ブラッククレインに襲われている民間人を庇う場合はPC1人が民間人を『運搬』した状態でスタート。そのPCの初期配置マスは自動的に民間人のいたマスになる。

:この戦闘には勝利条件が2つある。

撃破勝利:ブラッククレインを攻撃し撃破しての勝利。ブラッククレインは基本的に『ニンジャ耐久力の発露』を行わず爆発四散する。【体力】0で『気絶状態』とすることは可能だがそれ以降彼は交渉に応じなくなる。


説得勝利:ブラッククレインに対し『説得判定』を行い彼の『◉ニンジャソウルの闇』を全て取り除いて戦意を失わせることによる勝利。

説得判定:手番「攻撃フェイズ」に1行動を消費して同じ部屋のブラッククレインを対象に『交渉判定:U-HARD』で行う。能力値から得られるダイスの最大値は6である。この判定の難易度は『集中状態』や『運搬』の影響を受けない。この判定に成功した場合ブラッククレインは『◉ニンジャソウルの闇』を1つ失う。これは【体力】にも直ちに反映される。

説得判定時出目【6,6,6】:ブラッククレインは強いショックを受け次の交渉者の手番開始時まで『拘束状態』となる(脱出:HARD)。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『鼓舞』『超然』『駆け引き』
次に適した交渉スキル(+1):『理路整然』『威圧』『欺き』『誘惑』
最も適した知識スキル(+2):『現代的アート』『伝統的アート』『ストリートの流儀』
次に適した知識スキル(+1):『ファッション』『宗教』『古代ニンジャ文明』『ソウカイヤ』

戦闘描写案

ブラッククレイン/近接攻撃:「イヤッ、イヤーッ!」二本の鎖鎌が交互に迫る!

ブラッククレイン/戦意喪失:ブラッククレインは膝を付き、項垂れた。鎖鎌が地面にだらりと垂れる。

6.結末と報酬

 以上の処理と〆のロールを終えた時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。

A:ホンガンジによる善モータルの殺害を防ぎ彼の闇を全て消した:【万札】プール+72
  全員の【名声】が+2される。

B:ホンガンジによる善モータルの殺害を防いだがホンガンジの闇を全て消すことはできなかったor
   ホンガンジの闇を全て消したが善モータルの殺害は防げなかった:【万札】プール+48
  全員の【名声】が+1される。

C:A評価の条件もB評価の条件も満たせなかった:【万札】プール+24
  【名声】は変動なし。

D:評価Cの条件を満たした上でマツモトが死亡した:報酬無し
  全員の【名声】が-1される。

余暇日数:4日

追加のユウジョウ判定対象:タカギ・ガンドー、シキベ・タカコ
             ブラッククレイン(評価Aを出した場合)

親密度データ:ブラッククレイン

親密度データ:ブラッククレイン

最重視するパラメータ:所持する知識系スキルの合計個数。
          (ゼロの場合、難易度を+1してダイス1個で判定)

親密度1:「あんたか。あの時は世話になったな。こっちはおかげさまで、苦しいなりになんとか
       うまくやれてるよ」
  報酬:『◉交渉:鼓舞』/『◉知識:伝統的アート』

親密度2:「ドーモ。あんたに俺の新刊を読んで欲しくてな。直接持ってきた。
      ここに置いていくから、気が向いたら感想を聞かせてくれ」
  報酬:『◉憎悪:ニンジャソウルの闇』/『◉知識:ストリートの流儀』

親密度3:「聞いてくれ!俺の書いた小説がドラマ化するんだ!
      俺の名前がもっと売れる!マツモトに楽をさせてやれる……!」
  報酬:『◉交渉:超然』/『◉知識:現代的アート』

爆発四散:「初雪な/鶴が飛び去り/残る足跡」
  報酬:『**ノート・オブ・ブラッククレイン**』

【万札:UR】:『**ノート・オブ・ブラッククレイン**』
ブラッククレインの持ち歩いていたノート。中には様々なネタがびっしりと書き込まれている。

 以下の効果を持つ『レリック』とみなす。
 ・『知識判定』ダイス+1
 ・【精神力】+1

セッション用Googleスプレッドシート

おまけ.原作エピソードへのリンク

利用規約

 この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ

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