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9割の人が間違っている子供への褒め方

子供に対してほめることは大切だと多くの人が認識していると思いますが、残念ながら間違ったほめ方をしている人が多くいます。

褒めるだけではだめなのです。大事なのは「褒め方」なのです。

褒めることで自尊心を高め、自分はできるという感覚が身につくと言いますがこれは間違いなのです。

そもそも、「自尊心が高い」とはどういう子なのでしょうか?

自尊心が高くなると、学習意欲が高くなったり、学力も高くなります。このような子は大人になっても、仕事に対する勤務態度の良好、健康状態良好、人生に対して幸福感や満足感が高くなるという傾向があります。

まさに、理想の大人に成長するというわけです。

ですが、こんな実験があります。フロリダ州立大学のバウマイスター教授らの実験では、「自尊心と学力の関係は相関関係に過ぎず、因果関係は逆という結果になる。」というわけです。

簡単に説明すると、自尊心が高くなるから学力が高くなるというものではなく、学力が高くなるから自尊心が高いということなのです。

たまたま、勉強できる人たちが自尊心が高くなるだけかもしれません。

大人でいうと、仕事ができるから自尊心が高くなる、自尊心が高くなるから仕事ができるのかは、個人的な問題になるということです。


褒め方の話に戻りましょう。

バージニア連邦大学のフォーサイズ教授が行った実験では、試験で成績の悪かった学生をランダムに2つのグループに分けて、毎週宿題の連絡と共にメッセージを送りました。

一方には「自尊心を高めるような文」を、もう一方には、事務的な連絡と「責任感の重要性を説く文」を送ります。

実験の結果、自尊心を高めるメッセージを受け取ったグループのほうが、受け取らなかったグループの成績が低かったのです。

「あなたはできる!」「自信をもって」などの言葉は意味がないということです。かえって子供の自尊心を低くしてしまうかもしれません。

次は褒め方の実験です。コロンビア大学のミュラー教授らは、こどもたちにIQテストを実施して異なる褒め方をする実験をします。褒め方として、子供にもともとある能力褒める方法と努力を褒める方法の二つを用意します。

・「頭がいいね!」

・「よく頑張ったね!」

その後のIQテストを2回しますが、2回目は1回目よりも難しく、3回目は1回目と同じレベルです。


三回目の成績の結果は、「能力を褒めたグループは成績」を落として、「努力を褒められたグループは成績」を伸ばしたのです。


理由は能力を褒められたグループは問題が解けなかった理由を「自分には能力がないからだ。」を認識して、努力を褒められたグループは「問題が解けないことは自分の努力が足りないからだ」を考えたのです。

つまり、子供たちの取り組みに影響が出たのです。

褒めるときに大切なことは、能力を褒めるのではなく、具体的に達成したことを褒めることが子供たちにとっては重要なことなのです。

褒め方次第で将来、難しいことにも粘り強く取り組む姿勢を育てることができます。

子供たちは我々大人が考えるほど繊細で敏感です。親の過度な期待がプレッシャーにつながることはよくあります。子どもに対しての声掛けはよく考えなければいけませんね。


今回は「褒め方」についての記事でした。

お子さんがいるご家庭では是非とも実践してみてください。

子供の行動が少しずつ変化するかもしれませんね。

(引用:学力の経済学 中室牧子 教育経済学者)

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