蟲惑魔設定考察

 この記事では蟲惑魔テーマ、および各蟲惑魔モンスターたちの設定について考察していく。前半はまじめな解説、後半は強欲で貪欲な記事。

 ①蟲惑魔モンスターカードとは?
 ②そもそもあの女の子たちってモンスターなの?
 ③設定資料やフレーバーテキストなどの公式情報は?
 ④結論
 ⑤各蟲惑魔モンスターの特徴・考察
 の5項で進めていく。

①蟲惑魔テーマとは?

 愛らしい少女たちのカードイラストが特徴的な、植物族・昆虫族のカードであり、全ての蟲惑魔モンスターにモチーフとなる植物や昆虫が存在している。
 初期実装の蟲惑魔を挙げるだけでも、
《カズーラの蟲惑魔》は「ウツボカズラ」。有名な食虫植物。
《トリオンの蟲惑魔》は「アントリオン」。アリジゴクの英名Antllionから。
《アトラの蟲惑魔》は「アトラクス」。シドニージョコウグモの英名『atrax-robustus』から。
 といったように『罠にかける』特性を持った食虫植物・昆虫から名前・姿形が取られている。蟲惑魔テーマ自体が罠カード(特に落とし穴)と関係が深いテーマなので、それが理由だろう。
 そして各カードイラストの少女たちの背景には、モチーフ植物・モチーフ昆虫を巨大化したようなモンスターの姿が描かれており、少女の部分と巨大モンスターの部分を合わせてひとつの「蟲惑魔」という存在であることが伺える。

 2013年に最初の蟲惑魔カード3枚が実装されてから現在に至るまで、非常にゆっくりとしたペースで新規カードが参入していっており、今ではXYZモンスター、リンクモンスターなども揃い一つのテーマとして純正デッキを運用できるまでになった。
 2022年12月、蟲惑魔ストラクチャーデッキ 蟲惑魔の森~狂宴への誘い~にて一気に新規カードが追加されたのが最も大きい動きであり、その後も2023年発売のパックで新規《落とし穴》カードが追加されるなど、追い風が続いている。遊戯王OCGとしても、まだまだ期待ができそうなテーマだ。

蟲惑魔実装年表メモ
●2013/4/20 【JUDGEMENT OF THE LIGHT】
 《アトラの蟲惑魔》《カズーラの蟲惑魔》《トリオンの蟲惑魔》

●2014/2/15 【PRIMAL ORIGIN】
 《ティオの蟲惑魔》

●2015/7/18 【ディメンション・オブ・カオス】
 《フレシアの蟲惑魔》

●2017/4/15 【CODE OF THE DUELIST】
 《ランカの蟲惑魔》

●2018/11/23 【LINK VRAINS PACK2】
 《セラの蟲惑魔》

●2020/10/3 【WORLD PREMIERE PACK2020】
 《リセの蟲惑魔》

●2020/1/11【ETERNITY CODE】
 《アロメルスの蟲惑魔》

●2021/1/16 【LIGHTNING OVERDRIVE】
 《ジーナの蟲惑魔》《クラリアの蟲惑魔》

●2022/12/3 【ストラクチャーデッキ ─ 蟲惑魔の森 ─ 狂宴への誘い】
 《キノの蟲惑魔》《プティカの蟲惑魔》《ホールティアの蟲惑魔》《シトリスの蟲惑魔》《アティプスの蟲惑魔》《蟲惑の園》《蟲惑の誘い》




②そもそもあの女の子たちってモンスターなの?

 未だ公式からの明確な声明は無い(後述)が、プレイヤー間でまことしやかにささかれている説として『モンスター部分が本体であり、女の子部分は疑似餌である』というものがある。
 『少女姿の疑似餌で誘惑し、罠に嵌め、モンスター本体が捕食する』と言う説だ。
 テーマ自体のカード効果として『罠・落とし穴に嵌める』ことが中心となっており、蟲惑魔の各種関連カードイラストからもそれは見て取れる。
 そして、蟲惑魔たちのカードイラストを良く見れば、全員もれなく目にハイライトがないことがわかる。これは『意思がない人形』などの典型的な描写であり、少女疑似餌説をなお後押ししていると言えるだろう。
 つまり少女の姿は完全に餌であり、意思の無い肉塊。本体のモンスター部分が効率よく獲物を罠に嵌め捕食するための生存戦略であり、その結果進化・獲得したものである。という論調だ。
 確かに、理にかなっている。


────しかし、本当にそうなのだろうか?



 筆者は疑問に思った。
 きっかけは《フレシアの蟲惑魔》・《アロメルスの蟲惑魔》のカードイラスト。
 《フレシアの蟲惑魔》ではアトラ・カズーラ・トリオン・ティオの4体のモンスターたちが本体・少女共に仲睦まじく身を寄せ合っている姿が確認できる。かわいい。
 《アロメルスの蟲惑魔》のイラストではこちらに向かって手を差し伸べているアロメルスの後ろにランカ・セラが映っており、アロメルスの視線の先、またはアロメルス自身を気にかけている様子がわかる。とてもかわいい。

 本当にただの『疑似餌』なのであれば、わざわざ5体で集まり寝転がる必要は無いはずだ。
 本当に『意思がない』のであれば、他の蟲惑魔個体たちの行動を気にかける必要も無い。
 むしろ罠にかけるという性質上、蟲惑魔たちは互いのテリトリーがあるはずであり、理由なくそこを動くなどもってのほかのはずだ。
 共存関係である可能性もあるが、同時に獲物の取り合いをする敵同士である可能性もある。(これは後にストラクチャーデッキの資料により否定された)
 現実の食虫植物やアリジゴクにとっても獲物の捕獲は死活問題であり、『獲物がかかるまで待つ』という安定した供給が見込まれない捕食生態は、『無駄なエネルギーの消耗』が即ち死に直結する。それは、同じ生態を持つ蟲惑魔たちにも当てはまるはずだ。特に人体に似せた肉塊を動かすという行為は、自然界にとっては途方もないエネルギー量が必要なことである。
 しかし、上記のフレシア・アロメルスの蟲惑魔のカードイラストからは、蟲惑魔の少女(部分)たちが『意思を持って行動しており、互いにコミュニケーションを楽しんでいる』ようにしか見えないのだ。

 つまるところ筆者が伝えたいのは、蟲惑魔というのはモンスター部分・少女部分を合わせて一つのモンスターであり、一つ(またはそれぞれの)明確な意思を持っているということ。少女たちがさも人間かのように姦しく歓談をすることもあるほどに、だ。

 もちろん疑似餌説を否定するつもりもなければ、自説を絶対とするつもりもない。
 ただ、少女は少女。モンスターはモンスター。として独立した存在なのではないか。
 少女たちはそれぞれに人格・趣味趣向があり、お互いに娯楽を求めてコミュニケーションをする程度には(我々が言うところの)人間性があるのではないかということを筆者は声高に叫びたい。

 そしてその自説を、主観的・客観的に③・④の項で解説補完していこうと思う。



③設定資料やフレーバーテキスト、公式情報は?

 この項では、公式からの情報を解説していく。
 蟲惑魔モンスターたちは初期実装の3人娘全員が効果モンスターであるため、フレーバーテキストというものが存在しなかった。
 続く新規蟲惑魔たちも全員効果モンスター(または罠モンスター)であるため、長らく公式資料というものがほぼ存在しなかったのだ。

 故に、蟲惑魔の設定を深掘りしていこうと思えばカード外の情報をかき集めていく必要がある。
 
 
 

 公式から公開されている最も有名な設定資料といえば、Twitterなどで公開されている設定画だろう。
 それについては、ドラグマテーマに始まった《エクレシア》の設定画が有名だろう。(資料曰く『ご飯はたくさん食べるタイプ』。可愛いが過ぎる)

2020年4月10日に投稿された公式ツイートより

 他にもP.U.N.K.テーマの《セアミン》の設定画などが公開されており、その数は決して多くはないが、公開されるたびに担当イラストレーター氏のこだわりや、カードの裏側に隠れた遊戯王の世界観が見え隠れし、とても評判が高い。
 
 が。

 残念ながら、蟲惑魔モンスターに関するそのような設定画は公開されていない。(だからKONAMIは早くセラちゃんの設定資料を出すんだ。言い値で買おう)

 しかし、他のコンテンツ上に公式からの情報が存在する。
 今回は、それを羅列していく。
 
 

 公開が古い順に、まずはマスターガイド4から。

 とある動植物学者(女性という説がある)が、大量の行方不明者を出している森に調査に向かった結果、年端もいかない少女たちを発見。そしてその少女たちこそが行方不明の原因であると気づき『蟲惑魔』と名付けた。というもの。
 ちなみにこの際、その動植物学者が《アトラの蟲惑魔》に見つかり狩られそうになったが《トゲトゲ神の殺虫剤》を使用したことにより難を逃れている。さすがモンスターが跋扈する世界を生き抜く動植物学者、用意周到である。

トゲトゲ神の殺虫剤って市販品だったのか……




 次に、ストラクチャーデッキ『蟲惑魔の森』付属の紙製プレイマット。の、裏面。

 裏面には蟲惑魔たちの生態系などが、それらの調査を行う調査員の記録という体で書かれている。
 先述の第一発見者である学者に続いてか、近年蟲惑魔を調査しようという動きがひそかに活発になっているらしい。
 蟲惑魔の生態系、各蟲惑魔の特徴、そしてその調査に向かったロリコン研究者たちが次々と捕食されているにも関わらず、調査に挑む者が絶えないこと。
 そして『蟲惑魔たちにテリトリーがあること』『しかし蟲惑魔同士争うことはなく、テリトリーを共にする種同士もいること』『特に仲の良い蟲惑魔たちは協力して狩りをしたり、獲物を分け合ったりと共生していること』も記されている。ロリ百合はいいぞ。

公式では『特製フィールド』とのこと



 最後に、遊戯王クロスデュエルから。
 クロスデュエルでは《アトラの蟲惑魔》・《カズーラの蟲惑魔》が実装されている。
 そして驚くべきことに、どちらも最初はカード効果を持たない『通常モンスター』となっている。
 通常モンスターということは。

 そう、フレーバーテキストが存在するのだ。

 
テキストは以下の通りである。

小悪魔・蟲惑的と、テーマ名の語源が平易に使われている

 前述の研究者たちの記したもののような、そうでないようなテキストだ。  しかし、クロスデュエルにはさらに素晴らしい要素が存在する。
 それは『3Dモデルが存在する』ということ。
 そしてその3Dモデルの全身をくまなく眺めることができる。これ以上の設定資料があるだろうか。

なんか蟲惑魔モデルだけやけに白い



 そして重要なのは、アトラのモンスター部分の肢が少女部分の背中に接続されているということ。これは非常に大きい情報だ。
 ちなみにさらにカメラを仰角に向けると、しっかりと(?)パンツを履いていることが確認できる。チクショウ!

パンツ!パンツです!




④結論

 いかがだろうか。以上が公式からの情報だ。

 他にもストラクチャーデッキの新規カードイラストからは、同プレイマット裏面の情報を証明するように、フレシア+キノ、ランカ+プティカ等の仲良し共生シーンが見られる。
 よって、あの蟲惑魔の少女たちが『意思のないただの疑似餌である』という説が否定されたのは自明だ。

 少女たちは自らの意思を持ち、他の蟲惑魔たちと交流を図り、あの森で楽しく生きているのだ。人は喰うけど。


 
 そして一番有名な『意思なき疑似餌』説が否定された今、蟲惑魔界隈に激震が走っている。
 この激震はP.U.N.K.テーマの《セアミン》に男の娘説が浮上したとき以来の激震だ。(ちなみに筆者は当然ながら女の子説を推す。男の娘説派とは徹底抗戦する構えだ)


 現在の一般的な説は、以下の通りだ。
 ①どちらも独立した意思を持つが、やはり二つで一つの存在である。
 ②女の子が本体で、モンスター部分は使い魔やペットである。
 ③モンスター部分が本体だが、人語が必要な場面(誘惑・他蟲惑魔との交流)でデバイス的に少女部分を利用している。
 
 
 個人的に、③の説は可能性が薄いと思っている。
 なぜなら、モンスター部分が本体であればキノの蟲惑魔がフレシアの膝で寝る(魔法カード《蟲惑の誘い》参照)など、生物的に無駄と思える行動はしないはずだからだ。前述の『蟲惑魔たちが仲良く集合している』旨にも反している。
 
 と同時に、①の説が有力だと考えている。
 ①と②の説は似ているが、明確に違うことがある。
 それが顕著になるのは『狩った獲物からのエネルギー補給』の問題だ。
 
 クロスデュエルの3Dモデルでは、《アトラの蟲惑魔》は背中にモンスター部分の肢が刺さる身体構造になっている。それも、人間なら背骨が通っているような部分に。
 これを見るに、『捕食は主にモンスター部分が行い、得た栄養を少女部分に送る仕組みがあるのではないか』と考えられる。
 それを真とするなら、モンスター部分がただの使い魔であるという②説は同時に否定される。
 ただ、種ごとにその仕組みは違うものであろうし、物理的に接続する仕組みを採用しているアトラが異端という可能性もある。例えば植物系蟲惑魔であれば、モンスター部分から体液が分泌され、それを経口摂取し栄養を得る方法を採っている、などの可能性だ。なにそれえっちじゃん。
 
 だがそれを真と断定はできないため、筆者は②の説も否定しない。
 少女部分が獲物となった知的生命体をバリバリと喰らう可能性もあるからだ。それはそれでえっちじゃん。
 

 そして、筆者はこれ以上の追求はしない。
 なぜなら公式から決定的な情報が提示されていない上に、調査員曰く『蟲惑魔の研究が活発になっている』らしいからだ。これはこれからも蟲惑魔テーマカードが追加されていくことを示唆している。その度に公式からの新たな情報が供給されるのだ。
 
 つまり筆者が言いたいのは。
 

 『蟲惑魔新規もっと出せ』

  (できれば25thシクで)
 

 ということである。



⑤各キャラの特徴・考察


 各蟲惑魔モンスターたちの解説に入っていく前に、ざっくりと蟲惑魔モンスターの特徴についてまとめていく。 
 
 まず、リンク以外の蟲惑魔モンスターはATK・DEFの合計値が必ず2800になるよう調整されている。
 トリオンならATK1600/DEF1200、ジーナがATK1400/DEF1400、フレシアならATK300/DEF2500といった具合だ。
 そして、この数字の組み合わせが重複することはない。 
 
 リンクについては特殊で、リンク1のセラがATK800、リンク2のクラリアが1800、リンク3のアティプスが1800(だが、自身の効果によりほぼ常時+1000のパンプが入っているだめ実質2800)。 
 
 
 う~~~~~~~~~ん、エモい。
 現場からは以上です。
 
 
 次に蟲惑魔モンスターの容姿について。
 まず、全員かわいい。そんなことは火を見るより明らかだ。とにかくかわいいのだ。 
 その『かわいい』を体現したような容姿は、大別して2種類に分けられる。
 それは『植物族』と『昆虫族』である。
 ここで勘違いしてほしくないのが、この区別はどちらが良いとかいう問題ではないということ。
 当然ながら、どちらも良いに決まってる。
 いわゆる、甲乙つけがたい、というやつだ。
 
 言うなればそれは『月』と『太陽』の関係であり。
 
 『陰』と『陽』であり。
 
 『おすぎ』と『ピーコ』であり。
 
 『徹子』と『部屋』の関係なのである。
 
 なぜいきなり徹子が出てきたのか甚だ疑問だが、筆者が伝えたいのは『互いに必要不可欠なもので、二つ合わさり素晴らしいものを生み出している』ということだ。 
 
 ちなみに徹子も『有名番組の看板という餌を用意し』『獲物である芸人を自らのテリトリーに誘い』『盛大に滑らせることで恐怖に陥れる』という特徴は蟲惑魔と一致している。
 だがあれは玉ねぎの悪魔だ。蟲惑魔ではない。徹子の捕食シーン(意味深)など、見たいと思う人間はいない。それはきっと、自然界のそれより残酷な映像だ。ゴア表現もいいところだ。
 
 

 話を戻そう。
 
 まず植物族の蟲惑魔たち。
 もれなく食虫植物がモチーフのこの娘たちは、総じて垂れ目で、穏やかな表情をしている。
 
 それは食虫植物特有の『待つ』という狩りのスタイルの表れだ。
 自らは動けず、獲物が自分から罠にかかるのを待たなければならないため、『敵意がないように見せかけ、優しく誘惑する』のだ。
 
 その柔和な目は獲物を誘惑するのにも一役買っているが、筆者はもう一つ理由があると考える。

 それは『余裕の表れ』だ。
 
 現実の食虫植物の話に戻るが、一般的に食虫植物は虫などの獲物から得られるエネルギーだけで生きていると思われがちだ。
 だが、実はそうではない。彼らも通常の植物と同じく、光合成ができるのだ。
 というか、そちらが主な栄養源だ。光合成が出来なくなれば枯れて死んでしまうが、虫が捕れなくとも死にはしない。 
 言い換えれば、食虫植物にとって虫は嗜好品なのである。
 彼らは『光合成飽きたな……せや! 虫食ったろ!』という進化をしたのだ。
 
 ちなみに、虫が獲れなかった個体は、獲れた個体に比べて身体が小さく、葉の色は薄く、繁殖力もやや低くなるようだ。それが蟲惑魔にも当てはまるとすれば、筆者としてはその方が好みなので是非ともそのままの君でいてほしい。
 
 兎にも角にも、これが植物族の蟲惑魔少女たちが見せる『余裕』の理由だ。

 獲物が獲れても獲れなくても、どちらでもいい。
 罠にかける理由は、楽しくて、おいしいから。
 彼女たちにとっては、それで十分なのだろう。
 
 
 

 次に昆虫族の蟲惑魔たち。
 彼女らの特徴は、さきほどの植物族の説明の反対であるというと分りやすいか。
 総じて『吊り目で、攻撃的(または挑戦的)な表情』をしている。
 そこには巨大な昆虫が『自ら動き、獲物を襲う』という特徴が表れている。
 落とし穴がテーマである故に、蜘蛛の巣やアリジゴクといった罠にかける要素が強い昆虫がモチーフとなっている。
 昆虫にしてはやや待ちのスタイル寄りではあるが、蜘蛛もアリジゴクもそのままでは獲物に逃げられてしまうことも少なくない。
 なので、最後には自らの手で仕留めに行く必要があるのだ。
 以上の特徴から、植物に比べ動的なことに間違いはない。

 更に『獲物を捕らえなければ死ぬ』という事実は、さきほどの植物族の説明と最も対照となる要素だ。
 彼女らは、生きるために獲物を狩ることに必死になる必要がある。
 《狂惑の落とし穴》ではプティカとランカが協力して狩りを行う様子が描かれており、恐ろしくもかわいいイラストになっている。
 先述の通り、プティカは獲物を摂取せずとも問題ないということを考えると、捕まった獲物はランカに優先的に渡しているのだろうか。だとすればなんとエモいことか。蟲惑の園はここにあった。 
 
 
 ちなみに個体によっては『自らが罠に囚われているように見せかけ、助けに来た者を捕獲』しようとする狡猾な種も存在する。《アティプスの蟲惑魔》などが代表的な例だ。(トリオンもそのタイプ?)
 実は、これは蟲惑魔が少女の姿をとっている理由にも繋がっている。
 それは『少女が助けを求めている』という状況が老若男女すべてに有効な罠と化すからだ。
 これが、容姿や甘言での誘いだけでは陥れられない層をカバーしている。驚くほど理に適っている。
 
 
 最後に、昆虫族の蟲惑魔たちは総じて容姿と表情から『メスガキ』と称されることもあるが、それについては筆者も全面的に同意する。メスガキなんていくらおってもええですからね。
 アトラのような嗜虐的・支配的なタイプから、ランカのように飴と鞭を使いこなしそうなタイプまで、まさにメスガキの見本市と言ってもいいだろう。彼女らに殺されてもいいや、と考える調査員たちの気持ちがとてもわかる。でも実際に痛いのは嫌なので、その要素は薄いブックを厚くするだけにしてほしい。
 
 
 以上を踏まえて、以下では蟲惑魔モンスターたちの詳しい個別解説に移っていく。
 ちなみに、並びは実装順だ。
  

●《カズーラの蟲惑魔》

 記念すべき初期蟲惑魔三人娘のうちの一人。
 モチーフはウツボカズラ。漢字で書くと靭蔓。????。
 一般的に食虫植物と言われて真っ先に思い浮かべる種の一つだ。
 モンスター部分は消化液の溜まった巨大ウツボカズラとなっている。
 
 蟲惑魔少女としての特徴は、開放的な薄着に長い金髪が目立つ娘。
 線の細い蟲惑魔の中でもさらに細く、白い肢体が眩しい。
 髪につけたワンポイントの花飾りも愛らしい。
 前述の説明の通り、ジト目気味の垂れ目で、おっとりしてそう。「~~だねぇ」って喋ると思う。裸足かわいい。
 そして筆者の最も推す蟲惑魔。
 おおらかで優しそう。金髪もドストライク。可愛いの権化。多分身長は140cmぐらい。小っちゃくてかわいいね……。
 ちなみにモチーフがウツボ『カズラ』なのに対し、筆者のファーストネームは『カズシ』。Noteの使い方ってこれで合ってたっけ?
 もっとカズーラちゃんのイラスト増えろ、オラッ!




●《アトラの蟲惑魔》 


 同じく初期娘の一人。
 モチーフは蜘蛛の一種、シドニージョウゴグモ。英名『atrax robustus』(アトラクス・ロブスタス)から。
 (なお、神話上の蜘蛛の神『アトラク・ナクア』から来ているという説もある)
 モンスター部分は巨大な蜘蛛。《蟲惑の落とし穴》イラストを見る限り、空中に巣を張って獲物を待つ典型的なタイプだと思われる。
 
 蟲惑魔少女としての特徴は、黒髪おさげでで見るからに嗜虐的。ドSロリだぁ……。
 おさげがかわいい。周りに浮いてる紫色の玉はなんだろう? マジカルアトラちゃんスターかな? マジカルアトラちゃんスターって何?????
 カズーラと同じで薄着なのすき。八重歯もっとすき。いっぱいいじめてほしい。身長は多分146cmぐらい。
 でもわからせおじさんにわからせられそうな娘代表、主にトゲトゲ神の殺虫剤とかで。
 でもマスターガイド4ではトゲトゲ神の殺虫剤かけられても生きてたみたい。やっぱりわからせられるフリをした後に『ざぁんね~ん♡』ってなるタイプだこの娘。
 
 筆者からはひとつだけ。『逆転あり』のタグはちゃんとつけろ。



●《トリオンの蟲惑魔》

 モチーフはアリジゴク。英名のAntllion(アントリオン)から。
 初期三人娘最後の一人であり、一時期とあるデッキで有名になった娘。 
 実装当初から今に至るまで様々なデッキに出張しており、☆4、罠サーチ持ち、サイクロン持ち、と何をしてもアドがついてくる鬼のようなカード効果を持っている。
 それ故、間違いなく蟲惑魔の下級モンスターで一番有名。2023年現在ですら、未だにテキストが下級の中で一番強い。
 とにかくどこにでも出張してなんでもやる娘。出張が多いせいで、蟲惑魔の中では一番アーゼウスの操縦経験がある。でも森に帰ってくるときは返してきなさいね。そのガ○ダム落とし穴撤去しちゃうから。

 たぶん身長は144cmぐらい。イラストの砂の部分とアリジゴクのハサミの部分が茶色い翼みたいに見えてるのは筆者だけじゃないはず。
 ちっちゃくてかわいいのに「がお!」ってポーズで威嚇してるのかわいい。
 正直2番目にすき。
 セラに並んで純粋でいい子そう。効果も含めて脳筋っぽい感じもイイ。
蟲惑魔の中で一番ボーイッシュだけど、出るとこは出てるんだよなぁ……。

 あとフレシアのイラストで見せてるお尻とズボンが性的すぎる。だいすき。Twitterだったらセンシティブ案件だからなお前。


●《ティオの蟲惑魔》


 モチーフはハエトリグサ。英名の『Dionaea muscipula』からとられている。じゃあティオじゃなくてディオじゃね? って思った人はもれなくロードローラーの刑だ。
 こちらもウツボカズラと並んで、食虫植物としてイメージされる種の代表格。モンスター部分でも、二枚貝のような捕食葉がしっかりと再現されている。
 ティオで再セットした罠、OCGだと使わなくても除外し忘れがち。
 

 身長は147cmぐらいか。他の蟲惑魔と比べ胴長で、ねむねむ系の娘。フレシアのイラストで寝てるの無防備かわいい。髪長いのもかわいい。
 せなかも足もすべすべでかわいい。すこ。もたれかかってるスライムみたいなのは……何だろう、わからないけどかわいい(?)。

 でも後ろの髑髏は怖いから、食べたらちゃんと片付けようね……。






●《フレシアの蟲惑魔》


 モチーフはかの有名な珍花ラフレシア。珍しく食虫植物ではない。
 実物はとてつもない異臭がするらしいが、蟲惑魔だとフェロモンとかなんかそういういい匂いがしそう。
 蟲惑魔では珍しくモンスター部分が怪物チックではなく、ただの花と思われる。
 現実のラフレシアは自身で光合成ができず『ツル科の植物に寄生し栄養を得る』特性と、異臭により『虫を呼び寄せる』特性を持っており、イラストで植物族・昆虫族の蟲惑魔が集まってきているのもそれが所以か。
 以上の特徴から察するに、フレシアは自身では狩りを行わず、容姿や香りで誘い込むだけと思われる。それを他の蟲惑魔たちに狩らせるといった、蟲惑魔たちの司令塔的役割を担っているのだろうか?
 ちなみにウツボカズラはツル性植物である。つまりカズーラちゃんとフレシアちゃんのあれやこれやがパラサイトでフェスティバル……!?
 
 身長は152cmと予想。ピンクのロングヘアが美しい。オタクがすきそう。すき。ピンクは淫乱と言われるが、フェロモンってそういうこと? 雌臭させやがって!
 服も何? ほとんど包帯? 誘ってるのかな? 誘ってるね。罠に。
 蟲惑魔の中ではお姉ちゃんしてそう。でも胸は慎ましいかわいい。
 ロリコン以外からは順当に一番人気ありそう。わかる。
 周りの4人呼んでくれてありがとう。ほんとこのカードイラストすき。
 蟲惑魔ちゃんたちの仲の良さとかアトラ・トリオンの仕草とかほんとすき。フレシアのスリーブは遊戯王の宝。天国で高橋和希さんもきっと喜んでる。よみがえれよみがえれ……(リビングデッドの呼び声)。



●《ランカの蟲惑魔》


 モチーフはカマキリの一種、ランカマキリ。学名はハナカマキリだが、蘭の花に擬態することから通称でそう呼ばれている。
 自身を花弁に見せかける擬態は見事で、同時に美しい。これに関してはぜひ実在のランカマキリの画像をググってほしい。
 モンスター部分はそのランカマキリをおぞましくした感じ。
 ちなみにどうでもいいが、筆者はランカちゃんの影響でポケモンでラランテスを育成したことがある。ポケモンは一般性癖! ポケモンは一般性癖!
 
 蟲惑魔少女としての特徴は、見るからにメスガキ。身長はきっと141cmぐらい。
 繰り返すが、メスガキである。
 筆者はメスガキ界隈に明るくないが、たぶんメスガキの中でも、おじさんをうまく依存させるタイプ。いじめるけど、同時に情けない姿を晒す男性が好きで、ペットとして可愛がってくれそう。メスガキ界隈に明るくないが。
 そしてこの子が一番露出度高いかも。すき。
 ピンクでいい匂いしそう。かわいい。
 プティカちゃんと仲が良いみたいね。百合かな? 百合だね。百合の間の落とし穴。挟まろうとした男がいた場合に発動できる。無効にし破壊し除外し対象のSNSのアカウントが炎上する。
 
 モンスター部分は蟲惑魔の中で一番怖い。




●《セラの蟲惑魔》


 モチーフはモウセンゴケ。英名のDrosera(ドロセラ)から。ドロッセラっていうとなお女の子ぽくてかわいい。
 食虫植物の中ではややマイナーな種だが、実は世界で一番広域に生息している元気な種。粘液にひっかかった獲物を、逃がさないために葉でじわじわと包んでいき消化してしまうという特性を持つ。
 コケと言うと、石にむしている苔を想像しがちだが、植物のコケは案外そういうものばかりではない。どちらかというと地面に生え広がっている雑草や、タンポポの葉の部分イメージすると近いかもしれない。
 モンスター部分は全体像が分かっておらず、現実のモウセンゴケに近い部分と、粘液を出す線毛のみが確認できる。《蟲惑の園》や設定資料からは、広範囲に線毛だけを生やせるらしいことが伺える。


 身長132cm(断言)。いちばん幼女。でも蟲惑魔が純正デッキとして運用できるようになった一番の立役者。間違いなく蟲惑魔デッキのメインエンジン。ぅゎょぅι゛ょっょぃ。
 二次創作界隈では蟲惑魔の代表でありマスコット的存在として扱われていることが多い。あとラドリーちゃん、エクレシア、ジャックナイツとかと仲良くしている姿をよく見る。理由は言わずもがな。
 2番目にすき。トリオンちゃんと同じぐらいすき。
 攻撃力低いのかわいいね。MDだとなんとかセラちゃんでフィニッシュできるように攻撃力調整しながら殴ってる。
 みんなの妹だよね絶対。他の蟲惑魔ちゃんたちに可愛がられるのが目に見える。
 粘液に引っかかったら逃がさないように葉で包み込む習性を持ってるってことは、粘液に引っかかったらセラちゃんにしゅきしゅき幼女ホールドしてもらえる!? すいません、トゲトゲ神の殺虫剤3つください。

 蟲惑魔デッキをプレイしていてもされていても、まず一番に目にする蟲惑魔からだろうけど、イラストサイトとかでも一番投稿作品数が多い。蟲惑魔の中で一番ちっちゃくてロリの域からさらに下に踏み外しそうな見た目してるのに。やっぱこのデッキ使ってる決闘者たちってそういう……。
 アップにしてる髪かわいい。こっちむいて笑ってるのもかわいい。ほっぺとかぷにぷにしてそう。
 手にはそれ何持ってるのかな? 草? 食べていい? え、毒? 別にいいよ、いただきます。≫≫死の筆者破壊ウィルス≪≪


 

●《リセの蟲惑魔》


 モチーフはゲンリセア。クラリアちゃんと同じタヌキモ科。タヌキモ科はみんな銀髪なのかな?
 咲かせる花がクラリアちゃんの花と似ててエモい。ナカーマ!
 リセちゃんのながーいツインテールがそのまま現実の植物の特徴になっていて、あの管状の器官の中は水流だったり返しがついてたりで、一度入ってしまうと消化器官までまっしぐら。コワイ!


 身長142cm。この子だけ海外産まれ。WORLD PREMIERE PACK2020とかいう飛行機でアメリカから日本にやってきました。帰国子女かわいい!
 日本に来て開放的な気分になっちゃったのか、衣裳も一段と薄着になっちゃったでござる!(※カードイラストが日本版と英語版で違う)
 全体的に白くて細くてかわいいね。髪の毛ぐるぐるかわいい。
 でも君なーんか似てるね。ほら、誰だっけ。たしか〇ズールレーンの……ル・〇ランちゃんと……

 ほぼ一致してる!!!!!









●《アロメルスの蟲惑魔》


 モチーフはアリの一種、『アロメルス・デケマルティクラトゥス(Allomerus decemarticulatus)』。なっがい!
 通称:拷問アリ
 その由来は樹上で捉えた虫を拘束、生きたまま解体しながら食べていくという恐ろしい生態を持つことから。
 そしてその捕食映像はあまりにグロテスクであるため、なんとあの『検索してはいけない言葉』にリスト入りしてしまっている。
 つまりそれをモチーフとする彼女とモンスター部分も恐らく……。
 ※我々の業界でも拷問です。


 身長153cm。お姉ちゃんかわいい。でも貧乳かわいい。
 一番キリっとしてて、黒い服も大人っぽくてかわいい。
 クラリアにつなげようとして墓地蘇生効果使ったら罠耐性なくなるのだけやめて。おねえちゃんしっかりしてー!
 赤いストレートロングヘアかわいい。こっちもフレシアと並んで、一般層に人気ありそう。ある。
 イラストも多いよね。でも盛るのだけは許さん。ちゃんとカードイラストの大きさ通りに描け(過激派原理主義)。

 ちなみに蟲惑魔のおかげで元ネタの『アロメルス・デケマルティクラトゥス』を言えるようになったら、デュエリストとしてよりキモさが増すのでおすすめしない(1敗)。




●《クラリアの蟲惑魔》


 モチーフはウサギゴケ。英名『Utricularia sandersonii』(ウトリクラリア・サンダーソニー)から。2人目のタヌキモ科!
 こちらもセラと同じく、石に張り付いているようなコケじゃなくて、背の低い雑草をイメージしてもらった方が近い。その草にまるでウサギのような可愛らしい小さい花がつくので、観賞用にとても人気がある。
 蟲惑魔としての彼女のモンスター部分は、けっこう謎。
 多分クラリアちゃんの周りにいるウサギ状の水ようかんのようなものが襲ってくるのだと思われる。かわいい。
 でも下級蟲惑魔として最高攻撃力のアトラ(ATK1800)と同じだと考えると、人間をミンチにするぐらいのパワーはありそう。


 身長はきっと143cm。モチーフがウサギゴケだけに、ウサウサしててかわいい。
 でもちょっとイラストとデザインがあざとすぎないか?狙いすぎとちゃうか?でもかわいいから全部許す。無罪!
 またもダウナー系娘。こっちは本気でダウナーしてそう。無気力系というか、声かけても全然返事してくれなさそう。
 でもそれが本来の疑似餌としての役割を一番真っ当してるのかも。省エネ系ロリいいよね! お返事しないとイタズラしちゃうよ! 沈黙は肯定とみなす!(なお侵入は敵対とみなされるもよう)

 LINK2だから出せるときはだいたい勝ってるとき。でもこの子のおかげで盤面が蟲惑魔だらけにできる。ダウナー系だけに、だらけ蟲惑魔だらけ。つって(異次元の落とし穴)




●《ジーナの蟲惑魔》


 モチーフはムジナモ。狢のような藻だからムジナモ。
 実はモウセンゴケ科の一種で、セラちゃんの親戚! お姉ちゃんヤッター!
 水中に茎と葉だけで浮かんでいる珍しい生態で、二枚葉の間にミジンコなどが入り込むと植物界最速(ガチ)の速度で葉を閉じ消化を始める。
 速さが足りすぎている。+8000LP

 身長はきっと148cmぐらい! 二人目の純黒髪、かわいい!
 アイドルみたいな衣装してるね? おしゃれさんなのかな?
 蟲惑魔とは思えないむちむちふとももが非常に良い。というか全体的に蟲惑魔にしては結構発育がよろしい。しかも緑目かわいい。
 キノちゃんと似た特殊召喚効果だけど、コスト払う代わりに召喚制限がない。なのでよくランカちゃんに連れてこられて、セラちゃんのいないところで二人でXYZしている。こいつらXYZしたんだ!!!


 斬機ダランベルシアンの蟲惑魔『で、俺が生まれたってわけ』




●《キノの蟲惑魔》


 モチーフはヒカリキノコバエ。の、幼虫。
 キノコなのに昆虫!? と思われるかもしれないが、別名は『ツチボタル』や『グローウォーム』と呼ばれ、ガッツリ虫。
 粘液を出して獲物を捕獲する生態が、そのままキノのねばねば感で表現されている。

 身長は138cmぐらい! 幼虫だけあって小柄だ。
 あとフレシアちゃんと仲が良い。フレシアちゃんのひざまくら! ひざまくら!? うらやましい! そこ代われ! ウワァアアアアアアア!!!!(《百合の間の落とし穴》(107行ぶり2回目))
 
 手札から雑に出てこれるのが超便利、バック守れるのも超便利!
 名前はキノだけど、旅はしないよ!




●《プティカの蟲惑魔》


 モチーフは食虫植物、ネペンテス・プディカ(Nepenthes pudica)から。
 2022年に発見されたばかりの新種で、地面の中に捕虫器を作る変わったタイプ。その性質からプディカ(恥ずかしがり屋)の名前が付いたウツボカズラ。
 ウツボカズラ……ウツボカズラ!? 一番最初に紹介したはずでは!? まさか自力で2回目の通常召喚を……!?

 いいえ、《蟲惑の園》のおかげです。

 身長は139cmほど。小柄に見えて実は結構肉付きが良い。
 そして何より、カズーラちゃんの妹!(かも!?)
 実際同じカズラウツボモチーフということでそのあたりが意識されていて、カズーラと目の色・髪色・髪飾りが一緒。スタッツも似ている。ストラク資料でも『姉妹か近縁のような関係なのだろうか』と書かれていたので、たぶんそういうこと。 

 通常召喚時の効果も、特殊召喚時の効果もどちらも下級モンスター最強格。トリオンに次いで蟲惑魔の中核を担う。
 今回のストラクで蟲惑魔デッキの純粋な出力を上げたツートップのうちの一人。
 《狂惑の落とし穴》での表情がちょっと怖い……。




●《ホールティアの蟲惑魔》


 モチーフは植物のキバナツノゴマ。『ibicella lutea』(イビセラ・ルティア)から。ホールの部分は、通称の『Ram's Horn』(ラムズホーン)から来ていると思われる。
 ホーン+ルティア。合わせてホールティア。

 名前も容姿もとてもややこしい。ややこしいけどそれがすごくエモい娘。
 名前については正直なところ、《ホール》と《蟲惑魔》を同時に参照できるようにするためにどうにかこうにか頑張った感が否めない。でもそれでいい。
 容姿も特殊で、まず『巨大モンスター部分が(多分)存在しない』初の蟲惑魔。
 そして『植物系モチーフなのに昆虫系のような見た目』をしている。
 更に衣装は別の通称の『悪魔の爪』から来ており、悪魔を彷彿とさせる鱗や鋭い爪、翼のようなものが存在する。

 それもこれも全て、『罠モンスター』であることが理由。

 ・そもそもが『モンスターカード』ではなく
 ・モンスターになっても蟲惑魔の共通効果である《ホール》《落とし穴》無効を持たず
 ・実際のキバナツノゴマも虫を捕獲しているが消化をしているわけではないため、生物学上は食虫植物ではなく
 ・第一に容姿で誘惑をしかける蟲惑魔の特徴から外れ、人間からはどう見ても警戒されるような見た目をしている。
 ・ホールティアもそれを自覚しているのか、草葉の陰に隠れおどおどしており、他の蟲惑魔がするように『自ら人間に誘惑をしかけにいく』とはとても思えないこと。

 以上ことから、蟲惑魔の共通した特徴から全て一歩だけズレた娘だということがわかる。
 本当に蟲惑魔種のモンスターなのか? 実は『蟲惑魔』に擬態した更に別のモンスターなのでは? という説もあるほど。


 しかしキッチリとセラ・トリオンでサーチができるあたり、少なくともその二人からは仲間として認識されているらしい。よかったね!

 新しい蟲惑魔種として一番遅れて蟲惑魔の森に登場したホールティアちゃん。コミュニケーションが苦手そうなホールティアに対して、純粋なセラ・アホの娘のトリオンが率先して蟲惑魔の仲間として受け入れたと考えると、本当にエモい。
 更にそれに対しホールティアも驚異の仕事量(1デュエルで3枚サーチ・6回以上の効果発動は日常茶飯事)で返すあたり、蟲惑魔ちゃんたちの絆が感じられる。もうこのデッキ、ほんっっっとに好き。全員かわいすぎる。


 ちなみに性能面は間違いなく蟲惑魔テーマ内最重要カード。
 ストラク収録の新規カードは発売前に徐々に情報が公開されていくが、大体最後の一枚はぶっ壊れているというジンクスがある(宝玉獣しかり)。
 そして今回のホールティアもその枠だった。
 装備デッキで言うところのイゾルデ、スプライトで言うブルー、立花で言うボタン、斬機サーキュラー。だいたいそんな感じ。やべぇ。
 


●《シトリスの蟲惑魔》


 モチーフはムシトリスミレ。またタヌキモ科ーッ!!
 リセ・クラリアと同じタヌキモ科だが、捕虫形態はモウセンゴケ科に近い。
 葉の天面に粘液を出し、それに捕まった虫をそのまま溶かして吸収する。
 スミレに似た花を咲かせるが、スミレとは類縁が遠いらしい。嘘つき!



 100㎝ぐらいありそう。いや、身長の話じゃなくて。
 デカい。とにかくデカい。蟲惑魔の中でも最大。そのデカさはあのブラックマジシャンガールも超える。  うん、攻撃力がね。
 
 ちなみにカード効果は蟲惑魔モンスターをサーチする効果と相手の除去されたカードを吸収する効果。
 いつもお世話になってます。  カード効果に。

 ちなみに後述の《アティプスの蟲惑魔》を召喚すれば攻撃力は胸囲脅威の3500。落とし穴とか関係なくてもブルーアイズを正面から張り倒せるレベルになると考えれば、期待に胸が膨らむ。

 
 大きいものを見慣れたから 小さいものが良く感じるんだなあ
 小さいものに囲まれているから 大きいものが際立つんだなあ
                            かずし


●《アティプスの蟲惑魔》


 モチーフはジグモ。英名のAypus(アティプス)から。
 地面で生活する蜘蛛なので、ジグモ。とてもわかりやすい。
 石の側面などに、地中~地表に至る細長い巣を作り、獲物を待つ。わかりやすく言うと、台所の排水溝用のネット。まさにあんな形の巣を作る。
 獲物が巣に触れ振動を与えると、一気に飛び出し引きずり込む。毒を体内に流し込み体組織を液状にし、それを吸い上げてご馳走様。外骨格だけになった亡骸は外へポイ。
 クモ自体の体長は1cm~3cmほど。キレイだからってジグモの巣を引っ張り出す遊びがあるらしいけど、やめようね! クモはいい虫なんだよ!

 身長は136cmぐらい。小さいおてて、細い四肢を見る限りセラちゃんクラスに小っちゃい。
 正直めちゃすこ。ストラク新規の中で一番すここ。
 パワーがあり盤面も剥がせる。出しておいて間違いないフィニッシャー。アティプス・コードトーカー!!
 効果無効と破壊は相手のモンスターゾーンしかできないけど、バック側はトリオンちゃんが消してくれる! トリオンちゃんは効果にターン1ないからね。破壊もサーチも。 サーチも!? トリオンちゃんがヤバすぎて蟲惑魔の森がヤバい。

 そうしてフロントもバックも食い荒らされた決闘者が、また蟲惑魔たちの養分になるのであった。
 
 VICTORY(テッテッテーレッテレテッテー)



 お わ り。





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