行き場のない強度行動障害

強度行動障害という病名はご存知だろうか。

自分の気持ちを上手く伝えられない
非常に強いこだわり
環境の変化
感覚過敏
衝動性

これらのあらゆる症状のストレスにより自傷・他害・破壊・排泄・食事等の極めて危険な行動をする病気である。

例を挙げると

自傷(身体の肉を噛みちぎる・アザになっても構わず何度も頭を強く打ち付ける)

他害(殴る・蹴る・噛み付く・頭突き・髪を引っ張る)

破壊(ベッド・テレビ・ドア・ガラス等ありとあらゆる物を投げる・殴る・蹴る)

排泄(部屋の中で排便・便を握る・壁に塗りつける)

食事(偏食やこだわりが強く、気に入らない食事が出ると皿やテーブルをひっくり返す・異食)

記載した例はほんの一部なので、詳しく知りたい人はYouTubeで検索をすると良い。


これだけ自分や周りを傷つけでも尚おさまることの無い症状にもがき苦しむ本人の他に、実はその親も非常に強いストレスを抱え怯えながら日々、子を介護をし続けている。


昔から介護業界で問題となっているのは《障害を持つ子を介護し続ける親は必ず老衰死を迎えるがその後、介護無しの子はどうなるのだろうか?》


これに対し、空きのある入所施設があれば職員に介助をされながら基本的にいつまでも居住する事ができる。


しかし、強度行動障害の方だけに関しての入所施設は非常に少ない。

彼らがあらゆるストレスのせいで強く衝動的な行動をしてしまい、環境の変化に慣れる事も難しい為、手に負えなくなった職員の辞職が後を絶たず自ずと閉業となってしまう。
更に近隣住民からの「殺されそう」「うるさくて迷惑」「落ち着いて暮らせない」等のクレームも多い為、施設自体を増えせないのも問題なのだ。


それでも尚、助けとなる施設は存在するが親が見放す為常に満員。満員でも「入所したい」との声が挙がるが入所までに○年待ちなのだそう。



行き場のない強度行動障害の子。

安心できる心の行き場のない親。


はるか昔よりは介護業界の進歩はめざましいが、彼らはこれから先どうなるのだろうか。

親は子を殺め、子は親・他人を殺めやしないだろうか。


世界は精神障害に関しては置いてけぼりにする。

強度行動障害に対する薬物療法や精神療法がもっと進んで欲しい。


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