ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『スペルバウンドの災難な日』
1.始めに
このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のプラグイン環境に対応したシナリオである。『成長の壁』突破数1~2程度のPC3人での挑戦を想定している。想定される所要時間は3~4時間程度。『スペルバウンド』については以下の公式記事を参照。
NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。
「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。
<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。
※NMの情報:この部屋にはニンジャスレイヤーが潜んでいる。
のように『※NMの情報』から始まる文が枠に覆われている場合その枠内の情報はPLに開示することが想定されていない情報であることを意味する。
これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。
2.募集用テンプレート
第2版セッション:『スペルバウンドの災難な日』
シナリオの方向性:『PC次第』
日時:
想定時間:3~4時間程度。
募集人数:3人
募集条件:『成長の壁』を超えた能力値の数が1個から2個のソウカイヤに協力的なPC。新規PCで挑戦する場合は公式の16スクラッチを使用可。『☆巨体化の秘儀』など回避ダイスの低さを補える能力を持たない限り回避ダイスは7個以上を推奨。
危険度:★★★(分の悪いイクサを楽しみたい人向け)
開催場所:
その他:マップとキャラシートにGoogleスプレッドシートの使用を想定。
参加表明:
備考:『カルマロンダリング可能』
概要:ザイバツ・シャドーギルドのニンジャ達が「何か」を追ってネオサイタマ入りし、ネオカブキチョ周辺でソウカイヤの許可なく捜索活動を行っている。そのような情報を得たソウカイヤ上層部はPCたちにザイバツニンジャたちの始末を命じた。とはいえ大きな街でニンジャを探すというのは実際、骨が折れる仕事であり、捜査は難航する。先の見えない任務の中、長期戦に備え無人スシ・バーに立ち寄るPC達。しかし、そこでPC達を待っていたのは、思いもよらぬ数奇な存在との出会いであった。
3.導入
:あなたたちはソウカイ・シックスゲイツの1人、ソニックブームの呼び出しによってソウカイヤが所有するビルのブリーフィングルームへと集められていた。見知った顔がいるかもしれないし、お互いに知らない顔ばかりかもしれない。何はともあれ、これから同じミッションを与えられるもの同士、まずはアイサツを済ませておくべきだろう。
ソニックブーム:「おうテメエら、集まってるな?ドーモ、ソニックブームです」
ソニックブーム:「今回のテメエらの仕事は、ソウカイヤに許可もなくネオサイタマでウロチョロしてやがるザイバツニンジャ共を可能な限り始末してくることだ」
ソニックブーム:「詳しい目的はまだ分かってねえが、ダイダロス=サンの拾って来た情報を見る限りでは何かを追ってきた可能性が高い。おおかたヌケニンか、上の面子を潰した野良ニンジャだろう」
ソニックブーム:「連中の痕跡は今んところネオカブキチョ周辺に集中してる。そのあたりを探りゃあそのうち尻尾も掴めるはずだ」
ソニックブーム:「あとはそうだな。今回テメエらにやってもらう仕事はあくまでザイバツニンジャどもの始末だ。連中が追ってるやつについての対処はできたらでいい。泳がせておけば、それはそれでザイバツの連中のリソースを削れるからな」
ソニックブーム:「それと......だ。今回の案件は、連中にとっても相当にデカい話らしくてな。お前らじゃ荷が勝つような幹部級のニンジャが動いている可能性もある。もしその手の奴と遭遇したら生き残ることを優先して動いても構わねえ。もちろんテメエらがキンボシを取って来たってんならボーナスは出すが、手ぶらで帰ってきてもケジメの心配はねえってことだな」
ソニックブーム:「さて、何か質問はあるか?」
ザイバツニンジャの情報を求めた場合:「今回、それを調べるのはテメエらの仕事だな」
ソニックブーム/質問が終わったのを確認した場合:「よし、なら行ってこい。いい報告を期待してるぜ」
事前調査
:敵ニンジャの調査を行う場合、代表者1人が1度だけ『調査判定:U-HARD』を行うこと。【ニューロン】でも【ワザマエ】でも判定可能。出目【6,6】と出目【6,6,6】でボーナス。
有効な交渉/知識スキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『ザイバツ』『カチグミエリア』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『高級嗜好品』
判定に成功した場合:現地ではアデプト位階のザイバツニンジャ2人が動いていることが分かる。またそう遠くない場所から指揮を取っている指揮官的なニンジャがいることもわかる。ボーナスとして全員『緊急回避ダイス』を1個得る。
【6,6】:現地で動いているのがカトン使いの女ニンジャ『イグナイト』とスリケン投擲に長けたニンジャ『エンブレイス』であることが分かる。得られる『緊急回避ダイス』が1個から2個になる。
【6,6,6】:ザイバツ側の指揮はザイバツ・シテンノの1人が取っていることが分かる。得られる『緊急回避ダイス』が2個から3個になる。
4.無人スシ・バー
:現地での調査を始めてしばらく経ったが、あなたたちは未だに決定的な情報を得られずにいた。時刻は昼を過ぎ、腹がすいてきたものもいるかもしれない。
:ふと周囲を見ると営業中の無人スシ・バーが見えた。ここらで腹ごしらえをしていくのも悪くないだろう。
※NMの情報:仮にPCたちが入店しなかった場合はザイバツニンジャが騒ぎを起こして戦闘になったタイミングでPC達も無人スシ・バーに乱入するという形で『5.ザイバツ出現』に移行すればよい。その場合は基本的にスペルバウンドとも敵対した状態でザイバツニンジャと戦闘になる点に留意。
アンブッシュ
:無人スシ・バーの内部には数人の先客がいた。ただし左右に配置された席はそれぞれの席がヒノキ板の仕切りで区切られているため他の客の顔は見えない。シシオドシの心地よい音色と電子合成された雅楽が店内に響く。
親密度ボーナス:『シルバーキー』に対する『親密度』が1以上のPCがいる場合『親密度』と同数のダイスで『難易度:EASY』の判定を行いこれに成功することでアンブッシュを省略できる。『即応ダイス』は使用不可。
:その時!
:あなた達のニューロンに突如として激しい干渉!
アンブッシュ:PC全員は『精神攻撃』による『体力ダメージD3』『精神力ダメージD3』を受ける(回避:HARD)。『種別:戦闘兵器』や『種別:危険生物』を持つ場合は無効化可能。『●アドレナリン・ブースト』なども使用可能だがこの後の『交渉判定』で戦闘を止めることに失敗した場合、この回避は0ターン目に発生した処理とみなされその戦闘では『●アドレナリン・ブースト』を既に使用したものとして扱う。他の『戦闘中1回限り』のようなルールを持つ効果も同様。回避ダイスは1ターン目の開始時に回復する。
:攻撃者の気配を察知しそちらの席に目を向けたPCは、そこに怯える銀髪美女の姿を見ることができる。その口元はヴェール状のメンポに、豊満な肢体は軍服めいた群青色の装束に覆われていた。
スペルバウンド :「ア、アイエエエ!助けてくれ!」
スペルバウンド :「あ、あれ?あんたら、ザイバツじゃないのか......?」
スペルバウンド :「ド、ドーモ。スペルバウンドです」
◆スペルバウンド (種別:ニンジャ)初期装備:ユニークバイオ武器 アイコン:ス
カラテ 5 体力 5
ニューロン 12 精神力 15
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 6 万札 24
攻撃/射撃/機先/電脳 5/7/12/12
回避/精密/側転/発動 12/7/7/18
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
※アンブッシュの際の【精神力】消費は反映済。
◇装備や特記事項
▲▲△△バッカルコーン触手状の口:ユニークバイオ武器、ダメージ2、『●脳髄すすり』獲得
『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』
『●精神力ダメージ軽減1』『●非力』『◉憎悪:ザイバツ』
『◉魅了』『◉◉グレーター級ソウルの力』『☆◉マインドブラスト拘束』
『☆カナシバリ・ジツLV3』
『★マインドブラスト・ジツ』『★★グレーター・マインドブラスト・ジツ』
『☆ユメミル・ジツLV3』『★★マインド潜行攻撃』
『●非力』:スペルバウンドはニンジャにしては非力なほうであり『サツバツ!』を発生させられない。
『●戦闘スタイル:脳髄すすり』:つねに0ダメージで、『痛打』も『サツバツ!』も発生しない
代わりに、『回避:U-HARD』、『拘束攻撃(脱出:HARD)』となる。スペルバウンドによって
『拘束』されている敵は、スペルバウンドの手番開始フェイズに、回避不能の
D3ダメージ+精神力D3ダメージを自動で受ける。
『☆◉マインドブラスト拘束』:スペルバウンドは、ジツで精神力ダメージを与えた敵が自分と
隣接状態である場合、ジツ使用後直ちにこの敵1体を『拘束攻撃』と同様のルールで
『拘束』してもよい(脱出:HARD)。
『☆ユメミル・ジツLV3』:手番「攻撃フェイズ」に、射撃の代わりにこれを発動できる。
【精神力】1消費。『発動難易度:NORMAL』使用に成功すると、術者から視線が通っている
敵1体に対し精神攻撃を行い、『時間差』の【精神力】ダメージ1を2回与える(回避:HARD)。
【精神力】を持たない敵に対しては全く効果を発揮しない。これにより【精神力】ダメージを
受けたモータルは、次の手番に一切行動できない。
『★★マインド潜行攻撃』:『近接攻撃』で【6,6】の目が出た場合、【精神力】を2消費してこれを
使用できる。使用を宣言した場合、通常の近接攻撃ダメージは発生しない(回避:U-HARD)。
敵が『マインド潜行攻撃』を回避できなかった場合、両者とも【ニューロン】+【ジツ】による
『対抗判定』(難易度:NORMAL)を行い、成功差分を【精神力】ダメージとして与えあう。
これは精神攻撃とみなされる。
◆民間人(種別:モータル)アイコン:民
カラテ 1 体力 1
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 1 脚力 1
ジツ 0 万札 3
近接/射撃/機先/電脳 -/-/2/2
◇装備や特記事項
アイコンに+と書かれた個体は撃破時にZBRアドレナリン注射器をドロップする。
『カルマ:善(撃破時最低DKK+D3)』
※彼らはNRSでまともに行動できる状態ではないため手番は基本得られない。
※NMの情報/スペルバウンドの背景:この場面におけるスペルバウンド=カタオキ・シンイチは【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-047「スペルバウンド」で語られているような背景を経てパープルタコの肉体に入り込み、ザイバツから逃れるようにネオサイタマへやってきたばかりの状態である。彼本来の物理肉体は基本的に失われているものと考えてよい。尚、オモイ・ニンジャとは常時交信を続けているわけではなく、それぞれの都合、状況、気分に応じて適時交信を行っているものとする。
※NMの情報/スペルバウンドのロールについて:このシナリオのスペルバウンドは極限環境とオモイ・ニンジャの干渉により警戒心、猜疑心が高まり近づいてきたニンジャに先制攻撃を仕掛ける程度には攻撃的になっているものの、カタオキ・シンイチとしての善性はまだ失っていない。故に範囲攻撃系のジツに無関係な市民を巻き込んだり、直接攻撃してきたわけでもない相手の肉体を奪ったりは基本的に行わない。
『状況把握』:この場面でPCたちがザイバツ・シテンノの1人『パープルタコ』を知っておりスペルバウンドと結び付けることができるかは『知識判定:U-HARD』で決める。この判定はPC全員が行うことができる。パープルタコと面識がある場合は自動成功としてもよい。
有効な交渉/知識スキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『ザイバツ』『キョート共和国』
次に適した知識スキル(+1):『マイコサービス』『オイランドロイド』
成功:目の前のニンジャは髪色や漂わせるアトモスフィアこそ違うもののザイバツ・シテンノの1人『パープルタコ』によく似ていることが分かる。
:この場面での基本の選択肢は『交渉』か『交戦』かである。他の選択肢を取りたい場合はNMとPLで相談を行うこと。
選択肢『交渉』:代表者1人が『交渉判定:HARD』に成功することで戦闘を中止させられる。失敗した場合は『交戦』の処理に移る。『シルバーキー』との『親密度』を持つ場合は1につき1段階難易度が低下する。出目【6,6】と出目【6,6,6】でボーナス。失敗し『応戦』の処理に移った場合もPC側から攻撃を行わなければ各ターンの終了時に再度『交渉判定:HARD』のチャンスが発生する。
【6,6】:『スペルバウンドの信頼』が得られ全員に『即応ダイス』が2個ずつ配布される。
※NMの情報:【6,6,6】の情報は条件を満たしてもすぐには開示せずオモイ・ニンジャが登場した後に開示するとよい。
【6,6,6】:オモイ・ニンジャが交渉者に興味を持ち語りかけて来る。望むなら交渉者は以下のスキルから1つを選んで得てもよい。前提を満たしていないものを記憶スロットに入れることも可能。【体力】を上昇させるような効果は【体力】の最大値と現在値へ直ちに反映される。
・『◉知識:古代ニンジャ文明』
・『◉ニンジャソウルの闇』
・『◉◉タツジン:ジツ』
有効な交渉/知識スキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『鼓舞』『威圧』『駆け引き』
次に適した交渉スキル(+1):『欺き』『誘惑』『超然』
最も適した知識スキル(+2):『ザイバツ』『キョート共和国』『マイコサービス』
次に適した知識スキル(+1):『ストリートの流儀』『ファッション』『マッサージ』
※NMの情報:『◉◉タツジン:ジツ』は記事執筆時点でβテスト中のスキルであり、正式に実装されるまでは『ニンジャスレイヤーTRPG:プラグイン環境ルールプレビュー(2021年9月号)』の最新データを用いる。
※NMの情報/オモイ・ニンジャのロールについて:オモイ・ニンジャはコトダマ空間のナナメに交差した時間軸の先から干渉を行ってきているため彼女の人格はト・キコのそれをベースとしたAoMを思わせるもので問題ない。タイムパラドックスなどが気になる場合は既にオモイ・ニンジャがト・キコの身体を得ていることにしてもよいだろう。彼女の主要な目的はロード・オブ・ザイバツの手にスペルバウンドの持つ強大なユメミル・ジツの力が渡ってしまいキョジツテンカンホ―の影響がコトダマ空間まで及ぶのを避けることである。彼女はコトダマ空間を介してこのシナリオに登場するNPCの現状を把握できるため、NMは彼女がPC達にザイバツニンジャの情報を提供してくれることにしてもよい。尚、基本的にオモイ・ニンジャは先述の『交渉判定』で出目【6,6,6】を出さない限り自発的にPC達に語り掛けて来ることはない。交渉判定で【6,6,6】を出した場合は交渉ロールの途中、以下のような形でオモイ・ニンジャがスペルバウンドとPC達全員にテレパスを送ってくる。
:その時、この場にいるニンジャ全員の脳裏に女の声が響く。
オモイ・ニンジャ:『アハァ!アハァ!アハァ!面白いじゃん、アンタ!』
オモイ・ニンジャ:『ドーモ、オモイ・ニンジャです』
選択肢『交戦』:そのまま戦闘シーケンスが続行され直ちに『1ターン目』の処理が始まる。0ターン目の『回避判定』に使用した『戦闘中1回限り』のルールを持つ効果の使用権などが回復することはない。これは危険な選択肢である。
※NMの情報:『交戦』を行う場合スペルバウンド、民間人の配置は以下のようになる。
※NMの情報:NMは以下の状況で場面を『5.ザイバツ出現』に移行させること。
・『交渉』に成功した後、十分な対話を行った。この際はスペルバウンドやオモイ・ニンジャがPC達の質問に答え、PLが状況把握を行うのに十分な時間を設けることが望ましい。
・『交戦』中にスペルバウンドが『気絶状態』以上の状態異常となり、そのままターンが終了した。
・『交戦』中に2ターン目が終了した。この乱入の処理はターン終了時の『交渉判定』より後に行う。
5.ザイバツ出現
※NMの情報:この章におけるNPCの台詞や反応はPC達が『交渉』に成功していることを前提としたものである。スペルバウンドと敵対状態のままザイバツが出現した場合は適時NM側で調整を行うこと。
:その時、新たに2人のニンジャが店内にエントリーする。
:1人は『地獄お』と書かれたマフラーを巻いた赤髪のパンクスめいた女。もう一人は『罪/罰』と書かれた装束を身に纏った男。
イグナイト:「ヘル・オー!ドーモ、イグナイトです」
エンブレイス:「ドーモ、エンブレイスです」
スペルバウンド:「ド、ドーモ。スペルバウンドです」
スペルバウンド:「アイエエエ!ザイバツ!」
:エンブレイスはアイサツの終了を待った後、あなた達にこう告げる。
エンブレイス:「ソウカイヤのニンジャ共か。だが、この件については手出し無用。これは我らザイバツの問題だ」
エンブレイス:「そして貴様、パープルタコ=サンの身体でそのようなブザマな態度を取るではないわ!直ちに投降しパープルタコ=サンの身体を返却せよ!」
スペルバウンド:「嫌に決まってんだろ!そんなことしたら俺は消えちまうじゃねえか!それに、彼女はもう......!」
※NMの情報:ここでNMはある程度「戦闘開始前の会話ロール」の時間を設ける。これは十分なロールが行われたタイミング、またはPC達の側から攻撃のそぶりを見せたタイミングで終了する。その後はエンブレイスがクローンヤクザを呼びそのまま戦闘が始まる。
エンブレイス:「出てこい、クローンヤクザ共!」
クローンヤクザ:「「「「「ザッケンナコラー!」」」」」
※NMの情報:イグナイト、エンブレイス、クローンヤクザの配置は以下のようになる。配置すべきマスが埋まっていた場合はなるべく近くの空いているマスに配置すること。
◆エンブレイス(種別:ニンジャ)初期装備:スリケン アイコン:エ
カラテ 6 体力 7
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 0 万札 12
近接/射撃/機先/電脳 7/9/7/7
回避/精密/側転/発動 8/9/8/-
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
クナイベルト
『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:スリケン』『◉スリケン痛打』
『◉ニンジャソウルの闇』『◉忠誠心:ザイバツ』
◆イグナイト(種別:ニンジャ)初期装備:素手 アイコン:イ
カラテ 5 体力 5
ニューロン 6 精神力 12
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 5 万札 12
攻撃/射撃/機先/電脳 5/8/6/6
回避/精密/側転/発動 8/8/8/11
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
『●連射2』
『◉◉グレーター級ソウルの力』『☆◉発火能力者』
『☆カトン・ジツ』『★カトン・ボール』『★★カトン・ジャンプ』
◆クローンヤクザY-12型(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)初期装備:チャカガン アイコン:Y
カラテ 2 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 0
近接/射撃/機先/電脳 2/3/1/1
◇装備や特記事項
チャカガン
※NMの情報:『◉◉タツジン:スリケン』は記事執筆時点でβテスト中のスキルであり、正式に実装されるまでは『ニンジャスレイヤーTRPG:プラグイン環境ルールプレビュー(2021年11月号)』の最新データを用いる。
※NMの情報:スペルバウンドは1ターン目に側転からの『★マインドブラスト・ジツ』または『★★グレーター・マインドブラスト・ジツ』でクローンヤクザの一掃を試みる。この際は可能な限り『イグナイト』『エンブレイス』にも隣接し『☆◉マインドブラスト拘束』も狙う。それ以降は臨機応変に対応。
戦闘描写案
スペルバウンド/マインドブラスト・ジツorグレーター・マインドブラスト・ジツ:「イヤーッ!」スペルバウンドがこめかみに指を当てシャウトを発する!
スペルバウンド/グレーター・マインドブラスト・ジツの反動描写:「ンンッ......!」両目から出血!
スペルバウンド/脳髄すすり:「イ、イヤーッ!」スペルバウンドのメンポの下からタコめいた無数の触手が伸びる!
イグナイト/グレーター・カトン・ジツ:「燃えろ!」イグナイトの両手から激しい炎が噴出!
エンブレイス/スリケン:「イヤッ、イヤッ、イヤーッ!」スリケン連続投擲!
6.ブラックドラゴン
※NMの情報:イグナイトとエンブレイスを2人とも『気絶状態』以上の状態異常にした場合は、一旦戦闘シーケンスの終了とロールプレイの時間を挟んだ上で追加のボスとして『ブラックドラゴン』が出現する。ブラックドラゴンの配置は以下のようになる。配置すべきマスが埋まっていた場合はなるべく近くの空いているマスに配置すること。
◆ブラックドラゴン (種別:ニンジャ/バイオニンジャ) 初期装備:バイオ武器 アイコン:黒
カラテ 13 体力 15
ニューロン 6 精神力 8
ワザマエ 10 脚力 7/N
ジツ 4 万札 24
攻撃/射撃/機先/電脳 13/10/6/6
回避/精密/側転/発動 13/10/10/10
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
▲▲▲▲戦闘用バイオサイバネLV2、△△△ヒューマノイドアーム
『●連続攻撃3』『●連射2』『◉◉タツジン:ジュージツ』『◉バイオニンジャ化』
『◉頑強なる肉体』『◉銃弾の見切り』『◉憎悪:スペルバウンド』『◉忠誠心:ザイバツ×4』
『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』『★◉ヒサツ・ワザ:ポイズンブレス注ぎ込み』
『☆ポイズンブレス・ジツ』『★グレーター・ポイズンブレス・ジツ』
『☆ポイズンブレス・ジツ』:手番攻撃フェイズに【精神力】1を消費し、1行動として発動判定を行う。
術者と隣接する3×3マスの全員に、範囲攻撃として毒属性ダメージ1を与える(『回避:HARD』)。
回避できなかった者は、追加で『回避ダイスダメージ1』を受ける。
『★グレーター・ポイズンブレス・ジツ』:自分を中心に強刺激性の毒煙を吐き出し煙幕を展開する。
手番開始時に【精神力】2を消費し、瞬時行動として発動判定を行う(難易度:HARD)。
術者を中心とした5×5マスの全員に、範囲攻撃として毒属性ダメージ1を与える(回避:HARD)。
回避に失敗した者は『回避ダイスダメージ1』を受け、さらに戦闘終了まで
『近接攻撃判定』と『射撃判定』の難易度が+1される。
『★◉ヒサツ・ワザ:ポイズンブレス注ぎ込み』:かぎ爪状の手で敵を拘束した後、
顔面や首に喰らい付き、その体内へ濃縮毒煙を直接注ぎ込む荒技。犠牲者は肺や脳を
ドロドロに溶かされ、充血した目からは黒い涙を流して悶絶、絶命する。戦闘中1回限りの使用。
装備にかかわらず『近接攻撃』時の出目が【6,6,6】だった場合、『ナムアミダブツ!』の代わりに
【精神力】2と『回避ダイス』2個を消費し、『発動判定:HARD』を行える。成功した場合、
ヒサツ・ワザが発動する(『回避:U-HARD』)。回避されなかった場合、この『近接攻撃』は敵に
「2ダメージ+毒属性ダメージD6」を与え、敵がこれによって【体力】を失った場合、
さらに毒属性のニューロンダメージ2D6を与える。
行動指針:ブラックドラゴンは1ターン目に『スペルバウンド』を優先的に狙う。あくまで指針であるため『◉挑発』などが絡んだ場合はそちらを優先する。
:扉の前に鱗めいた黒い文様に覆われた装束を纏ったニンジャが姿を現す。
ブラックドラゴン:「ドーモ、ザイバツ・シテンノ、ブラックドラゴンです」
スペルバウンド:「ド、ドーモ、スペルバウンドです」
ブラックドラゴン:「スペルバウンド、か」ブラックドラゴンは激しい怒気の込められた声で静かに呟く。
ブラックドラゴン:「我らシテンノは死よりも深い絆で結ばれている」
ブラックドラゴン:「楽に死ねると思うなよ」
スペルバウンド:「アイエエエ......!」
ソニックブーム:『オイ!騒ぎが大きくなってきやがったみてえだがそっちはどうなってやがる!』ソニックブームからの通信が貴方たちへと届く。
ソニックブーム:『ブラックドラゴン=サンか。ちと荷が勝つな......』
ソニックブーム:『よし、テメエらはダンゴウで話した通り生き延びることを第一に考えろ。他の連中の始末や回収はこっちでできる限りやってやる』
戦闘描写案
ブラックドラゴン/グレーター・ポイズンブレス・ジツ:「シテンノ!」
:ブラックドラゴンのメンポが開き竜めいた顎があらわとなる!そこから噴き出されるは猛毒の霧!
ブラックドラゴン/ポイズンブレス注ぎ込み:「シテンノ!」ブラックドラゴンの顎が迫る!(命中判定)ブラックドラゴンの牙が<対象>に食い込みその体内へ濃縮された毒煙が注ぎ込まれる!
7.スペルバウンドの処遇を決める
※NMの情報:ブラックドラゴンとの戦闘が終了した時点でスペルバウンドが生きていた場合PC達はスペルバウンドの処遇について決める必要がある。シチュエーション上稀なことではあるが、既にシルバーキーとの交流があるなどの理由でスペルバウンドをオモイ・ニンジャの影響から解放したいと考えているPCがいる場合は以下の処理に加え【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-047「スペルバウンド」の『スペルバウンドの出現ルートと解放』に書かれている処理に従い気絶したスペルバウンドに対してオモイ・ニンジャの影響を完全切断するための判定を試みる選択肢を提示してもよい。
:この場においてPCたちはスペルバウンドの処遇を決める必要がある。基本の選択肢は以下のようなものになる。ここに書かれていない処理を行いたい場合は適時相談を行うこと。
見逃す:スペルバウンドはPC達に感謝の言葉を述べて去る。
始末/スカウトする:スペルバウンドを敵として戦闘が再開する。全員マップ外に脱出していた場合は『グリッドマップを使用しない戦闘』となる。ザイバツニンジャとのイクサとは地続きのものとして扱われアトモスフィアなどはそのまま。『気絶』させて『運搬』したままマップを脱出することでソウカイヤにスペルバウンドをスカウトすることもできる。この場合はシナリオの評価が+1される。上限は超えないためブラックドラゴンを倒した場合の評価は変動しないが、その場合でもスペルバウンドの【万札】は獲得可。
個人的に匿う:『交渉判定:U-HARD2』に成功した後に【万札:10】を消費することで『スペルバウンド』との『親密度』を1段階上昇させられる。プールからの万札消費も可能だが山分けの際は親密度を上昇させたニンジャの取り分をその分減らすことが望ましい。この処理が行えるのは1人につき1回だが判定成功からの万札コスト支払いさえ行えれば複数人で匿うことも可能。出会ってから戦闘が始まるまでの『交渉判定』で出目【6,6】を出し『スペルバウンドの信頼』を得ていた場合は難易度が1段階減少。『シルバーキー』との『親密度』を持つ場合も1につき1段階難易度が低下する。ただし、それまでに残虐行為や高圧的な言動などスペルバウンドに強い悪印象を与えると思われるロールを行っていた場合は難易度が最低でも1段階上昇してしまう。スペルバウンドが心を許すことがあまりに不自然な判定者の場合は判定不可としても構わない。
有効な交渉/知識スキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル(+2):『共感』『鼓舞』『誘惑』
次に適した交渉スキル(+1):『欺き』『超然』『駆け引き』
最も適した知識スキル(+2):『マッサージ』『マイコサービス』『ストリートの流儀』
次に適した知識スキル(+1):『ファッション』『キョート共和国』
8.結末と報酬
以上の処理を終え、キリのいいところまでロールプレイを行った時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。
A+:ブラックドラゴンを気絶以上の状態にした:【万札】プール+60
全員の【名声】が+3される。
A:イグナイトとエンブレイスを気絶以上の状態にした:【万札】プール+51
全員の【名声】が+2される。
B:イグナイトもしくはエンブレイスを気絶以上の状態にした:【万札】プール+36
全員の【名声】が+1される。
C:敗北し逃げ帰って来た:【万札】プール+0
全員の【名声】が−1される。
※備考:スペルバウンドをソウカイヤへスカウトすることに成功していた場合は評価が1段階上昇。
余暇日数:4日
追加のユウジョウ判定対象
スカウトに成功した場合または友好的なままシナリオを終えた場合に追加:スペルバウンド
:スペルバウンドの親密度データは以下記事のものを使用できる。
セッション用Googleスプレッドシート
おまけ.参考となるエピソードへのリンク
この項には『シルバーキー』『パープルタコ』『イグナイト』『エンブレイス』『ブラックドラゴン』『オモイ・ニンジャ』について知る上で参考にしやすいエピソードへのリンクがまとめられている。
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参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ
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