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数検1級を受検予定の皆さんへ~2次対策編~

今回は2次検定(数理技能検定)対策について書いていきます。

2次検定の傾向と対策

2次検定は全部で7問出題され、問1~問5は選択問題でこのうち2題を選択します。問6と問7は必須問題となっており、計4問を120分で解きます。合格点は2.5/4点です。

問題番号によっておおよその出題内容が決まっており、
第1問 整数問題
第2問 解析学
第3問 幾何学(平面図形・立体図形)
第4問 統計学
第5問 数検特有問題
第6問 線形代数
第7問 微分方程式ないし重積分の応用問題

となっています。数検1級は出題の90%が「大学程度・一般」、10%が「特有問題」とされており(https://www.su-gaku.net/suken/examination/summary/1q/参照)、2次検定の第5問が特有問題に該当します。出題内容はバラエティに富んでいて高度な数学知識は要らない反面、頭の柔らかさが要求される問題が多い印象です。

問1~5のうち、どの2題を選択するかが、合否の大きなカギを握っていることは言うまでもありません。最近、2カ年の難易度(正答率)を見てみましょう。

最近2か年の正答率

以前から、選択問題は「統計問題」(第4問)を選択するのが鉄板、と言われています。出題がパターン化されていて対策しやすいためです。しかし、その傾向に少し変化が見られます。406回のように正答率が極めて低い回が出現しており、また414回は正答率は高いものの新傾向の出題でした。以前のように「統計問題を選択しておけば大丈夫」とは必ずしも言えない状況となっています。
また、整数問題(第1問)は難問が多く、正答率もずっと最低でしたが、2023年は易化しました。2024年はどのようになっていくか注視したいと思います。

必須問題の方は幸い、概ね30%程度の高い正答率で推移しています。こちらはいくら難問であってもパスするわけにはいかないので、正答率のデータは対策する上で参考になりませんが……。

SNSの投稿等を拝見すると、二次検定は採点基準がよく分からない、というコメントが散見されます。これについては、私も同意します。全然正答までたどり着いてなくても意外と部分点をくれることもあるし、殆ど出来てもちょっとしたミスだけでバッサリ切られていることもあります。

とにかく謎の多い採点基準ですが、私は最近、ある仮説を立てています。それは、「問題の難易度によって採点を甘くしたり厳しくしたり、と変えているのではないか」というもの。難しい問題では、部分点を大盤振る舞いし、逆に易しい問題ではほぼ完答でなければ点を与えない。そうすることによって、選択した問題による不公平を多少なりとも是正しているのではないか、と考えています。だからといって、採点基準が甘そうな難しい問題を選択するのが得策、というわけではないですが。

一次対策と二次対策、2回に分けて私の考える対策法を記してみました。
数学検定は過去問が一部しか公表されておらず、それ故に対策の難しさがあると思います。ですので、ここ数年、数検1級を受検し続けて分析したデータは貴重ではないかと思います。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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