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ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『ヤマ山地の雷神』

1.始めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のプラグイン環境に対応したシナリオである。超えた『成長の壁』の数が2~3個程度のPC4人での挑戦を想定している。想定される所要時間は2時間半~3時間半程度。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

※NMの情報:この部屋にはニンジャスレイヤーが潜んでいる。
のように『※NMの情報』から始まる文が枠に覆われている場合その枠内の情報はPLに開示することが想定されていない情報であることを意味する。

 これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。

2.募集用テンプレート

第2版セッション:ヤマ山地の雷神
シナリオの方向性:『PC次第』
日時:
想定時間:2時間半~3時間半程度。
募集人数:4人
募集条件:超えた『成長の壁』の数が2~3個のPC。ソウカイニンジャでもストリートニンジャでも参加可能だが共通の敵を持つ別陣営のPCとの共闘が無理なく行えるPCが望ましい。ボスが射撃に対しての『ダメージ軽減1』を利用できることに留意。
危険度:★★★(分の悪いイクサを楽しみたい人向け)
開催場所:
その他:マップとキャラシートにGoogleスプレッドシートの使用を想定。
参加表明:

概要:ネオサイタマ南東部、ヤマ山地のイワギリ村に奇妙な噂が広まっていた。それは『洞窟にオニが住み着いている』という一見荒唐無稽なものだ。しかしこの噂にニンジャが関連していると睨んだソウカイヤが斥候ニンジャを送り込んだところその通信は突如途絶。『オニ』はソウカイヤ内部でも現実の脅威として語られるようになった。PC達はこれを受け改めてソウカイヤから派遣されたニンジャ、またはソウカイヤへのハッキングによって情報を掴んだナンシー・リーの依頼を受けたニンジャとしてイワギリ村へと足を運ぶことになる。

3.シナリオの背景

※NMの情報

・今回の舞台となるヤマ山地のイワギリ村は近辺に特殊なパワースポットを有している。そこでは稀にネザーオヒガンへと繋がるポータルが出現することがある。加えてこのパワースポットの周辺はポータルの有無を問わず通信電波が乱れやすい環境となっている。

・上記のポータルが1ヵ月ほど前に開きネザーオヒガンからニンジャ『ヘヴンリイ』が出現している。ポータルが開いたのは現在ヘヴンリイが暮らしている洞窟の奥。

・ヘヴンリイはまだ原作小説での上司であるタイクーンとは出会っていない。ネザーキョウもまだ建国していないためモータルだったころに暮らしていた町もホンノウジ・シティとは別の町となる。

・ヘヴンリイはスカウトの提案を持ちかけてきたソウカイニンジャや不幸にも彼女の怒りを買った狩人などには既に被害を出している。幸い彼女は生活には困っておらず、彼女の視点から見て「惰弱で取るに足らない」人間に関わる意味も見出していないため、人里への直接的な被害はまだ出ていない。

・ヘヴンリイはネザーオヒガンと比べてイクサと呼べるものに乏しく環境も穏やかなヤマ山地での生活に辟易しはじめているため、PC達のような十分な実力を持ったニンジャとのイクサや、より多くのイクサに関われるような環境の提供には興味を示す可能性が高い。

4.導入

:ネオサイタマ南東部、ヤマ山地のイワギリ村に奇妙な噂が広まっていた。それは『洞窟にオニが住み着いている』という一見荒唐無稽なものだ。しかしこの噂にニンジャが関連していると睨んだソウカイヤが斥候ニンジャを送り込んだところその通信は突如途絶。『オニ』はソウカイヤ内部でも現実の脅威として語られるようになった。PC達はこれを受け改めてソウカイヤから派遣されたニンジャ、またはソウカイヤへのハッキングによって情報を掴んだナンシー・リーの依頼を受けたニンジャとしてイワギリ村へと足を運ぶことになる。

:尚、現在のところは問題なく外部との通信が行えているが、ヤマ山地は不意に通信電波が乱れることのある土地でもあるのでこれからも継続して通信が行えるとは限らない。この情報は事前に得た知識として持っていてもいいだろう。

複数陣営の混成チームである場合:イワギリ村に到着したあなたたちは周囲に自分たち以外のニンジャの気配を感じた。どうやらオニではなくあなたたちと同様の目的でこの村へとやってきたニンジャのようだ。

※NMの情報:上でPC達が感じた『自分たち以外のニンジャの気配』は他陣営のPC達のものである。NMはこの場でPC達が合流とアイサツを行うよう促すこと。立場上ソウカイヤと共闘しづらいストリートニンジャPCがいる場合、ナンシーのハッキングによりソウカイネットで確認できるデータを一時的に書き換えるなどの支援を行ってもよい。時には変装用の装束や偽名の設定も必要だろう。尚、ナンシーはソウカイヤへのハッキングでオニの情報を掴んだためソウカイヤが来るであろうことは事前に把握している。ナンシーからの通信は基本的にストリートニンジャPCしか受け取れない。

ナンシー:『やはりソウカイニンジャも来ていたわね。落ち着いて、焦らず行きましょう』

5.調査

村での聞き込みを行う場合は代表者1人が『調査判定:HARD』を行う。

成功:情報A開示。PC全員が『緊急回避ダイス』を2個得る。

【6,6】:情報B開示。得られる『緊急回避ダイス』が3個になる。

【6,6,6】:情報C開示。得られる『緊急回避ダイス』が4個になる。
有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『古代ニンジャ文明』『山岳エリア』『オカルト』『宗教』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『公僕の流儀』『ファッション』
情報A:近辺に異界との繋がりについて語り継がれるパワースポットがありその周辺では電波障害により通信が困難となることが分かる。

情報B:雷を伴い空を飛ぶオニの目撃情報が得られる。

情報C:
この場で噂となっている『オニが6フィート以上の体躯を持つ女性であることが分かる。

村の弁当屋

:村を離れ山奥へ向かおうとすると弁当屋の女性がPC達に話しかけてくる。

◆弁当屋の女性(種別:モータル)初期装備:素手 アイコン:弁
カラテ     1  体力    1
ニューロン   3  精神力   3
ワザマエ    2  脚力    1
ジツ      0  万札    6

近接/射撃/機先/電脳  1/2/3/3

◇装備や特記事項
  ショットガン
 『◉kill-9』『◉交渉:鼓舞』『◉知識:山岳エリア』
 『◉知識:高級嗜好品』『◉知識:電子ウイルス』『カルマ:善』

弁当屋:「あの……見たところ、他所から来た人達のようですがもしかしてオニを探しに来たんですか?」

弁当屋:「オニをどうにかするために来てくれたのであれば、私としても助力したいです。私達も、オニには困らされていますので」

:ここで各PCは彼女から『オーガニック・スシ』を1つずつ受け取れる。既に所持しているPCは『オーガニック・スシ』の代わりに激励による『即応ダイス』2個を得られる。

弁当屋:「では、よろしくお願いしますね。まだオニがここまで降りてきたことはないのですが……」

弁当屋:「山奥に足を踏み入れた狩人の方などが犠牲になっているので、皆さん怖がっているようで……」

6.ヘヴンリイ

:ここでPC達は周囲が針葉樹林に覆われた山道を歩んでいくことになる。

ナンシー:『通信ができなくなってからじゃ遅いから今のうちに言っておくわ。どうか無事に戻ってきてね』

※NMの情報:ここでNMはロールプレイの時間を設ける。十分なロールプレイが行われたと判断したら話を進めること。

:しばらく山道を進んでいくと、事前情報通り電波が繋がらなくなる。

:続いてあなた達は、近くから何かが焦げたような匂いとただならぬニンジャ存在感を感じることができるだろう。

:その匂いがする方に向かった場合、針葉樹林の奥で洞窟を見つける。

:その洞窟の前では表面の焦げたバイオグリズリーの死骸を背にアグラ姿勢を取る筋骨隆々の女性が、死骸から取り出したと思しき生焼けの骨付き肉を頬張っていた。その白髪の生えた頭部には捻れた二本の角。外見年齢は二十代中盤といったところか

ヘヴンリイ:「ああ?」

ヘヴンリイ:「なんだ?テメエら。この前返り討ちにしてやった惰弱なニンジャの仲間か?」そう言うと女性はゆっくりと立ち上がる。周囲の大気がバチバチと放電を始めた。

ヘヴンリイ:「ドーモ、ヘヴンリイです」

ヘヴンリイ:「見た感じ、この前の奴よりはやれそうだな。ちょうど退屈してたところだ。楽しませてもらうぜ」

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◆ヘヴンリイ(種別:ニンジャ)初期装備:オニの剛力(ツルギ)アイコン:ヘ
カラテ    15  体力   24
ニューロン   8  精神力  15
ワザマエ   10  脚力    8/N
ジツ      7  万札    0

近接/射撃/機先/電脳  15/10/8/4
回避/精密/側転/発動  15/10/9/15
   緊急回避ダイス  6
     即応ダイス  6

◇装備や特記事項
  オニの剛力(ツルギとみなす)
 『●連続攻撃3』『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』『●浮世離れ』
 『◉◉タツジン:ツルギ』『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉◉アーチ級ソウルの力』
 『◉空中制動』『◉ニンジャアドレナリン強化』『◉頑強なる肉体』『◉即死耐性』
 『☆カラテミサイル』『★チュー・ノリ』『★ライデンの系譜』『★ラピッド・カラテミサイル』
 『★★カラテミサイル溜め撃ち』『★★★カラテ粒子フィールド』
※NMの情報:◉◉タツジン:ツルギ『★チュー・ノリ』は記事執筆時点でテスト中のデータであり、正式に実装されるまでは『ニンジャスレイヤーTRPG:プラグイン環境ルールプレビュー(2021年12月-2022年1月号)』の最新データを用いる。

戦闘描写案

ヘヴンリイ/ラピッド・カラテミサイル:「オラッ!」ヘヴンリイが拳を大気にぶつけ帯電ソニックカラテ衝撃波を打ち出す!

ヘヴンリイ/チュー・ノリ:「イヤーッ!」ヘヴンリイは跳躍!そのまま大気を蹴り、空を駆ける!

ヘヴンリイ/近接攻撃「イヤッ、イヤーッ!」ヘヴンリイの帯電ソニックカラテがワン・インチ距離から迫る!

ヘヴンリイ/2回目のアドレナリン・ブースト:「イヤーッ!」ヘヴンリイは自らの角を掴み、自ら砕く!砕けた角から稲妻が溢れ彼女の肉体が加速する!

ヘヴンリイ/カラテミサイル溜め撃ち:「イイイヤァーーーーッ!」帯電ソニックカラテによる嵐のごとき猛攻!猛攻!猛攻!

7.処遇の決定

:ヘヴンリイを『気絶状態』にしたPC達は彼女の処遇を決められる。何らかの理由により『死亡状態』となっていた場合はそのままシナリオ評価Aとなる。

カイシャクする:ヘヴンリイは爆発四散する。シナリオ評価A。

捕らえる:ヘヴンリイはPC達に捕らえられる。シナリオ評価A。

交渉する:ヘヴンリイは自身を打ち負かしたものには一定の敬意を払う。交渉次第では『人々を怖がらせないでほしい』などの要求を受け入れさせることができるかもしれない。この場合は代表者1人が『交渉判定:U-HARD』を行うこと。素の【ワザマエ】から得られるダイスの上限値は6である。失敗した場合、それ以降この選択肢は選べない。成功した場合はシナリオ評価A。加えて全員の『ユウジョウ判定』対象にヘヴンリイが加わる。

有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『超然』『威圧』『駆け引き』『共感』
次に適した交渉スキル(+1):『欺き』『理路整然』『誘惑』『卑屈』『鼓舞』
最も適した知識スキル(+2):『古代ニンジャ文明』『山岳エリア』
次に適した知識スキル(+1):『ヤクザの流儀』『ファッション』

見逃す:ヘヴンリイを放置しその場を去る。シナリオ評価B。

8.結末と報酬

 上記の処理と〆のロールプレイを終えた時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。

A:ヘヴンリイを撃破しシナリオ評価Aの条件を満たした:【万札】プール+144
  全員の【名声】が+2される。

B:ヘヴンリイを撃破しシナリオ評価Bの条件を満たした:【万札】プール+96
  全員の【名声】が+1される。

C:ヘヴンリイの【体力】を半分以下にして撤退した:【万札】プール+48
  【名声】は変動なし。

D:ヘヴンリイの【体力】を半分以下にできず撤退した:報酬無し
  全員の【名声】が-1される。

余暇日数:4日

親密度データ.ヘヴンリイ

親密度データ:ヘヴンリイ

最重視するパラメータ:【カラテ】
※サイバネ埋め込み点数と同数だけダイス減少。この修正を加えた後のダイスが0以下になる場合は
 難易度を+1しダイス1個で判定。

親密度1:「アァ?何の用だ、カラテか?」
  報酬:『◉交渉:威圧』/『☆◉ライデンの系譜』

親密度2:「もっと肉に火を通せ……?ハッ!大きなお世話だ!」
  報酬:『◉知識:危険生物』/『◉頑強なる肉体』

親密度3:「お前か、ちょうどいい。1人で退屈していたところだ。
      とっとと掴まれ、山までヒトットビだ」
  報酬:『◉知識:山岳エリア』/『◉空中制動』

親密度4:「昔の話だぁ?まあ、お前になら話してやらんこともねえが……」
  報酬:『◉知識:ネザーオヒガン』/『◉ニンジャアドレナリン強化』

爆発四散:「ゲホッ……死んだら終わりだってのに、オレは何を……?全く、惰弱、だぜ……!」
  報酬:『**ホーン・オブ・ヘヴンリイ**』

【万札:UR】:『**ホーン・オブ・ヘヴンリイ**』
 ヘヴンリイの折れた角。今でも僅かに帯電している。

 以下の効果を両方持つ『レリック』とみなす。

 効果1:【精神力】+1を得る。

 効果2:『素手』または『ツルギ』での『近接攻撃判定』に出目【6,6】が含まれていた場合に
 発動を宣言できる。その『近接攻撃』には『電磁属性ダメージボーナス2』が適用される。
 エンハンス扱い。使用者はこの効果を発動したフェイズの終了時に回避不能の
 『電磁属性ダメージ1』を受ける。シナリオ中1回限り。

セッション用Googleスプレッドシート

おまけ.ニンジャ名鑑などの資料

利用規約

 この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ

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