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<読書記録>書店には運命の出会いがある

先日、買い物ついでに立ち寄ったTSUTAYA書店
書店へ行くと、必ずといっていいくらい、Amazonやネット書評を見ているだけでは出会えない本に出逢います。

今回、まだ半年しか経っていませんが、間違いなく今年のベスト3に入る本に出逢いました。

千年の読書

タイトルがなんともロマンに溢れていて、タイトル買いしそう。
そして、カバーもすっきりと洗練されていて、本のカバーというより1枚の絵画のようで、私の理想どおり。

「外側」だけでゾッコン惚れ込んだ本を手にとって暫く読んでいましたが、久しぶりに良い本に出会えた感動で背中がゾクゾクしてきました。

著者のプロフィールは「書店員」

有名な先生でも文筆家でもなさそうですが、読書のことを書かれているだけあって、すっきりとわかりやすい文章は、沢山の本を読み込んだ人に違いないと思いました。

読んでいると、読書傾向が似ていると感じました。私も読んだ本が沢山紹介されていました。
ただ、私ごときと違うところは、同じテーマの本を時代やジャンルを交差しながら、その紹介がつながって一つのまとまりとして結論に導かれていることです。
これは、本当に本を読み込んで理解していないと出来ないことだと思います。

その力量は、読み進めるにつれ、大きく感じられるようになりました。
もしかしたら、読者が感じるだけではなく、著者も書き進めるにうちにどんどん力量をつけていかれたのかもしれません。

レビューに「途中で飽きた」というものがありました。
これは、あまり興味がないテーマの部分で退屈したのではないかと思います。
私も、前半の「経済」に関するところが、興味が薄く、離脱しそうになりましたが、そこを乗り越えると、興味のあるテーマが続いて引き込まれ、分厚い本でしたが、あっという間に読了していました。

第7章は最終章に相応しい内容でした。

お子さんを亡くして打ちひしがれている友人にどんな本を勧めて励ましたらいいか、という質問をお客様からいただいて、何も答えられなかった経験の告白から始まります。著者はどれだけ勉強してキャリアを積んだとしてもこの質問に答えられるイメージが湧かなかった、と。

そして、お客様からもらった大きな「宿題」人間にとって死とは何か、を膨大な読書から著者なりに考察していきます。そして読者は死がもたらす「希望」を著者と共に見つけていきます。

繰り返し読みたい本です。

実は今、第5章以降の2回目を読み終えました。

読書の習慣を身につけたい、と相談されたときには
「読みたいとも思わないのに頑張って読まなくても、本好きの人と友達になって
本のことを話してもらえばいい」といつも言っていましたが

この本は、その「本好きの友達」に匹敵すると思います。
読書が苦手な人こそ、この本は「頑張って」でも読んで友達になられたらいいと思います。

学校の課題図書ではありませんから、読み終わるまでの期限もありません。
各章で紹介されている沢山の本の紹介を、1冊分ずつ読んで、休み休み楽しまれるのも良いと思います。

もし、この本を読まれるなら、興味が無いテーマは飛ばしても、繋がりがあるわけではないので、興味があるテーマだけまずは読んでみるのも良いと思います。

目次
まえがき なぜ人生には本が必要なのか
第1章 本への扉 人生を変える本との出会い
第2章 生きづらさへの処方箋 眠れない夜に読む本
第3章 新しい働き方を探す旅
第4章 「お金」から見た世界
第5章 「おいしい」は味なのか 現代の食卓と料理の起源
第6章 幸福の青い鳥 瞑想と脳と自然
第7章 本から死を考える 死の想像力
あとがき 本との出会いは人との出会い
BOOK LIST


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