ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ案『荒野のミュージアム』
1.始めに
このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のプラグイン環境に対応したシナリオである。超えた『成長の壁』の数が3個~成長上限級のPC3人での挑戦を想定している。想定される所要時間は3~4時間程度。
NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。
「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。
<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。
これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。
2.募集用テンプレート
3.背景
4.導入
:ネオサイタマ市街南西部とフジサンの間に存在する磁気嵐の荒野に、奇妙な建造物が佇んでいた。一週間ほど前に発見されたこの建造物は外壁に絵の具と思われる塗料で異様な色彩の装飾が施されており、旧世紀のミュージアムであるとの説が有力視されている。しかしこの建物を発見した部隊は外部で待機していた数名を残して消息を絶っており、それから後に訪れたメガコーポの調査部隊や民間のトレジャーハンターもことごとく失踪することとなった。
:この事態を知ったものの反応は立場や考え方によって様々であった。磁気嵐の荒野で時折見られる超常現象の1つとして受け止めるもの、旧世紀のメガコーポが遺した未知のセキュリティ・システムの仕業であると説くもの、そして……ニンジャの関与を疑うもの。
:あなた達はそのような事態を受け、それぞれトレジャーハント、失踪者の捜索などの目的をもってこの地を訪れた。そして現在、あなた達はこの施設へと足を踏み入れたものが次々と失踪する理由を身をもって把握している。
:この施設内部の空間は何らかのジツの支配下にあり、一度入れば脱出が困難な状態になっていたのだ。外部から見た施設のサイズからは考えられないほどに長い通路。ひとりでに開閉しその度に接続先を変える扉。破壊しても別の部屋へ繋がるだけで脱出できず、すぐに色付きの粘土めいて修復を始める壁。
:そして、この施設の探索を続ける中、あなた達は壁に極彩色のペイントが施された開けた部屋で一同に会することになった。それぞれの目的が何にせよ、このまま失踪者の仲間入りをするわけには行かないのは皆同じだろう。かくしてあなた達は、協力して施設からの脱出を目指していくことになる……
5.絵画の怪異と奇妙な花瓶
:探索を続けた場合、あなた達は少し異質な部屋にたどり着く。壁にペイントが施されているのはこれまでの部屋と同様だが、置かれている家具を見る限り、ミュージアムというよりかはメガコーポの社員寮のようである。壁に描かれた絵は様々な動物を悪夢めいた表現で戯画化したもののようだ。
:その時!部屋に「気を付けて!」と言う若い女性の声が響いた。声の響いた方向には机の上に置かれた花瓶が確認できる。
:続けて、壁のペイントが次々と実体を持って浮かび上がる!それらの実体は何かを守るようにあなた達に襲い掛かる!
:PC達はこの場で『近接攻撃判定:U-HARD(固定)』あるいは『射撃判定:U-HARD(固定)』で判定を行える。攻撃可能なジツを持つ場合は該当するジツのコストを支払うことで『ジツ発動判定:U-HARD(固定)』でも代用可能。判定に成功できなかったPCは『ダメージ1』を『時間差』で6回受ける(回避:NORMAL)。この処理が終了した場合、敵は撃退したものとみなす。
グラニテ:「ふぃー、助かった!」机の上の花瓶から声が響く。
:ドロンと音が鳴り、先ほどまで花瓶があった場所にラズベリーレッドの髪と青い瞳を持った女ニンジャがケムリと共に姿を現す。その手首には近代的なデバイスが巻かれており、背中にはバッグを背負っている。
グラニテ:「ドーモ、グラニテです」
◆グラニテ(種別:ニンジャ)初期装備:素手&スリケン アイコン:グ
カラテ 3 体力 3
ニューロン 10 精神力 14
ワザマエ 6 脚力 4/E
ジツ 4 万札 24
近接/射撃/機先/電脳 3/7/10/10
回避/精密/側転/発動 10/6/6/14
緊急回避ダイス 4
即応ダイス 4
◇装備や特記事項
ZBRアドレナリン注射器、探索用デバイス(キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ)
『●時間差』『●マルチターゲット』
『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉常人の三倍の脚力』
『◉トラップ処理技術』『◉滅多蹴り』『◉緊急ブリッジ回避』
『☆カワリミ・ジツ』『★カワリミ・エンチャント』
『カルマ:善』
『☆カワリミ・ジツ』:基本は『★レッサー・ツツモタセ・ジツ』と同様だが、変身した後の
コピー対象がモブNPCではなく壺、植物、オジゾウなどの静的オブジェクトとなる。
静的オブジェクトの【カラテ】と【ワザマエ】は0とみなされ、変身中は
『カラテ判定』と『ワザマエ判定』が行えなくなる。また、この変身は
術者が【体力】または【精神力】にダメージを受けると解けてしまう。
『★カワリミ・エンチャント』:手番「攻撃フェイズ」に3マス以内の味方1人を対象に
【精神力】を2消費して「瞬時行動」として発動を試みられる(発動:HARD)。
発動に成功した場合、対象はこのジツの効果が継続している間、『☆カワリミ・ジツ』による
『変身』の効果を獲得し、その術者として扱われる。ただし、このジツによる
『☆カワリミ・ジツ』を看破するための『対抗判定』が生じた場合、その『対抗判定』の間のみ
『☆カワリミ・ジツ』が適用されたキャラではなく『★カワリミ・エンチャント』の行使者を
術者として扱い判定を行う。1度に複数人の味方をこのジツで『変身』させることはできない。
対象が『☆カワリミ・ジツ』の解除条件を満たした場合はこのジツの効果も切れる。
グラニテ:「あいつらから隠れるためにカワリミ・ジツで花瓶に化けてたの。あなた達が来なければどうなってたか……ありがとう」グラニテがあなた達にオジギする。
:この部屋には、これまで遭遇しなかった怪物が多くいた。そのことから推測すると、これらの怪物たちは何かを守るなど明確な目的を持ってこの部屋に配置されていたのかもしれない。この部屋についてはPCのうち代表者1人が『調査判定:U-HARD』で調べるのも手だろう。
有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『サラリマンの流儀』『現代的アート』
次に適した知識スキル(+1):『公僕の流儀』『カチグミエリア』
:古ぼけた写真:『シナリオアイテム』
シナリオ中1回限り。手番「終了フェイズ」に「瞬時行動」を消費し発動。
ターン終了まで『荒野のミュージアム』のボス戦で登場する敵は手番「攻撃フェイズ」中、
この効果の使用者をターゲット/効果対象に「含まない」ような能動的行動をとる場合、
その行動難易度が+1されてしまう。別のキャラクターによる『◉挑発』の効果が
適用されている場合はそちらが優先され、この効果とは重複しない。
6.図書室
:さらに探索を続けていくと、あなた達は現代的な衣服やアーマーを纏った人物の絵画が一列になって飾られた図書室めいた部屋にたどり着くことができる。この施設は旧時代に文明社会から孤立した建造物であるため、現代の存在が描かれたこれらの絵画は超自然の存在であると考えるのが妥当だろう。もしかすると絵画を調べれば新たな情報が得られるかもしれない。絵画を調べたい場合は代表者一人が『知識判定:HARD』を行うこと。
有効なスキルと増加ダイス:NMはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した知識スキル(+2):『古代ニンジャ文明』『IRCネットワーク』『現代的アート』
次に適した知識スキル(+1):『伝統的アート』『貴族の流儀』『高級嗜好品』
:その時!
:強大なニンジャの気配が周囲に満ちる!
:次の瞬間、部屋に入ってきたのは宙に浮かぶ巨大な額縁と、それに追随するように浮かぶ龍と虎を戯画化したかのような絵画の怪物。
:額縁に収められた絵から、巨大な絵筆を手にした白髪の女ニンジャが上半身を出しニコニコとした笑みを浮かべながらアイサツする。彼女の纏う白い装束はインクに彩られている。加えて、その胸は豊満であった。
アウターヴィジョン:「見つけた!また見つけた!しかも4人も!」
アウターヴィジョン:「ドーモ、アウターヴィジョンです!」
7.ボス戦
◆アウターヴィジョン(種別:ニンジャ)初期装備:巨大な絵筆(カタナ) アイコン:ア
カラテ 5 体力 25
ニューロン 8 精神力 15(グレーター・ブンシン・ジツの精神消費反映済)
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 8 万札 24
近接/射撃/機先/電脳 5/10/8/8
回避/精密/側転/発動 11/10/10/18
緊急回避ダイス 8
即応ダイス 8
◇装備や特記事項
巨大な絵筆(カタナ)、アーチ級生成装束×4(魔術的な)
『●時間差』『●マルチターゲット』『●連射2』
『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉◉アーチ級ソウルの力』『◉◉タツジン:ジツ』
『◉緊急ブリッジ回避』『★★★◉アーチ級装束生成』『★★★◉半神的存在』
『☆シャドウ・スネア』『★タナカの系譜(ハデスの系譜)』
『★★ブンシン・ジツ』『★★レッサー・キリングフィールド・ジツ』
『★★★欠損部位再生』『★★★グレーター・ブンシン・ジツ』
◆グレーター分身コマ(種別:ニンジャ/超常存在)初期装備:異形(カタナ) アイコン:GX
カラテ 13 体力 13 ※アイコンのXには【体力】の現在値が入る。
ニューロン 8 精神力 -
ワザマエ 10 脚力 7/N
ジツ 8 万札 -
近接/射撃/機先/電脳 13/10/8/8
回避/精密/側転/発動 -/10/10/-
※術者の回避ダイスを用いて難易度+1で回避可能。
◇装備や特記事項
異形(カタナ)
『●連続攻撃3』『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』
【精神力】ダメージは【体力】ダメージに変換される。
◆分身コマ(種別:ニンジャ/超常存在)初期装備:素手&スリケン アイコン:X
カラテ 5 体力 3 ※アイコンのXには【体力】の現在値が入る。
ニューロン 2 精神力 -
ワザマエ 5 脚力 3
ジツ 0 万札 -
近接/射撃/機先/電脳 5/5/2/-
◇装備や特記事項
『●デミニンジャ』『●痛烈な一撃』
【精神力】ダメージは【体力】ダメージに変換される。
『●デミニンジャ』:
以下のルールを全て持つ:
・ニンジャのようにスリケンを投擲できる。
・『連続側転』を行いたい場合、自動成功する。その後の行動難易度上昇は通常どおり。
・『回避ダイス』を得られない。また【精神力】も使用できない。
・連携を取って動くため、デミニンジャ複数体による近接攻撃や射撃は、まとめて回避ができない。
・会話は成り立たず、拷問などは不可能である。
『●痛烈な一撃』:
『近接攻撃』時に出目【6,6】だった場合、『サツバツ!』の代わりに『痛打+1』となる。
同様に出目【6,6,6】だった場合、『ナムアミダブツ!』の代わりに『痛打+1』、『回避難易度+1』となる。
戦闘描写案
アウターヴィジョン/ブンシン・ジツ:「イヤーッ!」アウターヴィジョンが床に向かって絵筆を振るい、彼女が床に描いた極彩色の怪物が実体を持ち浮かび上がる!
アウターヴィジョン/欠損部位再生:アウターヴィジョンは傷口に絵筆を振るい自身を『書き足す』ことで損傷を修復する!
キリングフィールド・ジツ:「イヤーッ!」アウターヴィジョンは額縁の中に身を隠し<対象>に迫る!
:アウターヴィジョンが隠れた絵画の奥から極彩色の手が無数に伸び<対象>を引きずり込まんとする!(命中)<対象>が引きずり込まれたのは極彩色の空間!物理法則さえも定かでない不気味な空間内部での猛攻!猛攻!猛攻!
:カラテとカラテのぶつかり合いに空間が揺れ……その果てに<対象>が絵画から弾き出される!
グレーター分身コマ/強攻撃A:「GROWR!」極彩色の虎が<対象>に喰らいつかんとする!
グレーター分身コマ/強攻撃B:極彩色の龍が極彩色のブレスを放つ!ZGAーDOOM!
8.撃破後の処理
9.結末と報酬
以上の処理と〆のロールプレイを終えた時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。
A:アウターヴィジョンを倒した:【万札】プール+84
全員の【名声】が+2される。
B:アウターヴィジョンを倒せなかったが1人以上脱出した:【万札】プール+54
全員の【名声】が+1される。
C:アウターヴィジョンを倒せず全員が脱出に失敗した:【万札】プール+0
『親密度』3以上のNPCがいるPCはそのNPCの『親密度』と同数のダイスで
『難易度:HARD』の判定を試みられる。即応ダイス使用不可。1人でも判定に成功した場合、
それらのNPCが何らかの形で関わった救出劇により脱出に失敗したPC全員が
救助されたものとする。全員が失敗した場合、その後の展開は相談の上で決める。
どちらの場合も全員の【名声】が-1される。
余暇日数:4日
追加のユウジョウ判定対象:グラニテ(友好的な状態でシナリオを終えた場合)
親密度データ.グラニテ
親密度データ:グラニテ
最重視するパラメータ:【ワザマエ】
親密度1:「私は旧世紀のレリックに興味があってさ。それでネオサイタマに来たの。
だからそんなレリックについての噂話とかを聞いたら教えてほしいんだけど、いい?」
報酬:『◉知識:ストリートの流儀』/『◉知識:テックガジェット』
親密度2:「今、トレジャーハントのために旧世紀のセキュリティについての勉強を
してるんだけど、なんかいい参考書とか知らない?」
報酬:『◉トラップ処理技術』/『◉知識:セキュリティ』
親密度3:「ねえ。この辺に美味しいアイス屋さんがあるんだけど、一緒にどう?」
報酬:『◉知識:高級嗜好品』/『◉知識:ファッション』
親密度4:「この前、旧世紀の音楽ディスクを見つけたんだ。市場に出せばすごい
価値があるんだけど……よかったら売っちゃう前に一緒に聞かない?」
報酬:『◉交渉:共感』/『◉知識:現代的アート』
爆発四散:「ア……ヤバ……!」
報酬:『**デバイス・オブ・グラニテ**』
【万札:UR】:『**デバイス・オブ・グラニテ**』
手首に巻いて使用するトレジャーハント用のデバイス。金属探知を始めとした様々な機能があり、
内部にはグラニテ自身が残したメモが電子的に保存されている。
『レリック』とみなす。基本は『キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ』と同様。それに加え、
装備者は有効な『知識スキル』の中に『ギア系』の知識が1つでも含まれる『調査判定』
『知識判定』でダイスを2個追加で振れる。装備者が対応スキルを持っている必要はない。
セッション用Googleスプレッドシート
おまけ.ニンジャ名鑑などの資料
◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【アウターヴィジョン】◆卓◆
タナカ・ニンジャクランに連なるアーチ級ニンジャ『ヨナヨナ・ニンジャ』の憑依者。絵画を介してコトダマ空間と物理空間を出入りすることができる。また彼女の住む施設は余すところなく彼女のウキヨエで埋め尽くされており、施設全体が彼女の作品となっているため内部の空間そのものが彼女のジツの支配下にある。ニンジャソウルに憑依されたのは女学生時代であり、大規模な磁気嵐で見学中の施設から帰還ができなくなり、施設にいた人物が次々と力尽きる中、唯一大人たちの助力とニンジャソウルの憑依により生き延びたという背景を持つ。
利用規約
この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。加えて『分身コマ(フェイスレス)』などが持つ公式に存在するデータに準拠した個所は公式の引用ルールに従い扱うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。
参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?