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現代4コマ解説 「フラクタル4コマ①」

この記事では、以下の画像がなぜ4コマと言えるのかを解説します。

現代4コマとは↓

方針

ここでは長方形の枠のことをコマだと見なします。
該当画像には一見無数のコマがあるように見えますが、ある計算のもとではコマの数が全部で4つであることが導けます。

導出には、画像が全体と一部で同じ構造になっていること (=フラクタル構造であること) を利用します。

以下、計算の詳細

計算過程

まず、右側にあるコマは5つです。
左側にあるコマの個数は、数え上げることが難しいのでx個としておきます。

左側にあるコマの集合体に注目すると、以下の図で赤枠内と青枠内では同じものになっています。

同じ形のまま拡大・縮小の関係になっている

赤の中にあるコマの個数はxとしておいたので、同様に青の中にもx個のコマがあることになります。
ここから、以下のことが成り立ちます。

 赤内のコマ数 = 青内のコマ数×2 + 1
 x = 2x + 1
 式を解いて、 x = -1

よって、左側にはマイナス1個のコマ、右側には5個のコマがあるので、合計4コマになることがわかりました。

(証明終わり)


考察

「なんだ、ただのインチキ手法か」で終わらせないためにも、もう少し踏み込んだ内容にも触れようと思います。
(数学的な議論を要する部分にはおそらく正確でない表現があります。致命的な誤りがありましたらご指摘いただければと思います。)

実際のコマの個数は無限なんじゃないの?

用意した画像には (設定上) コマの配置が無限に続いているので、無限に存在するという考えは確かに正しいです。
ただし、個数が無限という表現には多少注意が必要かと思われます。
無限を表す “∞” は、高校数学までにおいては「限りない状態」を表す記号であり、「数」ではないからです。
その意味では、コマの「個数」は定義されないと見なすこともできます。

無限を数のように扱うためには専門的な数学が必要になります。
例えば拡大実数と呼ばれる体系を使えば、用意した画像にあるコマの個数 (1+2+4+8+…… + 5) は無限大と見なせるようです。

じゃあ実際にはコマの数は4個ではないの?

コマの数が無限大であるといった主張は数学における一つの考え方を適用させたものですが、別の考え方を適用させると個数が4個であるという一種の考えが導けます。

参考に、Wikipediaに以下のような記事があります。

この記事では、解析接続と呼ばれる数学の手法を使い拡大解釈することによって 1+2+4+8+…… にあたる値が -1 と同等のものだと捉えられる と説明されています。
今回用意した画像の左側のコマ数も 1+2+4+8+…… と表現できますが、この数式が捉えようによって -1 と等しいと見なせるようです。

つまり、数学におけるどの考え方を採用するかによってこれが何コマなのかは変わります。
今回話題にした画像は、現代4コマと解釈でき、現代無限コマとも解釈でき、現代[定義されない数]コマとも解釈できると言えるでしょう。

おまけ

この記事の論理を使うと以下の画像はマイナス4/3コマになります。

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