【Bリーグ】チームスタッツで振り返る21~22シーズン　香川ファイブアローズ編

西地区1位でプレーオフ初出場を果たす

シーズン成績

2シーズンに渡りチームを指揮したヘナレHCが退任し、新たにACから昇格する形で石川HCが就任。また選手構成は、高比良選手やコッツァー選手のB3への移籍はあったものの、ウッドベリー選手、ヴァーグ選手、兒玉選手、谷口選手といったメインどころは昨シーズンから継続。そこに、B1の滋賀からアンガス・ブラント選手、頓宮選手を獲得したほか、飯田選手なども新戦力として加わりました。

開幕戦の東京Z戦を見事勝利で飾ると、そこから４連勝。直後、越谷に連敗を喫するものの、その後も安定的に勝利を重ね西地区１位をひた走ります。春先にかけて連敗を喫するなど、一時調子を落とした時期もありましたが、シーズン終盤には復調し、見事西地区1位及び、プレーオフ初出場を掴み取ります。

プレーオフ初戦の相手は佐賀。レギュラーシーズンで5勝1敗と相性の良い相手だったということもあり、2連勝できっちり勝ち切ります。迎えた準決勝の相手は仙台89ers。レギュラーシーズンは1勝1敗と5分の対戦成績。ホーム開催という地の利を活かして戦いたい香川でしたが、逆に相手の得意とするロースコアゲームに持ち込まれ、3戦目までもつれた上に敗戦。3位決定戦は熊本がコロナの影響で開催ができず、不戦勝となり、シーズンを終えました。

ベーシックスタッツ

各種チームスタッツは下記の通り。前年の数値と、リーグ内での順位も記載しています。なんとなく強みと弱みがわかるように、絵文字で装飾してみました。

ベーシックスタッツ

スリーポイントが強烈

どの数字も概ね伸びているのですが、中でも目を引くのがスリーポイント関連のスタッツ。元々スリーポイント主体のチームではあったのですが、今シーズンはそこにさらに磨きがかかり、B2では他の追随を許さないような強烈なスタッツを残しています。試投数、成功数共に1位なのですが、成功率も1位と全て1位。これは相手チームからしたら堪らないでしょう。

またフリースロー成功率も1位と、シュート力に絶対的な自信を持っていたことがうかがえます。特筆すべきはリーグ2位の成功率を誇ったウッドベリー選手でしょうか。昨シーズンも多くのスリーポイントを決めていましたが、今シーズンはそれにさらに磨きがかかり、このスタッツを牽引しました。

この3ポイントが香川の特徴であり強みでもあったわけですが、プレーオフの仙台戦では3戦とも成功率が2割台と低迷。佐賀戦では40％近辺で快勝していたのとは対照的な内容でした。強みである一方、そこを消されたときの戦いぶりというのが課題であったようです。

アドバンスドスタッツ

小難しいことは私も分からないのですが、アドバンスドスタッツを見るとより特徴が見えてくるらしいです。一応補足説明を簡単に書いていますが、詳細は各自で調べてもらえると嬉しいです。

アドバンスドスタッツ

順位を押し上げたのはオフェンスよりディフェンスっぽい

香川というとオフェンスの印象が強いのですが、アドバンスドスタッツを見ると、レーティングの上昇率が大きいのはオフェンスではなく、むしろディフェンスの方でした。元々リーグでも下位であったのが、中位ぐらいに改善。平均失点もリーグでは決して少ない方ではないのですが、昨シーズンから3点以上減らしており、昨シーズン比で変化のない平均得点と比べると、より良化が見られたのはディフェンスの方だったと言えるのではないでしょうか。

ペイント内で失点や、与フリースロー率、ターンオーバーからの失点などで改善が見られており、この辺が地味ながら効いているのかもしれません。

得点パターンにも変化が

昨シーズンと変わらず高い平均得点を誇った香川ですが、その得点パターンには変化が見られていました。先述の通り、スリーポイントが得点の軸になっていたのに加え、ファストブレークからの得点、ターンオーバーからの得点が大きく増えており、よりスピーディでダイナミックなオフェンスが展開されていたようです。

一方でペイント内での得点は大きく減らしており、アウトサイド偏重の傾向が見て取れます。

B1ライセンス取得で満を持して昇格を狙う

これまで長らくB2ライセンスが交付されていた香川でしたが、ついにB1ライセンスが交付。シーズン終了前に、一足早く嬉しいニュースが駆け抜けました。

満を持して昇格を狙うシーズンとなりますが、選手契約では思わぬ動きを見せています。長年チームの主軸を担っていたウッドベリー選手と、これまた得点源の一つであった谷口選手が、共に昇格を争う熊本へ移籍。そのウッドベリー選手の穴を埋める選手として香川がセレクトしたのが、B1昇格を争う相手となる佐賀で、スティール王にも輝いたヘソン選手。なかなか選手の動きが激しいオフとなっています。

来シーズン、B3から長崎、A千葉というなかなか手強そうな新興チームが昇格してきますが、果たして香川はそこを勝ち抜き、B1昇格を掴み取ることができるでしょうか。その戦いぶりに、注目です。