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インターホンのモニタには、いつものごとく、表情に乏しい彼女が、所在なさげに立っている姿が…
ずっと家にこもっているのも良くないと、日課の散歩をしていると、近くの田んぼの一角がコスモ…
妻が家の玄関ドアの横で、花を育ててると気づいたのは、うだるような暑い日。 久々の外出から…
「ねぇ?」 「なに?」 「一夜と出かけられたのは嬉しいんだけど、何で雨の日を選んだの?」 …
桜が咲く季節になると、必ず訪れてしまうのが、家の窓から見える川沿いの桜並木だった。出店な…
私の中で、一番印象に残っているのは、春に咲き誇る満開の桜でも、その後散りゆく桜でもない。…
「また、歌ってる。」 目の前を歩いていた彼が立ち止まり、こちらを振り返って言った。 私も同じように足を止め、彼を振り仰いだ。 「え?」 「ハナミズキ。一青窈の。」 私は自分の口を押さえると、彼の方を見つめた。彼は戸惑ったように、言葉を続ける。 「別に責めてるわけじゃない。僕もその歌好きだし。」 「・・あれを見たからかも。」 私が指さした先には、公園に咲くハナミズキがあった。 「公園で休んでいく?」 「うん。ちょっと歩き疲れた。」 公園前にあった自動販売機で飲み物を買い、
目の前に、ネモフィラの花の群生が広がっている。 ネモフィラはとても好きな花だ。1輪だととて…
大学生である私は、夏の長期休暇を利用して、それほど仲良くはない高校時代の同級生と、合宿に…
毎日、毎日、雨ばかり。さすが梅雨だ。 普段家に閉じこもっている私には、外が晴れだろうと雨…
玄関を出て、新聞を取りにポストへ歩いていくと、僕の鼻先を微かな香りが掠めた。新聞をポスト…
柔らかいラグの上に寝転んで、ぼうっと天井を見る。天井は白くて、特に染みもなく、興味がかき…