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認知症の症状はもの忘れだけが症状なの?症状についてまとめてみた。

認知症の症状といえば、、、
「もの忘れ」が浮かんできませんか?
実は認知症の症状は
 1.中核症状
 2.周辺症状 に大別されます。
この記事では、認知症の症状についてまとめてみました。

◆中核症状

認知症は病気なので、必ず認知症の原因となる病気が存在します。
原因の病気によって、脳の器質的変化(もとの形にもどらないような変化が起こること)が起こります。その結果、認知症者に必ず出現する症状となります。

中核症状とは、脳の器質的変化によって出現する認知機能の低下や障害のことをいいます。

その症状とは 
 1.記憶障害
 2.見当識障害
 3.遂行機能障害
 4.理解力・判断力の低下
 5.失語
 6.失行
 7.失認  
です。

冒頭の「もの忘れ」とは記憶障害なのです。実は記憶障害は認知症の中核症状の中の一つだったのです。

◆周辺症状

中核症状に環境や本人の性格が影響して現れる症状のことです。
最近では、行動・心理症状(BPSD)と使用されることが多くなってきました。

その症状とは、
 1.行動症状: 徘徊・異食・作話など
 2.心理症状: 不安・焦燥・幻覚・妄想
などの症状が見られます。

◆具体例

筆者は病院で認知症をお持ちの方を担当しています。

認知症を患うかたを担当した時のことです。
ある日、尿路感染により発熱し体調が優れず、何がなんだかよくわからないまま緊急搬送となり入院となりました。ご本人に入院経緯を尋ねると「わからない」とおっしゃられていました。入院経緯も覚えておらず、今の状況もイマイチ理解できていない、、、

患者さんと話すときに筆者は、
よく分からない場所(病院であるかもわからないが、家でないことはわかっている)に寝泊まりしている感覚なのだろう。と想像して患者さんと関わるようにしています。

上記のエピソードを認知機能に当てはめて考えると、
入院経緯を覚えていない→記憶障害
病院になぜ入院しているかわからない→理解力・判断力の低下
が推測されます。
(この場合の認知機能の低下は、認知症のみの理由ではなく、熱発による脱水なども関係していると思うのですが、説明の都合上省略させていただきます。)

このような患者さんは
急な環境の変化に気持ちがついていけず、
混乱が生じて、家に帰ろうと自室から廊下へ歩いたり(徘徊)、不安からくる焦燥感によりイライラしやすく常に落ち着かない様子(易怒性)が見られることがあります。

病院リハビリでは、患者さんの中核症状を正確に捉えて、環境・本人の性格が影響して出現する周辺症状を予防し、患者さんが安心して入院生活を送れるように関わっています。

〜今日のまとめ〜
認知症の症状には
1.中核症状 
2.周辺症状(行動・心理症状)
の二種類がありました。

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