【短編小説】かげおくり
明日は土日。休みだ。
平日5日の仕事により、たまった疲れで、重い身体を引きずるようにして、自宅に帰った。今日はサブスクサービスで、好きな映画でも見ながら、夜更かししようと決めていた。おつまみやお酒も買ってきたし、準備は万端だ。休み前くらい、このような贅沢な時間も許されるだろう。
そう思っていた私だったが、その予定は、ある出来事によって打ち砕かれてしまった。
お風呂から上がって、リビングでくつろいでいた私の耳に届いたのは、インターフォンの音。思わず壁時計に視線を送ってしまう