リーガルブルーム：ジャマイカ最高の繁殖牝馬

　アーバンシーやシーザリオなど、1国に1頭は「ヤバい繁殖牝馬」がいるものです。ジャマイカではリーガルブルーム（Regal Bloom）がそんな「ヤバいお母さん」に該当します。

【リーガルブルームって誰？】

　リーガルブルームは1970年3月6日にアメリカで産まれました。ヘイルザプリンス産駒の牝馬です。

　2歳時にジャマイカに送られたそうです。しかし、競走生活についてはよく分かりません。"Pedigree Query" では13戦2勝と書かれていますが、どうなんでしょうね。こういう Wiki 的なサイトを鵜呑みにするのは相当危険ですが、とりあえず目立った競走馬ではなかったという認識にしておきましょう。

　リーガルブルームが本領を発揮したのは繁殖牝馬となってからでした。

【母として】

　1976年、父ブラスターラスとの間にゲイルフォース（Gale Force）が産まれました。この馬は1979年のジャマイカ2000ギニーの勝ち馬です。

　1978年に父をシークレットマンに変えて産まれた半妹のフォースフルネイティヴ（Forceful Native）は、1981年にジャマイカ・オークスを優勝しています。

　リーガルブルームの母としての最高傑作はハロープーチールイ（Hellopoochielui）です。"Hellopoochieliu" と表記しているところもありますが、ジャマイカのケイマナス・パーク競馬場のHPでは "Hellopoochielui" となっていたので、今回はこちらの表記を採用しました。フォースフルネイティヴの全妹として1980年に産まれ、1983年にジャマイカ1000ギニーとジャマイカ・オークスを勝利して牝馬2冠を達成するだけでなく、その年のジャマイカ・ダービーも制しました。

【母母として】

　1985年、リウチープー（Liu Chie Poo）という牡馬が誕生します。父はエレメント、母はハロープーチールイです。リウチープーは1988年に2000ギニー、ダービー、セントレジャーを優勝し、ジャマイカ競馬史上9頭目の3冠馬となりました。また、母ハロープーチールイとの親仔ダービー制覇・親仔2冠制覇でもありました。

　1987年に産まれたディスティンクトリーネイティヴ（Distinctly Native）は、父ザピースメーカー、母フォースフルネイティヴという血統の牝馬です。1990年にジャマイカ1000ギニーとジャマイカ・ダービーの2冠を達成しました。

【母母母として】

　2000年、ディスティンクトリーネイティヴが父ロイヤルミニスターとの間にアキングイズボーン（A King Is Born）という牡馬を産みます。アキングイズボーンは2003年にジャマイカ2000ギニーとジャマイカ・ダービーを制して2冠馬に輝きます。同時に、母ディスティンクトリーネイティヴとの親仔ダービー制覇・親仔2冠制覇を達成しました。

　翌2001年には父をアイリッシュクエストに変えてアキングイズボーンの半弟が産まれます。それがディスティンクトリーアイリッシュ（Distinctly Irish）です。この馬も2004年にジャマイカ2000ギニーとジャマイカ・ダービーの2冠を達成します。半兄アキングイズボーンとの兄弟2冠達成、そして2年連続で母ディスティンクトリーネイティヴとの親仔ダービー制覇・親仔2冠制覇です。

【母母母母として】

　2010年に産まれたパーフェクトネイバー（Perfect Neighbour）は、父ナチュラルセレクション、母デスペレートハウスワイフ（Desperatehousewife）という血統です。3代母がハロープーチールイなので、リーガルブルームは4代母にあたります。パーフェクトネイバーは2013年にジャマイカ・ダービーとジャマイカ・セントレジャーの2冠を達成しました。

【まとめ】

　いかがでしたか？　図にすると改めてリーガルブルームの偉大さを実感できます。

　今回は3冠競走の成績しか書きませんでしたが、リーガルブルームの子孫たちは他にも多くのビッグレースを優勝しています。1頭の3冠馬を含む6頭のダービー馬を輩出したリーガルブルームのラインは、世界で類を見ない成功した牝系と言えるのではないでしょうか。

内容が面白かった・役に立ったという方は、ハートボタンのクリックや、SNSのフォロー、サポートなどをよろしくお願いします。活動のモチベーションにつながります。

---

木下 昂也（Koya Kinoshita）
Twitter : @koyakinoshita24
Instagram : @kinoshita_koya1024
Mail : kinoshita.koya1024@gmail.com