【短編小説】腹を膨らませて、頭を休めて、心を満たして
自分の腹から胸にかけて手を当てて、その場に立ち止まる。さっき学食で昼食を取ったばかりなのに、もう空腹感を感じる。
まったく、自分の体はどうなってしまったんだ。
思わず舌打ちしたくなったが、同じ空間に人がいることを考えて自重する。
「どうした?」
後頭部をはたかれた。そんなことしなくたって、聞こえてるのに。俺は、相手を見ながら、渋々と口を開く。
「・・腹減った。」
「まじで?さっき食べたばっかじゃん。」
「でも、食べたい物があるわけでもないし、どうしようかと思って。」