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“お金”から見る現代アート #塚本本棚

マイ・ロンサム・カウボーイに16億円の値が付く事の意味を、理解したいような

今日は「“お金”から見る現代アート( https://amzn.to/3hxZZj4 )」小山 登美夫 (著) #塚本本棚

日本有数のコレクター宮津氏の次は、日本有数のギャラリストの小山氏の著書。

小山氏は売り手で、宮津氏はコレクターの中でも(たぶん)非常に良い時期にコレクションを始められているし、投資家というよりマニアに近いのではないかと感じるので、彼ら2者の意見は”アートを買おう”となるのは理解できます(銀座の女将と、銀座に通う常連は銀座がいいって言う)。

なので次はもっと複眼的に投資としてアートを把握する意味でも、資産運用として買っている投資家の著書を読んでみたいなと思う今日この頃です。

村上隆氏のマイロンサムカウボーイ(知らない人は検索して驚愕しよう!)やデュシャンの泉というのは、アート史に”これがアートだと認められた起点”としての価値があり、その希少性は唯一無二で、その為に特に村上氏などはち密な計算ののちに”あなたたちはこのギリギリのラインの奇抜さを無視できない”という挑戦を行ったというのですが、これは投資家としては”予想不可能”であり、プライマリーマーケット(新規発表市場)では実は価値を正確に見抜くことが難しいのではないかと思うことしきりな昨今です。

プライマリーマーケットはばくち要素が高いので、ある程度値上がりしその価値が認められてからセカンダリーマーケットで買うのは手堅いが、高い。ものすごく高い。うーむ。

審美眼を得るまで作品を見て、信頼できるギャラリーでプライマリーを買うとかかな…?まだまだ学びを深めていかねばなりません。


【本を読んで考えた・メモ】
・信頼あるギャラリーから出るアーティストの新作は、そのギャラリーのお墨付きがあるという事だから、ある程度の未来は約束されている(これが株とは違う)

・ただし、ギャラリーから売り出されても後続の作品が続かなければ、評価は上がっていかない(アーティストにマーケットが付かない)

・一回目の展覧会にはそのアーティストの渾身の作品が安く並びやすい

・オークションによって、その作家の作品全体の価値が動く

・セカンダリーマーケットで高額評価されても、その作家にはお金は入ってこない。あくまでプライマリーマーケットでの価格の半分程度がアーティストの取り分である(IPOに似ている)

・プライマリープライスは富豪などが競い合って決めるものではないので、有名アーティストのものでも比較的に”安価”と見られがち。なのでウェイティングリストに列ができる。

・プライマリーマーケットに贋作は99%無い

・そのアーティストが美術の歴史の中で、重要なことをしようとしているかどうかを見極める事が大事

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