始まりの記憶、恐怖体験の始まり

これは心霊的な話ではないのですが…
普通の人は何歳くらいの記憶から思い出せるのかはわからないけど、僕の記憶は2歳から始まる。
昼過ぎの日が強く窓から差し込む中で、私は一人で居間にいた。母親は後から聞くとお昼寝をしていた僕を置いて買い物に行っていたらしい。
目を覚まして起き上がると誰もいない。別に泣き出すわけでもなく、ただボーッと窓を眺めていた。ふと我に帰り、立ち上がるとそこにはテーブルがあり、その上には鍵がいくつか置いてあった。
まだ引っ越して間もなくだったらしく、家の鍵、物置の鍵などいくつかあったようだ。
私は“鍵”というものの正しい使い道はわからなかったけど、穴に挿すということだけはわかっていた。鍵を手に取り、周りを見渡すと、それっぽい穴があった。
その穴のそばまで行き、その前に座り込んだ。
細い穴が空いている。
手に持った鍵を差し込んだ。
何も起こらない。
押したり曲げたりした。
それでもなにも起こらないので、手に持っている他の鍵も隣の穴に差し込んだ。
バン!!
という大きな音と真っ白い閃光が目の前に広がった。
その眩しい光が僕の最初の記憶をレコードするきっかけだったと思う。
痛みは記憶していない。
何が起こったか。
鍵を2つ、コンセントに挿しこんでいた。
結果は、ブレーカーのヒューズを飛ばし、引っ越したばかりの部屋のコンセント周りを焦がすことになった。
そしてここから不思議な体験や怖い体験をすることになってしまうことになった、始まりの出来事だった。