深呼吸学部2020/08/08津田博史

1.想像ワーク(小学生の自分になって学校の校門の前に立つ風景を描写する)

小学校5年以降は、だいたい、いつも朝の連続テレビ小説を見て、
8時40分か45分始まりだった始業に間に合うように、少し駆け足で、家からまっすぐに公園までの住宅地、用水路の橋を渡って、田んぼの沿いの通学路を、てけてけと通った記憶がある。
教室に飛び込むのは始業間際だったので、誰かと何かおしゃべりした記憶がすっぽりない。
でも、4年生より前はどうしてたんだろう?と思い返してみても、すっかり記憶が抜け落ちている。。。
1年、2年のときは、新興住宅地に出来た学校でだいたいみな同じ世代の人が入ってきたので子供の年代も似通っていて、確か一クラス40人で5クラス。新校舎が間に合わず、プレハブの教室で、靴箱で上履きを履きながら、近所の友達とわいわいしていた記憶がうっすらある。。。

今でも実家に帰省するたびに、だいたい立ち寄る小学校は、いまではずいぶんくたびれた感じになり、40年前の小学生が見上げていた、新しい感じは全く漂ってこない。。。

40年ぶりに想像で立ち戻った校舎には、友達の賑わい、がなく、しんとしている。中学から私学に通ったので、小学校の友達との記憶は、その後交流している限られた少数の現在を除いて、ぷっつりとそこで途絶えている。。。

ああ、そうか、僕は友達の少ない男の子だったんだ。
一緒に、悪さに誘ってくれる友達も、悪さを誘う友達もいなかった。
なにせ、勇気を振り絞ってスカートめくりした女の子には、きゃー!とは全く言われずに、「あなたにならめくられてもいいわ」、と、今思い返しても、レスポンスに戸惑う、落ち着いたレスポンスを返されたのだっけ。。。

でも、学校には友達に会いに行っていたし、5,6年で友達の家で、書いた漫画クラブは楽しかったなあ。
でも、40年後の始業前の学校には、外から眺めているだけでは、友達の気配が全く漂ってこない。

そうか、中に入らないと、校舎には、何の思い出の手がかりもないんだ。
思い出に飛び込むにも、もっと、勇気がいるんだ。


2.1000本ノックによる深呼吸する言葉
『一人ぼっち』
冷たい。
寒い。
そこには、誰もいない。

周りに人はいる。
けれど、何も通じない。

人は誰も一人。
僕も一人。あなたも一人。

ひとりぼっちであることをいつも意識しながら、
話すことは、ひとりごっこ。
遠くを見つめて、ここに戻ってくる。

『横断歩道』
暑いなあ。まだ、変わらないのかなあ。

あ、点滅した!渡っちゃいたいな!

今すれ違った、女の子、可愛かったな。

犬って、横断歩道ってどんな風に見えてるんだろう。

『スクリーン』
タイトルロール。
夢と現をつなぐ音楽が流れ、余韻をじわっと噛みしめる。

真っ暗な空間。
予告編が終わり、さあ始まるという静寂。
どこに連れってくれっていってくれるのだろう?という、
一瞬にして、永遠の間(ま)

終わりから始まる。
閉じられた空間の悦び。
そこには、なんでも描けるんだという可能性。

白でも、黒でも。
仕組みではなく、気持ちから。

『笑い声』
あははは。

きゃっ!きゃっきゃきゃ!

うふふふ。

はははは。

遠くから、近くから。
昔から、未来から。

おかしいことがある時代のシアワセ。
冷笑には声が無い。

『根性』
あきらめない。
あきらめきれない。

思い込んだら。

ああ、でも、フルマラソンの25キロ過ぎからの、もう駄目だと感じてから後は、あれは、根性、なのか??
しんどい時間と身体を過ぎた後の、
それまでとは違う感覚を味わうためのチケット。

それが根性。

『青空』
すーっと、吸い込むように。すーっと、吸い込まれるように。

薄い形の自由な雲が、空を際立たせる、青さ。

陽射し。容赦なく、影を奪う夏の陽射し。
蝉の声。隙間を埋める、蝉の声。
坂の向こうに、切り取られる、けれど、青い空。

声にならない叫びを、叫ぼう。
吸い込まれるように。吸い込まれないように。

あああーーーーーっ

『嘘』
嘘とは罪である。
罪とは何かを別にして。

嘘とは贖罪である。
今の自分を成り立たせる歪みとして。

分かっている嘘を、ついても平気?
みえみえなのにね。

分からない嘘を、つくのは平気?
みえみえじゃないからね。

それも、これも、あれも、どれも嘘。
あれ、これ、どれ、それは真実?

真実なんてない!
なんて、大嘘なんだ。

真実は、心の中にある!
嘘かもしれないね。

嘘の背中に、まことがいる。
とは、かぎらない。

けど、ひっそりと息づく何かがそこにはいる。

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