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【Bリーグ】チームスタッツで振り返る21~22シーズン 茨城ロボッツ編

初のB1に苦戦も確かに踏み出した第一歩

シーズン成績

毎年B2の上位に位置しながら、昇格には手が届かなかった茨城でしたが、20-21シーズンは満を持して昇格を手にするため、積極補強を実施。群馬にこそプレーオフ決勝で敗れたものの、準優勝でB1昇格を掴み取りました。

B1での戦いを迎えるにあたり、まず発表されたのは経営体制の変更。社長が退任すると共に、GMも退任と、フロントでの変化が訪れました。またロスターについても、B2時代を長年支えた眞庭選手が山形へ移籍、小林選手がアルティーリ千葉へ移籍するなど、複数年在籍の選手たちとの別れを経験しました。

共にB1へ昇格をした群馬が派手な補強をして話題を集める一方で、茨城は身の丈に合った堅実な補強をしていたという印象があります。北海道から多嶋選手を、三遠から西川選手を、またアジア枠としてフィリピンのハビエル・ゴメス・デ・リアニョ選手を獲得。茨城はロスター確定にあたりGMがコメントを出しているのですが、決して派手ではないながら、B1で戦うにあたってのメンタリティを醸成してくれる選手たちを揃えました。

シーズンでは開幕6連敗とB1の厳しさを味わうことになりますが、7戦目にして待望の初勝利を記録。またシーズン中盤には4連勝を記録するなど、徐々にB1へアジャストしていきます。やはりB1初年度ということで苦しい戦いを強いられましたが、それでもB1の先輩4チームを上回る全体18位でシーズン終了。特に前年度、B2で一度も勝つことができなかった群馬相手に3勝1敗で勝ち越すなど、意地を見せてくれました。


ベーシックスタッツ

各種チームスタッツは下記の通り。前年の数値と、リーグ内での順位も記載しています。なんとなく強みと弱みがわかるように、絵文字で装飾してみました。

また昨シーズンの成績は、B2のものになりますので、ランク変動は付けていません。

ベーシックスタッツ

フリースロー成功率は堂々のリーグ1位を記録

B1昇格組はB2との勝手の違いから、スタッツでもなかなか上位を記録することができないのですが、茨城はそんな中でフリースロー成功率が堂々のリーグ1位を記録。

B2時代からこの数字が高かったのですが、多くフリースローを獲得する外国籍選手たちがいずれもフリースローを苦手としておらず、75%を超える確率でショットを決めていました。また平尾選手に至っては、100本以上の試投数で9割を超える成功率を記録。出場試合数の関係上、ランキングには名前がありませんが、この数字は北海道の橋本選手に次いでリーグ2位という好成績になります。


アドバンスドスタッツ

小難しいことは私も分からないのですが、アドバンスドスタッツを見るとより特徴が見えてくるらしいです。一応補足説明を簡単に書いていますが、詳細は各自で調べてもらえると嬉しいです。
こちらも昨シーズンはB2のものになるので、ランク変動の評価は記載していません。

アドバンスドスタッツ

インサイドの弱さが目立つ

スタッツでリーグ下位に沈んでいる項目がいくつかあるのですが、中でも特徴的なのが、インサイド関連の弱さでしょうか。オフェンスリバウンドを奪えず、ディフェンスリバウンドも取れていない。それゆえに、相手のセカンドチャンスポイントが多いという状況。優秀なシューターを抱えているというチーム事情もあるのか、ペイント内での得点も伸びていません。

下位チームには珍しくターンオーバーが少ない

そんな中、優秀な数字を残しているのがターンオーバーの少なさ。下位に沈むチームはこの数字が特に悪い印象があるのですが、茨城はそうではないようです。ターンオーバーが少ない分、シュートで終われているはずであるものの、なかなか得点につながっていない歯痒さはあります。しかし、FG%が向上すれば平均得点の上積みに直結する下地があるということは、来季に向けて明るい材料と言えるのではないでしょうか。

ターンオーバーが少なく、フリースローを確実に決めてくる…対戦相手としたらやりにくいことこの上ないですよね。このような特徴で持って今シーズン好成績を残したのが、サプライズチームともなった島根でした。オフェンスに寄ったチーム編成など共通点も多く、茨城がB1を戦っていく上で、島根が一つのモデルになるような気もします。


オフェンスに振り切ったチーム編成

今オフ、遥天翼選手が引退し、髙橋祐二選手、マーク・トラソリーニ選手が退団と、B1昇格の喜びを分かち合ったメンバーがチームを去ることがアナウンスされました。

一方で、B1二年目、更なる飛躍を期して強力な補強も発表されています。帰化枠として、B2得点王も獲得したことのあるトーマス・ケネディ選手を獲得した他、宇都宮で強烈なインパクトを残したガードのLJ・ピーク選手を獲得。また北海道からは若手ながら主力級の活躍を見せた山口選手を獲得し、大阪からこれまたプロスペクトのジョセフ選手を獲得。フロントが掲げる「超攻撃的」「長い年数に渡って在籍してくれる若手選手の獲得」といった方向性に合致する選手をきっちり補強してきました。

GMのコメント曰く、「Bリーグの過去のロスター形成において、ここまでオフェンスに振り切ったスピード重視のチームは未だかつてなかったと思います」とのことで、とにかくオフェンスとスピードで尖ろうという強い意志が見てとれるロスター陣にワクワクが止まりません。果たしてこの思い切ったロスター形成がどのような結果を導くのか、茨城の来季の戦いぶりに要注目です。


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