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一都三県で連携して行政のデジタル化を進めていきます!

本年7月20日、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の各CIOが出席し、東京都市圏のCIOミーティングを開催しました。
【注】CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者

この会議は、デジタル社会の実現を目指して共同して広域的な課題に取り組んでいくため、各自治体の先駆的な取組やノウハウの共有等を図っていくことを目的としています。

今回はそのミーティングの内容をご報告します。

CIOプレゼンテーション

ミーティングでは、それぞれのCIOから各自治体におけるDX推進に向けた取組を紹介しました。

≪ 東京都CIO・宮坂副知事プレゼン ≫

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東京都CIOの宮坂副知事から、東京都では、デジタルの力で都政のQOS(クオリティ・オブ・サービス)を向上させるべく、「スピード」「オープン」「デザイン思考」「アジャイル」「見える化」の5つのキーワードをチーム文化として定着させていくため、デジタル関連施策を積極的に進めていることを紹介しました。

≫主な発言
「スマート東京」実現に向けた「3つの 柱+1」として、電波の道でつながる東京”TOKYO Data Highway“と、公共施設や都民サービスのデジタルシフト”街のDX”、行政のデジタルシフト”行政のDX”の3つの柱のもとで、デジタル関連施策を展開しつつ、ウィズコロナの視点でDXを更に加速させていきます。

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行政のDXに関しては、未来型オフィス実現プロジェクトと題して、未来の働き方に対応したプロトタイプのオフィスを、都庁第一本庁舎24階に展開しています。フリーアドレスとなっていて、オンライン会議用のスペースやチーム編成に応じて自由に変更できる什器を配備しています。

Free、Flexible、Flat、Future、LowCostという”4F+1L”により、職員の意識と働き方を変え、都庁の生産性を高めていきます。

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≪ 埼玉県CIO・砂川副知事プレゼン ≫

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埼玉県CIOの砂川副知事から、埼玉県では、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のデジタルトランスフォーメーション」を実現し、快適で豊かな、暮らしやすい、新しい埼玉県への変革を目指していくため、埼玉県DX推進計画を本年3月に策定公表したことを紹介しました。

≫主な発言
この計画では、行政手続のオンライン化をはじめとした9つの基本施策と、セキュリティ及び個人情報の保護などの3つの共通施策を定め、県民や事業者のサービス向上を図るとともに、行政のデジタル化を実現するための施策を積極的に推進することとしています。

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令和2年には職員が自宅から職場パソコンを利用できる環境(遠隔操作システム)を整備するなど、職員のテレワーク環境の充実を図るとともに、サテライトオフィスを拡充し、知事も出張の途中に業務をサテライトオフィスで行うなどしているほか、本年5月からは、都との相互利用を開始しており、今後もテレワークを積極的に推進していきます。

働き方改革にも通ずる環境整備を進めて行くことで、迅速かつ効率的な業務執行を目指し、柔軟な働き方の実践によるクリエイティブな組織への転換や、多様な経験を持つ職員が輝きながら、仕事と生活の相乗効果による充実を図りながら、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現を目指していきます。

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≪ 千葉県・穴澤副知事プレゼン ≫

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千葉県の穴澤副知事から、千葉県では、県民の暮らしを豊かにし、子どもからお年寄りまで一人ひとりが活躍できる社会の実現を目指し、「人」を中心としたICT利活用の推進と、様々な実施主体(プレーヤー)による主体的な取組の誘発をねらいに、平成元年に千葉県ICT利活用戦略を策定したことを紹介しました。

≫主な発言
この計画では、県だけでなく企業や大学などの様々な主体も参画し、自らの取組として推進していくことを目指しているほか、計画を「永遠のβ版」として、情勢を反映した戦略に適宜変化させていくものと位置付けました。

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県民にデジタル化した行政サービスを提供するためには、市町村との連携が不可欠であることから、県と市町村との連携を図り意見交換を行うための会議を設置するなど、県内全体のDX推進に向けた取組みを推進しています。

テレワークについても積極的に推進するため、1人1台配付しているPCを、昨年8月に庁外からつなぐことのできる環境を整備しました。
その上で、今回、国の「テレワーク・デイズ2021」の実施期間(7/19~9/5)において、新たな取組を実施することとし、管理職重点取組期間を7月に設定し、期間中5回以上のテレワーク等を推奨し、その後、8月には全職員に重点期間を拡大していきます。
管理職が率先して取り組むことで、職員の意識改革を促し、テレワークを活用した働き方を県庁全体に浸透させていきます。

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≪ 神奈川県・江口CIO兼CDOプレゼン ≫

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神奈川県の江口CIO兼CDO(データ統括責任者)から、神奈川県では、県民の安全安心や利便性の向上と、行政内部の業務全般の効率化を実現するため、ICT及びデータを積極的に利活用していくこととし、令和元年7月に「かながわICT・データ利活用推進計画」を策定したことを紹介しました。

≫主な発言
本計画では、「くらしの情報化」と「行政の情報化」の2つの柱のもと、デジタル化を推進しており、この計画を実行性のあるものとするため、知事を本部長とする全庁推進体制としての神奈川県デジタル戦略本部を開設し、そのもとにCIOとCDOを設置しました。神奈川県デジタルガバメントを実現するべく、「新たな生活様式」に基づく働き方改革を進め、デジタルガバメントの実現に取り組んでいます。具体的な取り組みとしては、原則、全ての行政手続を対象に、オンライン化を推進しているほか、公金のキャッシュレス化や押印の廃止を推進しています。

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DXについては、デジタルをあくまでも人々の生活を支えるものとして活用し、そこから得られる体験、体感から、「デジタルって便利でいいよね。」「データって大事だよね。」と思ってもらう、いわゆる「デジタル・エクスペリエンス」だと考えています。

様々な分野において、デジタルによる下支えと全体最適化を実現すべく、民間などとも連携しつつ、デジタル戦略本部室とデジタル・エクスペリエンスチームが中心となって、自らのデジタル化施策の推進と各局のデジタル化事業を支援・牽引していきます。

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意見交換

各自治体からのプレゼンテーションの後、意見交換を行いました。短い時間のなかで、活発な意見交換が行われ、それぞれの自治体が行っている取組や課題感の共有がされました。

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スマートフォンでの仕事環境整備

スマートフォンの仕事での利用については、チャット利用など、スマホで仕事をするのは当たり前になっていきています。一方で、公式ツールとしての位置づけの際にはセキュリティに関する課題が大きくなっています。スマートフォン利用に関しては、職員の情報セキュリティに関する教育の徹底とのバランスが重要であるとの意見がありました。

大型図面の電子化

大型図面の電子化については、各自治体共通の課題であり、大型モニターやタブレット等で解決できるかどうかチャレンジしていくことを予定しているなど、対応策に関する情報交換が行われました。

庁内デジタル部門の在り方

庁内におけるデジタル部門の在り方については、デジタル人材を集約化している自治体が多く、「『餅は餅屋』の発想で、デジタルには専門人材を集約させることで、大きなデジタル化の流れを作っていきたい」などの意見がありました。

「デジタル人材の育成をどうするのか」というテーマについては、ローコードツールなどを使って、デジタル化を行政内部に浸透させていく人材の育成が重要と意見があったほか、高度なデジタル人材については、外部人材の活用もあるのではないかとの意見もありました。


1都3県で連携した行政のデジタル化に向けた今後の取組

この意見交換を受け、職員間でも課題感を共有する関係性を醸成していくべく、東京都から、1都3県のオフィス等の相互利用について提案をしました。この背景には、新型コロナウイルス感染防止を契機に、民間を含めてテレワークが急速に進展していることがあります。

オフィス等の相互利用の取組は、令和2年度から東京都と埼玉県の間で事業を実施、都のICT部門の職員が埼玉県の浦和美園にあるサテライトオフィスに訪問し、反対に、県のデジタル改革担当の職員には、都庁にお越しいただくなどし、他自治体でのテレワーク体験を兼ねて、イベント的に情報交換を行いました。

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これを契機に担当者間で顔の見える関係が構築でき、日頃から気軽に情報交換等ができる人脈が生まれました。

この成果を踏まえ、各県が持っているサテライトオフィスなどを活用したコワーキング的なオフィスの使い方について、千葉県、神奈川県にもご参加いただき、東京都市圏におけるDX人脈を築いていければという東京都の提案に対し、今後準備を進めていくことで一致しました。


最後に

今後も、今回のような取り組みを継続することで各県のCIO等の皆さんと顔の見える関係を構築していくとともに、都から提案したオフィスの相互利用等を通じて、職員間においても、東京都市圏一都三県がスクラムを組んで、行政のデジタル化に取り組んで行きます

【ご意見募集】
#シン・トセイ 都政の構造改革に関するご意見・ご感想を、ポータルサイトのフォームより受け付けています。行政のデジタル化に関する一都三県の取組について、ぜひご意見をお寄せください!