物置からの電話

鍵の騒動の後、電気工事やら壁紙補修やらが大変だったと母親に聞かされたのは大人になってから。
一応火がでたので、念のため消防隊員が現場を確認しに来たらしいんだけど、あとコンマ数秒長く鍵を掴んでたら無事では済まなかっただろうと。
自覚なく九死に一生を得た。
そこからだんだんと人には見えないものが見えたり、聞こえたりするようになった。
どれがみんなに見えるもので、どれが見えないものかがわからず、気味悪がられたようです。
そんなある日、またもや日中に1人になります。
すると黒電話がジリリリと鳴り、見よう見まねで電話にでます。
もしもしと言ったか言わないかの記憶は定かではないのですが、受話器の向こうから男の人の声で、
「裏の物置のお化けです」
と。
裏の物置というのが縦2メートル横3.5メートルくらいの物置で、もともと薄気味悪くて嫌いだった場所。
そこのお化けと名乗られて、めちゃくちゃ怖くてすぐに受話器を戻しました。
母親がすぐに戻り、ことの顛末を話しましたが、怖かったね〜とあやされて終わり。
大人になった後にこの件について母親に聞いたところ、引っ越し後にこの家の番号をしってるのは親族と公的機関くらいだと。電話帳(ハローページ)にも載ってないので、ランダムにかけた悪戯電話だろうと言われました。
でも、悪戯電話で裏の物置というピンポイントで言ってくるかな…。